薄氷の楽勝(9/14南アフリカ戦 キャンベラ)
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薄氷の一勝ですが楽勝でもありました。

私が一番心配していたのは宮本の回復力のなさ、中2日で極端にパフォーマンスが落ちることです。これをどう克服するか?という疑問にトルシエは森岡を使うという回答をしました。

森岡は宮本の代役としてグループリーグを戦うというタスクをこなした。
中田浩二はポジショニングがめちゃ悪い。でもF3の形状は一番留めている。
中澤の体の向きは常に逆。(どないしたんや?)

試合前のアップでボールをなかなか西に返さない松田のふてくされた態度はどういうことでしょうか。宮本はパス交換は三浦アツと組んできれいに回していました。この時は、勝つ必要のあるスロバキア戦は宮本、消化試合のブラジル戦は松田を起用するかなと思ってたのですが。

戦評としては、まず最終ラインの評価からはじめるべきでしょう。森岡が中央の最終ラインは、大まかなボールとの距離による上下はあるものの、FWを最終ラインに取り込んでの細かなラインの上下による駆け引きが見られません。このことにより、日本の最終ラインは敵FWへの牽制としてのオフサイドを取ることができず、最終ラインが不可視のバリアーを張ることでゲームエリアをコンパクトに保つことはできませんでした。

細かいラインコントロールが見られないという日本側の理由の他に、南アフリカ側の日本対策が二つ目に付きました。まず、一つが南アフリカFWによるオフサイドポジションの見極めです。自分がオフサイドポジションにいるときには、味方がパスを出さないように南アフリカの選手はアピールしていたのです。このため、南アフリカ側がボールを持つ時には、従来の日本の対戦相手にない「ゲームの支配権」というカードを南アフリカは持っていました。そして、二つ目が古典的なF3対策、ワイドに張った3トップです。この二つのF3対策は日本の最終ラインが厳密に言えばF3とは言い難いにも関わらず相手に有効な対策でした。

スタジアムで見ていて問題は、
・日本のDFが簡単にサイドに釣り出され、真ん中を突破されるという基本的なミスを再三犯していたいやこと。
・中田浩二の真ん中への不安が強いため、ライン全体が大きく右にずれていたこと。
・3人のDFの間隔が不適切で、全くゾーンになっていませんでした。

中澤、宮本、中田浩二のF3が、そのパフォーマンスの多くを宮本に負っていたのは明らかですが、宮本がいないとゾーンさえも保てないという日本代表の現状に失望しました。

さらに後半は席の位置の関係でよく見えなかったのですが、それでも最終ラインが崩れているのはよく分かりました。反対に、女子のノルウェーのF4を見て、分かったのですが正調ラインディフェンスではエリア内でもラインを崩さないのが原則のようです。

日本の多くのライターやネット上での寄稿家の多くが議論していた「早いブレイク」というのはラインディフェンスがそもそもやりきれないためおこる現象のようです。少なくとも現地で見た印象では森岡や松田が中央に配された最終ラインは、ドイツ、ノルウェーの女子チームのラインディフェンスにも劣ると思いました。

セットプレーの守備は相変わらずファーが甘い。何故いつもそうなのかを私なりに考えてみました。女子の試合ではセットプレーで、キッカーのキック力がないため、ファーまでボールが正確に出ないので、ファーの守備をほとんどしていないことがヒントになったのですが、おそらく長い間日本人のキック力では女子同様、コーナーキックから正確なボールがファーには入らなかったのではなかろうか?と考えました。つまり、ファーをケアする必要がなかった前時代の遺物が日本男子代表でのセットプレーからの失点に繋がっていると推測しています。日本だってセットプレーで攻撃に回っているときにはファーから折り返したり、ファーからのヘディングを狙ったりするくせにファーもキチンとケアするために、セットプレーの守備に戻る人数まで指示が出せるキャプテンは、日本には宮本しかいません。

攻撃は守備力が甘いぶんややおろそかになりがちでした。柳沢がいつも外すことにもおそらく然るべき理由があると思います。柳沢はおそらく技術的な問題を大きく抱えていることと思われます。その問題が何であるかについてのクレバー・リベロ氏の技術面からの回答やWEBマスターの意見以外に、もっと根源的な理由があるように「本体」は思っています。またどういう理由か分かりませんが、トルシエがなぜ柳沢をエースストライカーと考えているのかを含めて考える必要があるでしょう。

また、この試合は中盤のプレスが効いていないわけではありませんでした。でも、ボランチとDFの間が空いてしまい、このスペースを敵に有効に使われた時にはとても日本はピンチに陥っていました。自軍ゴールに近い位置、真ん中で敵に前を向かれないようにするためにはDFが釣り出されないようにすることと、DFのポジショニングがかぶらないように修正してほしいと思います。

この試合の陰のMVPは本山でした。後半30分すぎから、ドリブルで時間を潰そうとしていました。この試合で後半30分すぎから、攻めようとした選手や追加点をねだった応援には私は反対です。南アフリカの先制点はファインシュートです。あれをカウンターでもう一回食らう危険性を考えたら、ボールキープが正しい判断だと思います。このあたりの試合運びが五輪代表はガンバ大阪に劣ります。

 中村が中田浩二のケアをするためあがれない。後半20分頃にフランス戦のジョルカエフのゴールシーンとほぼ同じような場面があり、森岡と中田浩二が全く周りを見ていないため、南アフリカ選手に走り込まれたが、俊輔がケアしたなど、ビデオを見ていくつか気がついたこともありますが、ママジーニョさんやクレバー・リベロさんがBBSに書き込んで下さったので、また、考えがまとまったら、何か書きたいと思います。とりあえず、現地で見た感想を中心にしたいと思います。

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