ウクライナ戦 観戦メモ ビデオ確認済み
速報、思いつきコーナーへ
試合はいきなり松田の凡ミスからはじまった。
前半
1分:松田頭頂ヘディング。ビデオで大写しになっているから確認可能。ウクライナにボールが渡ってしまったのは、仕方ない(?)としても、この瞬間はDFとボランチの間に広大なスペースが空いており、宮本は前に出ざるを得ない。棒立ちのボランチは戸田のようだ。さらに、宮本のフォローを松田と中田浩二が失敗しているため、相手FWのオフサイドを取ることができず、突破を許す。

4分:フリーで松田がヘディング。松田の視線はボールを見ておらず、あまつさえヘディング後に身体を回転させてボールの飛距離を稼いでいるため、ボールの行方をおそらく見失っているだろう。同時に映っている落下点を確保できず、ヘディングに失敗しているウクライナ選手の視線がボールを追っていることと大きく隔たる。

4分:日本左サイドからウクライナの攻撃。3バックは下がって行くが宮本は相手FWを数回確認してチェックしている。

5分:松田ヘタヘタヘッド。福西は棒立ち。松田は、ぼーっとしている時間帯が散見され、宮本の動きに付いていけない。

6分:ウクライナのDFの押し上げは決して速くない。そのため、日本は通常の押し上げではコンパクトフィールドを形成できない。中盤がスカスカのままで、技術の低い中盤がウクライナの中盤にパスを回されることになる。この日は、日本の中盤のパスカット成功率は極めて低かった。

7分:中盤とDFの間のスペースが大きく空いている。

8分:松田の回転ヘディング。ボールを見ろ。宮本のフォローのフォアチェック。

8分:誰をマークするんだ、膝を曲げろ福西。

10分:松田の機関車バック。ミドルはキーパーの制空権内。

11分:宮本のヘッドの姿勢とその後の姿勢を松田と比較すること。
(この時間帯ぐらいで、松田がトルシエに呼ばれていた。その直後から松田のロングボールが増える。また、試合前の練習では縦パス1本で抜け出す練習と、ロングボールで攻撃する練習をしていた。エコパでの豪州戦でも同じ練習をしていたので、右CBのロングボールでの攻撃は代表の課題になっているようだ。)

12分:松田、ノープレスでのロングボール。この試合では、ウクライナは前線からのプレスをしていない。ワールドカップで簡単にボールが出せると思わないことだ。

12分:ウクライナ7番のドリブル。宮本は踏みとどまりたかったのではないか。松田は下がってしまった。

15分:広大なスペースが空いている。中盤のウクライナ人はフリーだらけ。

16分:トルシエはディフェンスラインを上げろと指示したとのこと。この試合では、決して押し上げてないわけではないが、非常に上げにくそうだ。

17分:宮本の足でのクリアを楢崎キャッチ。昼間の試合(セレッソ対フロンターレ)で、間接フリーキック取られてたプレーだよ。審判によって基準が違うことを考えておくべきだろう。

19分:中田浩二の顔が引きつってる。

20分:なにげに西澤はヘディングで勝っている。

23分:西澤は3対1でボールキープしている。

24分:日本戸田のゴール。戸田は落ち着いている。しかし、私はその前の西澤のジャンピングボレーを褒めたい。

26分:ウクライナの突破。中継では切れているが、スタジアムではオフサイドに見えた。

26分:松田またロングキック。出し方が素早いのでノープレスならチャンスになるキックが蹴れている。ヘディングでどれだけミスっても、このロングキックの連発をもって、「松田いいじゃん。」ということになるんだろうな。かなり良い点を付けて貰えるだろう。

