カレーサバイバル2010

文 村上 義明

 相も変わらず、世の中「不景気」の様です。不景気の性か、最近オープンするカレー屋も随分とすくなってきています。カレー屋に限らず、飲食店全般に、オープンする店の数よりも、閉店していくお店の方が多いような気がするのは、気のせいだろうか?珠に飲みに行っても、飲み屋は不景気だって言うし、カレー屋も一部を除いて不景気だって言うし、家賃を払いに行っても、床屋も不景気だって言うし・・・。何処かに景気の良い話は無いものだろうか。

 こんな時代にカレー屋をオープンするってことは、いつの時代よりも、と言うかスープカレーの短い歴史の中でも、特に厳しいのではないだろうか?オープン=サバイバルである。

 新琴似から新川に抜ける道路沿いに、ひっそりと営業しているネパール居酒屋がある。確か去年訪れたときには、Nと言う店だったと思うが、先日前を通ったら名前が変わっていたような気がする。(未確認でごめんなさい)昼に行って見たのですが、ネパール人のおば様が、1人で切り盛りしていて、ネパールカレーと、チャーハンかなにか2品くらいしかメニューが無かったような気がします。ワシが、おば様という表現を使うのは、微妙ですね?ワシのおばさんという年ではなく、一般的におばさんという意味です。ワシ自信が既におっさんの域はトウに越していて、人によってはジジイのレベルなので・・・・。味は、普通のインドカレーと言うかネパールカレーでした。カレーも素朴な味で、ロティも、素朴な味でなんとも言えなかったような気がする。夜は、ちゃんとネパール居酒屋として繁盛していると良いな、なんて思ったりもしています。

 北大通りから、北15条の通りを西へちょっと入った所にオープンしたのが、富良野のCF。富良野産の野菜を使いルーカレーとスープカレーの店としてカレー激戦区の北大周辺に殴りこみをかけてきた。味は非常にまとまっていて悪くは無いと思っていたのですが、辛さのレベルが有料のレベルにしても辛く無さ過ぎだったのが気になった。隣のテーブルのお客さんがルーカレーを、食べていて、おいしそうだったので次に来たら、ルーカレーをと思っていたのですが・・・。どうやら撤退してしまったらしいです。先日、前を通ったら看板が無くなっていました。ルーカレーを食べに富良野まで行くか?とも思いますが、とてもそんな余裕は無いです。残念。

 羊ガ丘通りのインドカレー屋の跡地にオープンしたのがDO。ダッチ○ーブンを使ったメニューが自慢らしいが、ルーカレーとスープカレーの2本ダテのお店である。駐車場は、特に指定は無いが、店の回りに2〜3台は停められそうである。ただし、駐車方法に指定が無いので、大きい車がいい加減に止めると2台しか停められないかもしれない。他の店でも思うが、いい加減に停める客の多いこと多いこと、君ら考えて停めてるの?と思うことが非常に多い。そんな停め方したら、他の車が止められないでしょという停め方を平気でします。どうしてなのか教えて欲しいです。ワシは、運良く3台目の駐車場所に停める事が出来ました。

 店内は、インドカレー屋さんの時とは、かなり違っていました。席に着いて定番のチキンカレーを頼む。暫くして、ダッチ○ーブンに入ったカレーが運ばれてくる。「熱いので気をつけてください。」とのことであるが、本当に危険である。グツグツ系のお店では、最初は熱くて食べられない。このお店もそうである。しかし、ちょっと冷まして、スープを味わってみると、懐かしい味がするではないか・・・。この味は???。そうS狂に似ているのである。カレーの提供の仕方とか、具材の豊富さとか、まったく異なる店でありながら、味はS狂に似ているのである。スパイスの具合といいニンニクの味の立ち方とか、良い具合なのである。厨房の中にどんな人がいるのか判らないが、結構好きな味である。だいぶ後になってgのアナグラのK氏に教えてもらったのであるが、なんとAS出身らしいとのことでした。道理でわしの好きな味のはずである。こうなると、ルーカレーの方も、興味津々であるが、未だ再訪できていない。是非サバイバルして欲しいです。

 麻布の飲み屋街の中にオープンしたのがY屋。カレー屋というか、飲み屋さんが昼の営業でカレーを出していると言ったほうがいいのかもしれない。近くに駐車場は無いので、ちょっと離れたところのコインパーキングに車を停めることになる。店内に入ると、何処をどう見てもスナックである。スナックなので椅子の座り心地は、すこぶるよろしい。ただし、カレーを食するには、ちょっと居心地が悪いかもしれない。チキンカレーを頼むが少々混んでいて時間がかかった。なぜなら、幾つものカレーを一編に調理するだけのガスコンロが無いのである。小さい店なので仕方が無いです。

