フレーム
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 単位時間当たりの人間の情報認知力と情報処理量には個人差があっても限界があることでしょう。個別の意志を持って動くピッチ上の選手22人+審判の動きを同時に追うことなど私にはできません。でもこればかりは阿部勇樹や宮本恒靖、中田英寿にだって無理だと思います。
 ピッチを良い位置角度で鳥瞰しているスタジアムの観客もまた、TV観戦者と同様に限定された情報を見ているに過ぎません。
 スタジアム観戦の利は瞬間瞬間の全体のピッチバランス(ポジショニング)が確認できることと、自分で見たいところを好きなように選べることです。つまりスタジアム観戦とTV観戦の違いは、フレームを自分で操作するか他人が仕切ったフレームで見るかという違いであるかと思います。
 トルシエ就任直後のコメントに「日本の選手のことならよく知っている。たくさんのビデオを見た。私はビデオでも選手を評価する方法を発見している」というのがありました。また、遠隔地への選手の売り込みにビデオテープを使うのはポピュラーな方法のようですし、カメラに切られたフレームにもなかなか価値があることを示していると思います。
 私はわがままな人間ですし、見たいテーマが主に守備の状態ですので、攻撃(ボール)主体のフレームでは満足できません。私は自分を満足させるためにスタジアムに足を運んでいます。

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