27分:中盤にスペースがあり2対1でヘッドで競らざるを得ない宮本。松田がクリア。相手に触らせないというタスクは成功。

28分:松田はパス出しの瞬間にかなり長く下を向く。おそらくワールドカップ本番ではここを狙われるだろう。

29分:また松田は長く下を見ながらロングパスを出す。市川に逆回転のナイスパス。しかし、市川はトラップが下手。新井場には及ばない。

30分:松田ノープレスで柳沢にナイスパス。

31分:宮本ファール。フリーのウクライナFWがファーで手を挙げてパスを待っている状況ではファールせざるを得なかったのか?宮本は松田を信用していない。

33分:相変わらず、中盤にスペースがある。

34分:アホか松田。宮本がウクライナ選手を一人マークしており、その後ろにウクライナのパスが出ている。パスの受け手をマークすべき松田は、この瞬間、下がりすぎてオフサイドラインを消してしまっている。相手がトラップミスしたので宮本がウクライナFWが走り込むコースを切ってフォロー。

35分:ちょっとプレスがかかると松田は視野が狭まり、ロングキックが上手く蹴れない。

37分:松田プレスを受けフィード不発。ワールドカップ本番はこうなるのかと思う。

38分:松田お得意の2対1プレーでボールをかすめ取る。宮本がワンサイドカットして注意を引きつけているが、本来はボランチがする仕事ではないか。

39分:宮本フォアチェックの後ろを狙われる。宮本と中田浩二はマークを受け渡ししながらウクライナ選手をフリーにしていない。ファーサイドはアレックスが付いているのでOKか。立ちんぼのボランチは戸田?

43分:ウクライナ短くふわりとあがるパス。中田浩二が下がりすぎてオフサイドが取れない。松田は踏みとどまっている。素早くシュートをスライディングでブロックするのは宮本。中田浩二はボールウオッチャーになっていたようだ。

ウクライナは押し上げが速いわけではなく、イタリアのようにラインの上げ合いを挑んでくるわけでもない。日本側もボランチのところでほとんどボールが止まらず、前半は特にラインが一致しなかったので、ラインは深かった。プレイエリアは60mから70mぐらいであることが多かった。前半でハーフラインを超えたのは1,2回だと記憶している。むしろ、ボランチがいるべきポジションが大抵ぽっかり空いており、そこに黄色のユニフォームの選手がフリーでいることが多く宮本は相当苦労したのではないか。
市川が内側には行って相当フォローしたようだ。
 ビデオでは確認できなかったが、前半松田がサイドで1対1で抜かれるシーンもあり、ヘディングは絶望的。1対1では通用しないようだ。ロングフィードはこの試合ではウクライナがほとんどプレスをかけていないので通用したが、本番では期待できないだろう。

後半
0分:宮本のヘディング。勝っているだけでなく、ボールをずっと見ている。ジャンプ力はややセーブし、頭を低くして側頭部に当てている。

1分:宮本のフォアチェック。10番?を押さえに行くのだが、福西も後方から走り込んでおり、サンドイッチになっている。しかし、もう一人のウクライナ11番?がフリーになっている。福西はこの選手を押さえるべきではなかったのか。

2分:オフサイドをとって貰えていないが、FWはプレーに関与しておりオフサイドだと思う。

4分:中田浩二のフォアチェック。宮本がスライドし、市川、松田、宮本の3バックになっている。後ろに宮本がいるときは守備が安定する。

5分:ウクライナ9番のシュート。マークをしていた中村が振り切られ、中田浩二がカバー失敗。宮本がスライディングしている。この直前、宮本と中田がマークを受け渡しして守っている。ブレイクは死語だな。

11分:宮本が前に出てパスカット。

12分:ウクライナのドリブル。中田浩二が止める。それより、宮本と松田のF2を褒めよう。

15分:福西アウト明神イン。

16分:跳ね返りを押し込んだのは宮本?中村は右足から左足に持ち替えるので時間をロスする。

19分:ヘッドで競り負ける松田。ボールを見ろ。あっさりウェーブで抜かれる市川。

20分:俊輔を見ていると仮面ライダーのようだ。お決まりの変身ポーズをやってる間に倒されちゃうよ。

23分:松田のヘディング。ボールを見失って危うくピンチ。だから回転するな。

23分:ボランチの変わりにチェックに入る宮本。パスカットを狙ったが失敗。松田と中田がフォローに失敗してピンチ。中盤が空いているので前に出ざるを得ない。

25分:松田スライディングタックル成功。

26分:ウクライナのドリブル。宮本踏みとどまってディレイ。松田も宮本に合わせて踏みとどまる。ウクライナ選手はサイドに追い詰められる。
この時間帯頃から松田と宮本の動きが合い始める。松田は宮本への信頼が厚い。

