2000年Jユースカップ決勝戦のガンバ大阪ユース
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12月29日の長居競技場はこれで3回目、毎年とにかくストロングスタイルの観戦だ。11時からユースカップ決勝、13時から大画面で横国のガンバ−アントラーズ戦を途中まで、そして15時から17時頃までヴィッセル−エスパルス戦。都合6時間、しかも寒い!とても、彼女を誘って、なんて下心では観戦できない。コストパフォーマンスはすばらしいのだが、本当に観戦お疲れさまと実感する。

最も面白かった試合は、私も川淵チェアマンと同意見で、ガンバユース対エスパルスユース。裏の取り合い、フェイントの掛け合い、インターセプトの応酬、プレースピードの速さ。90分あっという間だった。

ユースカップでは、ガンバユースはいつも強豪で、今年も圧倒的に強いチームだったので、試合はガンバペースで進む。ガンバユースは大黒、二川時代は曲芸のような浮き球のパス回しと、サイドチェンジの多用、攻撃のタレントの圧倒的な破壊力による戦い方で、大黒兄には常に3人のマークがついていた。今年のチームはそれに比べると、しっかり守るチームで、パスもどちらかというと短いグラウンダーのパスを用いる。ヘッドも今年の方が強く、精確なようだ。これが、育成方針の変化によるものなのか、選手の個性による変化なのかまでは分からなかった。

試合中、最も見応えがあったのはパスの出し方、受け方、ボールの奪い方だった。パスを出すときは、肩、体の開き方でフェイクを入れるのはもちろん、ドリブルがパス出しの直前に細かくならない。ボールを運んでいるときと同じストライドでいきなりパスを出す。ボールを受けるときは、出来るだけ、けり足で受ける。少なくとも次にボールを蹴りたい足の最も蹴りやすいところ、次に進みたい方向にボールが落ちるようにトラップする。ボールを置き直すと言うことがほとんどないので、攻守の切り替えが極めて速い。トラップをドリブルの1歩目にするということが徹底されていた。後方からのパスも、後ろ向きで受けないで、一旦、やり過ごして、反転し後ろからボールを追いかけてそのままドリブルに移る。欧州の代表戦をTVで見ていると結構お目にかかるプレーなのだが、日本のチームが当たり前のようにやっていると、やはり、驚嘆する。

ボールを奪うときは、スペースに出されたパスを出足速く奪う場合も多かったが、トラップミスでボールが離れた瞬間、ドリブルでボールが足下から離れた瞬間などに、上手にボールとボールホルダーとの間に体を割り込ませてボールを奪う。当たり前のプレーなのだが、機械のように繰り返すことが出来るのはやはりスゴイといわざるを得ないだろう。

守備のシステムは、3バックか4バックかよく分からない。基本は3バックで臨機応変に4バック、5バックを併用というところだろうか。ボールが敵陣にあるときや高い位置にあるときは最終ラインは真っ直ぐにはならない。この時点で、仮想オフサイドラインという意識はジュビロユース戦での動きから見て、おそらく持っているのだろうが、確認できなかった。そして、PAのライン上ぐらいで、ラインに並びゾーンで守る。首を振って周囲を確認するのは、相手に攻められて、センタリングが上がりそうな時にはじめて周囲を確認している。サイドの裏を突かれた時は、1人があたりに行き、ゴール前は3人から4人の選手がラインを形成してゾーンで守る。
いわゆる高い位置でゾーンで守り、ゴール前ではマンマークという「早いブレイク」守備とは逆の動きをするのだが、私が欧州のチームの試合をTVで見る限り、ゴール前では出来る限りラインを形成しているように見えるし、早くからマンマークに移行してしまっては、相手FWが優れていればいるほど、簡単に振り切られるだろう。ガンバの守備の方が理にかなっているし、一般的だと思うのだが。

また、ガンバユースの守備システムはトップとは違うようだ。どこがどう違うと、言えるほど守備機会がなかったので、何とも、いいようがないのだが。

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