中村俊輔についての若干の感想
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 中村のFKは芸術的だ。仙台のキリンカップなんか彼のFKを見に行ったと言っても良いぐらいのものだった。でも、フィールドプレーヤーとしての中村ってどんな選手なんだろう。

 私は、いくつかの問題点が指摘できると思う。

1.ドリブルの歩幅が大きすぎる。そのため、しばしば、ボールを取られるか、バックパスで終わっていることが目に付く。最近では、かなり持ちこたえられるようになったが、99年1stのガンバ戦では中村のドリブルは全く通用していなかった。00年2ndのガンバ戦でも新井場に比べると、突破力の低さとバックパスの多さが目立つ。

2.ドリブル時に足が大きく体側の横にはみ出て、写真などでは殆ど倒れそうに見える。これは、中村のドリブルが基本的に広い空間を必要としている事を意味しているものと思われる。最近は、改善されつつも、実際、狭いスペースでの突破は殆ど成功していない。

3.パスを出すときも体を大きく傾けてボールにドライブをかけるので、スペースのあるところでのパスは美しいのだが、パス出しの瞬間に体を寄せられると脆いのではないか。

4.パス出しのタイミングが読みやすい。中村はワンタッチのボレーという選択肢を殆ど持たず、ボールを殆ど止めてからパスを出すことを好む。これが、パスの選択肢の少なさにつながり、極めてパスを出すタイミングが読みやすい選手となっている。私は、パサーとしてどの程度のレベルまで通用するのか疑問に思う。

5.トラップの技術の低さ、若しくは、意識の低さ。CSで右サイドで中村がトラップで右足の前にボールを落とし左足に持ち替えて、さらに一旦止めてからパスを出すシーンがある。これが二川、新井場、稲本あたりだと、まず、トラップ後ボールが浮いている状態でパスを出したりするし、とにかくタッチ数が少ない。トラップそのものも次の展開を予想してのものになっていることが多い。中村のトラップはタッチ数を減らそうと言う意図はあまり見られず、何よりも次の展開に繋がらない。私は、トラップだけを見ても中村をテクニシャン扱いするのには躊躇を感じざるを得ない。

6.ボールコントロールは本当に上手いのか?推測だが、実は下手なのではないかと思う。それが、ボールを止めることへのこだわりとして顕れるのではないか。

7.マリノスジュニアユースというチームのカリキュラムによって育成された選手なのか?マリノスの指導のたまものと言うには、後に続く同じタイプの選手が育っていない。優れた指導によって育成組織が生み出した選手というには、あまりにも孤立した選手であり過ぎる。自己流の技術の部分が多いのではないか。

私は以上のような感想を持っています。

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