27分:ダイレクトに蹴る松田。チャンスになるんだけどなあ。

29分:宮本釣り出される。その後ろの2バックで松田機関車バック。

41分:ノープレスで宮本前線へフィード。フリーの鈴木の頭へピンポイント。

42分:ノープレスで松田フィードするも通らない。

42分:松田フォアチェック。うしろの宮本は安定している。

44分:ヘディングで宮本競り勝つ。

44分:2人のウクライナ選手の後ろに忍び寄りスルーをカット成功するが、フォロー無し。

45分:この試合では珍しい、宮本シュートコースを消すプレー。

 松田はサイドでのディレイで2回半身の姿勢が逆だった。


 イタリア戦ほどの劇的な守備振りが見られなかったのは、主としてボランチの問題であろう。ボランチの位置で相手選手がフリーになることが少なければ、森岡に比べ、松田の方が、宮本のラインに合わせようと言う意識が明らかに高いのだから、より、守備ラインでの勝負が可能だったと思われる。この試合では、戸田と福西では中盤の底で攻撃が止まらない。明神の投入である程度DFの負担が無くなったように思われたが、ボランチ稲本の不在が大きく、イタリア戦のようには行かなかった。この試合でもMOMは守備の崩壊を防ぐ獅子奮迅の活躍をした宮本であろう。

 試合そのものは、中盤のスペースがあったため、技術の差が顕著にあらわれウクライナに自由にパスを回された。ウクライナの押し上げが、決して急激ではなく、双方ともディフェンスラインを押し上げてハーフラインを超えてまで押し込もうとするほどでもなかったため、イタリア戦に比べるとかなり間延びして見えた。おそらく、かつての五輪代表戦や最近の若年層サッカーのイメージを見に来たファンには欲求不満が残ったのではないか。

 決して完勝とは言えず、負けていてもおかしくなかったと思う。松田のロングフィード、宮本のフォアチェックは、この試合での課題であった可能性が高いが、特定の選手が特定のプレーを繰り返すような戦い方では、通常勝てる確率は下がると考えることが妥当だと思われるからである。

 この試合では、宮本がボールを持つと少し下がり角度を付けて松田にパスし、松田がロングパスするという流れを繰り返していた。かつて、98年の駒場での五輪代表豪州戦(この試合は負けているのが示唆的だ。)で宮本はオフサイドトラップを使わず、遠藤がボールを持つと、すぐ、稲本にボールを渡してサイドチェンジさせていた試合を彷彿とさせる。おそらく、他の多くの試合と同様に、トルシエはこの試合でも選手を試していたのではなく戦術を試していたのであろう。トルシエにとってはフレンドリーマッチは練習試合に過ぎないからだ。その意味で、勝敗や個々の選手の活躍はさして重要ではないのだ。

 私は、上記のようにトルシエが負荷をかけていたと考える。トルシエはこのような負荷のかけ方を五輪代表戦以降しばしば行っている。宮本はオフサイドトラップも禁じられていたのかもしれない。ラインに踏みとどまってのディレイやラインを上げてのオフサイドトラップの方が効果的ではないかと思われる場面でもフォアチェックを試みるシーンが散見された。その意味で後半まで福西を引っ張ったのは、宮本の訓練を容易ならしめようとする監督の親心かと邪推してしまう。

 フォアチェックは、マイボールにできるのであれば、最も効果的な戦法であるし、できるタイミングでやらないという手はない。ロングフィードもコンパクトフィールドが形成された場合には打開策の便法の一つとなろう。

 ただ、心配なのは、日本選手がトップクラスの選手とそれ以外の選手が技術的に大きくへだたっていることがはっきり分かった点であろう。