中国戦の失点シーン
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ブレイクしない中国戦1点目の失点シーン

 中国戦は松田のセンター起用にも関わらずF3指向のスイーパーシステムでした。松田のポジションミスやフリーの中国選手が何人もいることは、宮本のいない日本の3バックの選手では解決できないようなので、批判を繰り返しても意味がないようですが、この失点シーンでは最終ラインがブレイクしていないこと、川口がオフサイドをアピールしていることから、従来ネット上の寄稿家達の一部で主張されていた松田の早いブレイクなるものが意図されたものではなく、宮本以外のDF達がF3が出来ないことによる自然発生的なフォーメーションに過ぎなかったことが証明できるシーンでした。
 トルシエ日本のF3も欧州のラインディフェンスと同じくゴールエリアの中でも出来る限りブレイクしないことを指向しているごく普通のシステムであることが確認できました。ゴールエリア内でブレイクしないシーンは私の見る限り、もう一カ所確認できています。

 私は、日本に来るヨーロッパチームやTVで見ることの出来る欧州チームが使っているのを見たことのない「早いブレイク」なるものがまことしやかに議論されるのが疑問でした。宮本のF3は欧州起源のラインディフェンスに宮本のアレンジが加えられて今の姿になったのだ見ていくと比較的理解しやすいのです。
 しかし、どう見てもラインがそろっていないディフェンスをF3と主張したり、JリーグではこのチームもあのチームもF3をやっている。その中でもっとも優れているのはF・マリノスであるという議論になるともはや妄想としか思えないもので、欧州の戦術思想とは無関係な日本オリジナルの戦術としての「(元からフラットライン状態が少なすぎる)慢性ブレイク状態」を「早いブレイク」というと語ってくれた方がまだ納得できます。いやはやなんとも。



1対1で負けた中国戦2点目の失点シーン

 中国戦2点目の失点は明らかに松田が1対1で負けています。まず、中国選手のフェイントに引っかかり、体勢を崩して体を寄せることが出来ない、お次はキーパーの視界をふさぐ完全なブラインドになってしまう。これは完全な技術的敗北でしょう。その他にも、稲本、服部との連携が悪くファーにフリーの中国選手を作ってしまっている。このシーンは厳密に言うと3対2で日本が数的には優勢なのにも関わらず、1対1に持ち込まれ点を取られてしまうといううんざりするような宮本不在お約束の守備の失敗シーンです。松田、服部、稲本の3人がボールしか見ていないのは言うまでもありません。

 マスコミは中1日でつかれていたことにしようとしているようですが、1対1を苦手とするDFを3バックに2人も起用したトルシエの采配ミスでしょう。宮本がいないのは仕方ないとしても、海本が出ていないのは痛かった。
 トルシエは、他の大陸の選手には日本人の1対1は通用しないと思っている節があると思いますが、東アジアレベルでも通用しないのを見せつけられると愕然とします。私としても、中国選手の方が日本選手より技術的に優れているとまで書くのはつらいです。私は、アジアカップ日本代表はシドニーオリンピック日本代表より弱いと考えていますが、もうそろそろ、1対1に強い選手だけでチーム構成した方が良いと思います。

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