久しぶりにちょっとだけ観戦記
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 大阪ダービーのセレッソ蔵田の得点は、この試合でのガンバ2得点、セレッソ1得点の中で最も必然的に入った得点だ。セレッソの1得点は廬から蔵田の頭にピンポイントで入ったCKからの得点なのだが、蔵田と競っているのはニーノ・ブーレ。188cmが177cmに負けている。ニーノ・ブーレのヘッドがいくら弱いと言っても、ヘディングは身長では決まらないとは言っても、11cmの身長差を覆され、完全にジャンプのタイミングを誤ったブーレは完敗といわざるを得ないだろう。しかし、蔵田にはヘディングの得意な柳本や新井場をマークに付けるべきではなかったか。

 この得点には実は伏線がある。前半、西谷のCKがファーでフリーになった蔵田のヘッドにピンポイントで到達し(西谷のCKはきれいに落ちている)、キーパーの都築は完全に抜かれ、柳本のヘッドでかろうじてクリアしているのだ。ガンバ守備陣は完全に蔵田のマークを忘れている。ファーががら空きなのだ。この時点で、セレッソの変化球のCKと蔵田のジャンプ力を警戒し、修正しておくべきだったのだ。にもかかわらず蔵田のマークにヘッドの苦手なブーレを付けた段階で、後半のセレッソの一点は論理的には決まっていたと言うべきだろう。

 そこで思い起こすのが、アビスパ戦でのセットプレーからの久永の2点である。アビスパ戦、セレッソ戦ともに宮本がいない。宮本の優れたところは、セットプレーは完全にマンマークで守り、ファーの選手のケアも怠らないところだ。私の見る限りでは、Jリーグで宮本以上に完璧にセットプレーを守れるDFはいないので、仕方がないといえば仕方がないのかもしれないが、宮本のいないガンバでは、セットプレーのマークに必ず漏れ落ちがある。宮本がいないときは、相手チームのセットプレーが大きなポイントになってしまう。そういう意味でCKの雨あられだったヴィッセル戦でヴィッセルに優れたキッカーがいなかったのは幸いだった。

 次の清水戦、札幌戦ともに、FKのキッカーに人材を有するチームなので、私は安易なクリアやファールはかなり警戒しなければならないと思う。データの上でもガンバの失点は3点がセットプレーからで、柳本のオウンゴールを除くと、通常の試合の流れの中で失点したのは1点しかない。少なくとも、ボールが動いている限り、今年のガンバは明らかに強豪なのだから。

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