単なるパスミスではなく
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11月23日の鹿島戦が終わってからの後座試合でガンバユースのプレーをみました。ガンバユースの選手はドリブルは新井場に似ているし、パス回しはグラウンダーが多く、ユースカップとは印象が違いましたが、稲本、二川、大黒を彷彿とさせます。時折、見せる相手にぴたりと会わせるサイドチェンジも他の高校や他のユースではほとんど見られないチームもあるので、ガンバの特徴にあげていいでしょう。稲本サイドチェンジもユースでの教育のたまものと改めて感じます。稲本はやはり、足技の選手です。オリンピックでの足技の披露はもっと評価されて良かったと思います。

ワンタッチでのボール回しはガンバの特徴だと感じていましたが、11月26日の日経新聞の記事によると稲本自身がガンバユース出身の選手はみんなボールのけり方が一緒といっており、その理由がユース時代の練習にあることが分かります。実際、近年ユース出身者が占める割合が上がるにつれてガンバはどんどんユースカップのガンバユースに似てきています。

ユースの試合を見ているとワンタッチでパスを出すとき受け手の使う足、トラップの方向を考えてパスを出していることがよく分かります。(日経の記事も同趣旨の内容でした)
また、こういうパスはパスの出し手と受け手の意図がシンクロしないと失敗することも分かります。ガンバのトップチームは中盤でパスカットされることが多いのですが、私はこれは単純なパスミスではないと考えています。パスの出し手と受け手の意図が一致したときは決定的なパスになっても、失敗すればただのパスミス。しかも、しばしば意図が一致しない。これが、現在のガンバのトップチームの状態だと思います。もっと単純にプレーすればパスを取られないのにと思わないわけでもありませんが、今後もどんどんトップチームのユースチーム化が進んでほしいと思います。代表での稲本がガンバ風パスを出すたびに、意図の分からないパスと批判され、すっかり優しいパスを出す選手に成り下がってしまい、優れた足技はガンバでしか見せてくれないと言う退化現象は起こして欲しくない。

そこで、来期に向けた補強についての意見ですが、ガンバの現在の中盤でのパス回し、しかも来期は数人のユース選手がトップ昇格し、大黒、橋本も今以上に使われるようになると、他チームの選手ではちょっと入れないのではないか、そもそもパス回しに参加できないのではないかと思います。批判の多いビタウも中盤のパス回しに参加できるだけで、私はいいと思います。そして、読売の天才少年山口がギリギリパス回しに参加でき、どっちかというと下手に見える、九州のストイコビッチ小島が下手に見えるガンバに入れる選手は自ずと限られてくると思います。私は、年俸5000万円以下の即戦力の日本人選手はほとんど、いないのではないかと思っています。わたしは、それより、ようやくトップチームでもパスの意図が浸透してきた二川を司令塔としたチームを本格的にデザインした方が可能性が高いと思うのです。そして、二川のパスの意図が分かる選手となると、他チームから選手を補強するのは極めて難しいとも思います。

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