小論文(2年次指導)のアイデア 
◎ねらい
 AO入試、小論文入試が増加し、その指導で大変な目にあった。「小論文の書き方がわ
 からない。」という生徒に個別に対応したために、添削・指導に追われた。おまけに大の
 生徒は「後2週間」などと切羽詰まってからやってくる。これでは
  1) 人の教員の指導できる生徒の人数が限られてしまう。
  2) じっくりと自分で本を読み問題点を整理したり、考えたりするように指導する余裕が
  ない。どうしても、教師からの知識の注入になりがちである。
  3) とにかく疲れる。(*_*)
 そこで、楽に小論文指導を乗り切る為には2年次からの指導が不可欠だと思われる。
◎方法

1) 新聞の切り抜き発表
 2年次の朝の5〜10分程度を利用して、クラス全員で週に4回程度新聞の切り抜き発
 表をさせる。
    ★ 一人2回を担当。ローテーションは下のような要領。
        (例)月 Aさん1回目
           火 Bさん1回目
           木 Aさん2回目
           金 Bさん2回目
    ★ 最近の新聞記事で興味を持ったものを切り抜き、クラスの前で音読させる。こ
      の音読がみそで、1内容理解、漢字・語句の理解の手助けになる。2発表の基
      本は「読むだけ」なので誰にでも取り組める。3発表者以外の「聞くことへの集
      中力」を養える。
      できるだけコメント、感想、疑問なども言わせる。発表の際記事をプリントにして
      配布してもよしとする。但しプリントにコメント(つっこみ)は入れさせる。初期の
      「AERA」に記事に赤で囲んだつっこみを書いたものがありましたね。ああいうイ
      メージが面白いと思う。
    ★ 記事は家庭欄、文化欄、投書欄などがオススメ。社説などは難解。スポーツ欄
      を取り上げるときは、単なる「応援」にならないように注意する。
    ★ 発表者以外の生徒は、質問役に回る。○○って何?という程度の簡単な質問
      でよい。むしろその方が、双方の理解度がわかるし問題点もクリアになるだろう
      もちろん意見があれば発言させる。発表者は質問にすぐに答える必要はない。
      数日かけて2回目の発表で質問に答える流れの方がいい答えがでるのではな
      いか。質問、意見がない場合はその後のフォローアップの記事、関連記事など
      を発表する。
2) 必読書
 2年次に、生徒個々の関心、進路に合わせた必読書を読ませる。必読書は教師がジャ
 ンルごとに指定したもの。ジャンルの例としては、
     ・看護・医療   ・福祉  ・国際  ・環境
     ・教育・法    ・科学技術     ・健康・スポーツ
 一番の問題は図書の選定。単にテーマの解説書ではなく、具体的で心の琴線に触れる
 ようなもの、興味を刺激するようなものが望ましい。また、読みやすいもの。小論文の参
 考書などで紹介されているものは難解なものが多く、問題意識を持った生徒が次のス
 テップとして読むのがふさわしいように思う。国語科の教員で情報交換して生徒にあっ
 たものを選定できればいいですね。(これがむづかしい)いい本をご存じの方はご紹介下
 さい。
3)過去問
 3学期頃に志望分野の学部学科の過去問を解いてみる。あらかじめ良問を選択してプリ
 ントするとよい。これは小論文を書くと言うよりも、どのようなことが現在問題となってい
 るかを知るために有効。したがって必ずしも書かせて添削をする必要はなく、むしろ問題
 文をじっくり読ませるのが狙い。本年度指導した中で本文が参考としてよいと思ったの
 は以下の大学。全体的に国公立の方が参考になると思う。
     ・福祉  大阪府立大学(問題は?)
     ・教育  大阪教育大学、愛媛大学(法文)
     ・健康・スポーツ  大阪教育大学
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