エアースパイスをやってみよう
文 村上 義明
エアースパイスという通信販売を知っているでしょうか?
カレースター水野氏が主宰する、カレーキットの通信販売です。カレーを作るためのスパイスがあらかじめ調合されて、料理の材料さえ買えば立派なカレーが出来上がるという代物である。
札幌のカレーイベントを企画する団体を通じてエアースパイスのサンプルを頂いたので、早速試してみることにしました。
立派なエビカレーが出来上がりました。
なかなかおいしそうでしょ。
もらったエアースパイスは、Vol7のエビカレー。表紙には使用するスパイスの配合が書いてある。ホールスパイスとパウダースパイスのそれぞれの配合が書いてある。中に入っているレシピの紙の表には、メースの背徳と言う水野氏のエッセイが書いてありその裏にレシピが乗っている。
インドカレーを、カレー本で作ったことがある人ならわかるのであるが、スパイスを計るのは、かなりの手間がかかる。慣れてくれば、このスパイスはこのくらいとかある程度いい加減に作ることもできるようになるのだが、そうなるまでは、スパイスは未知の領域であるので、それなりに正確に測る必要がある。
ちなみに今回のエビカレーのスパイスは以下のとおりである。
ホールスパイス ブラウンマスタード 1.5g 小さじ1
ブラッククミン 1.0g 小さじ1/2弱
フェンネル 1.0g 小さじ1/2
セロリ 1.0g 小さじ1/2
フェネグリーク 0.5g 小さじ1/4
パウダースパイス コリアンダー 8.0g 大さじ1
パプリカ 3.0g 小さじ1
ガラムマサラ 2.0g 小さじ1
ターメリック 1.5g 小さじ1/2
メース 0.5g 小さじ1/4
これだけ書いただけで、もう嫌になった人がいるかもしれない。
カレー屋のワシも、セロリのホールスパイスは見るのが初めてだった。未知の領域なのである。
エアースパイスでは、これらのスパイスが既に、調合されているのだ。
ただし、本当の初心者には、どれがどのスパイスかわからないので、ある程度のスパイス経験が必要かなとは思います。
まずは、材料である。エアースパイスは、スパイスのキットであるから、スパイス以外の材料は自前でそろえなければならない。
メインの具材はエビである。エビなんて高いものはそうそう買う機会がない。エビ20尾500gとある。出来上がりの写真を見ると殻付きの尾頭付きのエビである。レシピの方を見ると有頭の場合は、頭も一緒に煮込むと濃厚な出汁が出るとある。これは、有頭でしょということで、刺身用の有頭のエビを買う。しかし、有頭を20尾も買うと凄い量になる。500gなんて優に超えてしまう。なのでグラム数を調べて、大体これくらい?と考えながら、2人分の半量を買うことにした。普段なら絶対に買わないものである。さすがに高い。でも、エアースパイスのためなら・・・。この時、エビを半量にして、カレーを途中で半分にしようと考えたのだが、作っている途中で、これでちょうどいいかなということになってしまった。生クリーム100ml・・・。これもめったに買わない。レシピ上は「あれば」となっているが、あると無いとでだいぶ違うのは、わかっている。しかし売っているのは大体200mlとかなので、100mlは余ってしまう。仕方がない。余らせるとしよう。
いよいよ調理開始です。
1.鍋に油を中火で熱しホールスパイスを加えて炒める。マスタードシードがはじけるまで炒めるのであるが、レシピには「フェンネルシードがこんがり茶色になるまで炒めてよい。」とある。これは、茶色になるまで炒めるのかどうか?謎である。
実際やってみると、マスタードがはじけるまで炒めると、自然とフェンネルシードはこんがり茶色になる。これはこれでいいのだが、ならば「フェンネルシードはこんがり茶色になっているはずです。」と書くのが正しいのではないだろうかと思ってしまう。問題は無いけどね!
2.あればグリーンチリを加えてさっと炒め、玉ねぎとしょうがを加えてきつね色に色づくまで炒める。
一般的に料理本では、この、「あれば」というのが曲者である。確かに無くても何とかなるのではなるが、有ると無いとで大違い、という場合があるので、注意が必要。
ただし、この大違いに気が付くのは、それなりの経験が無いとわからない。少なくても、その料理を食べたことが無いとわからないと思う。
ワシ的には、このグリーンチリは、必須と考えました。このエビカレーはまだ食べたことが無いけど、なんとなくね。
玉ねぎ小一個分を使ったのであるが、水分が多いので、これで足りるのかどうか、ちょっと不安である。
3.中心のスパイス(パウダースパイス)と塩を加えて炒める。
しばらくするとオレンジ色の油がじんわり表面に浮いてくる。はずであったが、玉ねぎの量が足りなかったのか、既に超ねっとりした状態になってしまった。炒めすぎたかもしれない。玉ねぎは、インド料理では、生命線である。玉ねぎの炒め方ひとつで、料理がおいしくなったり、美味しくなくなったり、全然違ってくるのである。それでも、失敗したり、成功したり、経験を積めば、それなりの料理に仕上げる術を身に着けてくるものなので、もうこれは、玉ねぎ炒めまくって貰うしかないのかなと思います。
4.三温糖とヨーグルトを加えてさっと炒める。
ヨーグルトを加えて水分が補充されると、何とか形になった。ちょっと、ほっとする。いい感じになった。
助かった。
5.エビを加えて煮立てて、15分ほど煮る。
かなりいい感じになった、エビの量もそこそこでちょうどいい感じになった。もし、むきエビで作っていたらこんな感じには、ならなかっただろう。マ―それはそれで違った感じでいい感じになったのかもしれないが・・・。殻付きなので、すごく出汁が出ている。味的にもばっちりだと思う。
最後に、生クリームを加えて馴染ませるように、少し煮込むと、いい感じに出来上がりました。
有頭のエビなので、かなり食べにくいですが、出汁はたっぷり出ています。スパイスやレシピ的には4人前だけど、2人前でちょうどいいかも知れない。(食べ過ぎ?)
あとは、インドチックなおかず(ライタとかサブジとか)をそこそこ用意しておけば、インドカレー屋さんに行かなくても立派なディナーの出来上がりです。
こんな風に、休日の夕方をカレーを作って過ごすのも良いんではないでしょうか?
エアースパイスなら、スパイスをそろえる手間もなく、計る手間もなく、こんなに簡単にカレーができてしまう?
ただし、インドチックなおかずを作るのにまたそれだけの手間が必要になっちゃうのかな?
それが面倒くさい人は、もうカレー屋に行くしかないかな?
それじゃ、また。
2017.9.18