02/12/22(日)13:00鳴門 くもりのちはれ 天皇杯 ガンバ−フロンターレ(0−1)
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 この試合は負けただけではない。ガンバのモチベーションが低く、怪我から復帰したばかりの選手が数名おり、ガンバの02年のワーストマッチに近い。特に前半は、ガンバのシュートは1本あったかどうか。全く攻めないのだ。しかも、ヘディングに長けたあのマグロンが身長差で10cm以上あると思われるフロンターレにしばしばヘディングで競り負ける。

 前半は、GK松代のパントキックが押し戻されるぐらいの強い向かい風の中戦わざるを得ず、明らかに不利だったので、後半勝負と思えなくもない。後半は追い風の中で攻勢に出るはずが、西日が差し、逆光になってしまった。不運でなかったとはいえないの
だが。

失点はキーパー松代がさわっているので、キーパーのミスだったのかも知れないが、逆光で見にくかったのかも知れない。

ガンバは、遠藤、吉原が明らかにパフォーマンスが低く、右サイドの森岡が完封されてしまい、さらに、左サイドの新井場と二川のパス交換を集中的にねらわれたため、中盤でパスが回らず、しばしば守勢に回らざるを得なかった。吉原、遠藤、森岡の交代をもっと早くしておればと悔やまれる。交代が進むにつれ、新井場、二川も息を吹き返したのだから。

しかしながら、この日の勝者に相応しかったのはむしろフロンターレであろう。終始高いモチベーションを維持しつつ、後半70分頃までガンバの中盤を完封しつづけたのだから。天皇杯のガンバには、残念ながら、この試合に仮に勝てたとしても、次の試合には悲観的にならざるを得ないのだ。

それよりも、興味深かったのは後半70分以降、遠藤交代以降に顕著に見られたの宮本のゲームメイクだ。スポーツヘルニアの傷も癒えたらしい宮本は長短のパスを織り交ぜ、ゲームを演出して見せた。天皇杯復帰1戦目のhonda戦でも、1本左サイドの児玉に出したピンポイントのロングパスは秀逸だったのだが、この日は獅子奮迅の活躍だった。全体に最終ラインを押し上げコンパクトになった中盤の中で、ボランチファビーニョはボールを持つと必ず、宮本に戻すのだ。それを宮本はスルーパス、ロングフィードを使い分けチャンスメイクする。宮本のゲームメイクの特色はその視野の広さである。どっしりと腰を落ち着けて長いボールを供給する姿は、私には、ドゥンガ以来のものだった。

スポーツヘルニア手術前後のオリンピック予選、シドニーオリンピックの頃は、長いボールが蹴れないので、ショートパス一辺倒となり、ラストパスを出すときには前に出て行かざるを得なかった。(オリンピック壮行試合で見せたパスはそれでも凄かったが)また、ホン・ミョンボが宮本の課題としてあげた所謂攻め上がりは、私はあまり必要とは考えない。宮本はこの日も1回、honda戦でも1回攻めあがっている。無意味とは言わないのだが、たとえば、攻め上がりで私たちが真っ先に思い浮かべるであろうF・マリノスの松田は01年シーズンに29試合に出場し、得点「0」に終わっているのだ。その華やかさに比べて、攻め上がりは、必ずしも有効なプレーではないし、1試合中に何度も行えるものですらない。

わたしは、未だにワールドカップで宮本をボランチで使う案はなかったのかと疑問に思う。

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