2001年1st清水戦
速報、思いつきコーナーへ
圧勝ペースだったのに、選手交代で流れが変わって気がついたら負けていた。今のガンバが星を落とすとしたら、こんなパターンでしょうな。もう強豪なんですから、完敗はほとんどないと思いますよ。早野監督の失敗ももちろん敗因の一つなのですが、宮本不在時のセットプレーの危険度激増。代表でも同じ傾向にあるので、これに対する特効薬を持ってないのはトルシエ監督も早野監督も同じところです。

さて試合のほうですが、前半から後半途中までは圧倒的ガンバペース。コンパクトフィールドで短い横パスがちゃんとつながります。追いかけるエスパルスの選手、少ない手数でパスを回すガンバの選手という構図。そのガンバの選手の中には遠藤も含まれていて、五輪予選当時やサンガ時代にはついぞ見なかった、三次元プレー(空中にあるボールをボレーでパス!精度もなかなかでした。)が二つ見れて、ガンバユース育ちの選手の影響が見て取れました。

試合はガンバ選手のプレス時の身体の使い方、ボディシェイプ、浮き球ボールのテクニック。対するエスパルスのプレス時の身体の使い方の下手さ、ボール扱いのまずさ。圧倒的な技術の差がそのまま試合展開に反映します。ガンバが3トップになって中盤が薄くなり、中盤で互角の勝負が挑めるようになるまでは、エスパルスはロングボールの放り込みに終始し、中盤勝負を避けていました。

この調子でいけば、いつものように終盤に得点できるだろうなんて思ってたのは、ガンバの選手も観客もそしてベンチも同じ事だったでしょう。ブーレは苦手のヘディングで勝っていました。市川は調子の良くない新井場に対して勝負を挑むこともしません。楽観ムードは3トップになるまで続きました。90分で勝てなかった理由は、選手がチャンスにきっちり得点できなかったこと。そして引き分けにできなかった敗因は早野監督の選手交代のミス。

早野監督の選手交代のミスですが、3トップになるまではガンバはコンパクトフィールド内でエスパルス以上の技術を盾に中盤を支配していました。けれど、3トップになれば当然中盤の支配力が落ちてしまいます。その結果こぼれ玉が拾えなくなり、DFとMFが走りはじめてしまいます。また中盤の人数が減ったことでプレスの効きが悪くなり、中盤が間延びしてしまいました。すると技術の差による優位性も効果が薄くなります。こういった要素が輻輳して、次第にエスパルスと走り合いのサッカーをしてしまいます。延長戦には両チームとも選手はフラフラでした。ここで運動量に定評のある森下を先発のビタウにかえて出したのは、対処療法としては常識な行動でしょう。でもビタウを下げてしまうよりはFW3人のうち一人を出して、森下を投入すべきであったでしょう。また山口智をボランチに入れるという手もあったと思います。攻撃的MFにビタウと遠藤、ボランチに山口智と稲本という布陣です。けれど、そうしない早野監督。引き分けねらいだったのかもしれません。

それにしても、走っちゃいかんなあと思いました。走ると体力も集中力も使い果たしてしまします。終盤のいちかばちかのロングキックの多用、両チームとものミス続出。天に運を任せて戦うのではなく、論理的に確率の高いプレーで勝利を目指してほしい。

オフサイド判定は明らかに清水より。あれだけ判定で意地悪されると、選手もベンチも気の毒だったのであまり今回の敗戦を責める気にはばれません。ブーレがやる気をなくしたら、、、と少し心配しています。それよりも、疑惑の判定はtotoを買う気をなくさせるということにJリーグは気づくべきでしょう。

個々の選手の評価としては、市川は延長になるまでは新井場との直接対決ではことごとくバックパスで逃げる。中盤が清水優位になった延長でやっとドリブルで勝負に出るようになります。これに対し新井場は市川を殆ど意識していない。パスはほとんど前、ドリブル突破も成功させる。サイドの選手としては新井場の方が明らかに数段格上と思わせる直接対決でした。

気になったのが、森岡の身体能力の低さ。特にヘッドの致命的弱さ。高さがありません。ヘッドが苦手なニーノ・ブーレにしばしばヘッドで競り負ける。一発で抜かれる。サカダイ森記者の指摘どおり森岡がヘッドを苦手にしていることは一目瞭然でした。これは、00年セカンドの清水−セレッソ戦で森岡が西澤に全く通用しなかった事とも一致します。ちなみに、昨年のセカンドFマリ戦時の新聞報道では、練習で宮本がニーノ・ブーレにヘッドで競り勝っている写真があり、ブーレを基準に据えるとヘッドの高さは宮本の方が森岡よりヘッドが高いことも知ることができます。私は、森岡は身体的な測定値=身体能力は、ほとんど宮本に劣るのではないかと推測します。

また、斉藤、古賀の清水DFの森岡に対する態度も気になります。森岡の守備機会にはサポートするように寄っていく。どうも信用していない。最終ラインを統率するのは明らかに古賀。とするならば、トルシエはなぜ、森岡を3バックの統率者として採用し、なおかつF3の統率者として森岡を賛美するような記事がまかり通るのでしょう。普段、森岡をよく見ているはずの関東地方の記者やサポーターはどうして、疑問を投げかけないのでしょう。不思議です。

私は、つい、スペイン戦の展望に思いをはせてしまったのですが、スペインで到底レギュラーとは言えない西澤。彼に全く通用しない森岡をスペイン戦で起用するならば、西澤より優れているであろうスペインFW陣には全く通用しないであろう。おそらくフランス戦を再現してしまうのが落ちであろうということができると思います。

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