 伏見地域に鳴り物入りでオープンした金沢カレーのO。店の前に数台の駐車スペースと、道路を挟んで更に数台の駐車場を確保している。店内は1階と2階に分かれていて、店内には沢山のテーブルやカウンター席があり、収容人数は多い。1階の入り口近くに厨房があり、この厨房からカレーが運び出される。金沢カレーとはキャベツの千切り入りカツカレーと言うことらしい。カレー自体はルーカレーで結構とろみが強く味も濃厚である。ご飯の上にキャベツの千切りとチキンカツやトンカツを乗せ、ルーをかける。しかも、このカレーをフォークで食うのが金沢カレーということらしい。あくまでらしいと言う事である。この形式を持って金沢カレーと言う事で、どうやらカレー自体に金沢カレーと言う種類があるのでは無いようである。この辺のところは金沢カレーの専門家に聞いてみたいところであるが、金沢カレーの専門家が、近くにいないので聞く事が出来ない。残念。Oでは、金沢カレーのほかに、麺のメニューもあったのであるが、そっちの方は食べる余裕が無かったので、そのうちにと言う事にした。

 ここまで書いて思うのは、最近オープンした店は、スープカレー一本という店ではなく、スープカレー+αの2本ダテの店が多いという事だろうか、やはりサバイバルである。

 桑園駅の近くのネパールカレーの店、ST。ネパールカレーの店である。宅配もやっていて、非常にリーズナブルな値段でカレーを食べる事が出来るお店である。ランチタイムに食べる事の出来るカレーはセットの値段によって違うが3種類から、6種類で悪くは無い。サラダも付くので非常にお得なセットとなっている。ただし、MD、RI並の味を期待するとちょっと当てが外れる事になるかもしれない。多分トマトの風味が少ないのと、スパイス感が不足しているからではないかと思う。もう一歩カレーに切れがあると、人気もグンと上がるのになー、惜しいところである。因みに、店内はどう見ても元すし屋さんである。元すし屋さんの店の奥にタンドールがあると思うと、なんだかそれだけでちょっと楽しくなってしまうのは、ワシだけだろうか?

 平岸のメインストリートにオープンしたのがHM。最近流行りの味のスープカレーであるが。辛さを調節するのに、スパイスキューブなる辛さ調節用のコラーゲンの立方体を使用するのが、特徴である。グツグツと土鍋で出てくるのも特徴である。しかし、スパイスキューブは、どうやらそんなに辛くはない様である。スパイスキューブを4個ぐらい入れると、さすがに温度が下がってしまうのである。店員に、一度に入れると辛いかもしれませんので、1個づつ入れてくださいと言われ、言う通りにしたが。大して辛くないのにスープの温度だけがどんどん下がって行くのである。これでは、台無しである。カレー字体は悪くないが、辛くならないのと、温度が下がる2重苦で、評価がかなり下がってしまった。残念。

 のれん横丁のKGM。東京だか横浜だかの資本で出来たスープカレーラーメン?の店である。味のベースはトムヤンクンで、そこに多少のスパイスを入れ、ラーメンと合わせたスープカレーラーメンである。なくなる前に食べておかねばと思って、食べに行ったら。移転のお知らせが張ってあったが、何処かに移転オープンしたと言う話は、それから伝わってこない。トムヤンクンベースなのは良かったのであるが、スープ自体の美味しさが感じられなかったのと、具材を綺麗に盛りつけてある割には具材が余りおいしくなかったのと、麺自体が余り良くなかった、もしくは麺とスープの相性がよろしくなかったのではないだろうか。目の着け所は良かったのかもしれないが、詰めが甘かったのかもしれない。

 東8丁目通り、いわゆる北光線沿いに出来たのがI8○○食堂。東札幌の元DDのJの支店と言う事である。Jの味はDDのときに確認済みである。オープン数週間は、3種類の限定メニューで格安でカレーを提供してくれたのも、超嬉しい所である。割とトマト味の強いインドカレーである。チキンにしろ、エビにしろバシッとスパイスの効いた上質のインドカレーを提供してくれる。ただし、ナンは結構やわ目で、パリっとしたナン好きには物足りないかもしれないが、価格がリーズナブルなので許してください。

 白石中央の回転寿し屋の向かいにオープンしたのがM。店の前に3台ほどの駐車スペースがある。ただし、段差が有る所があるのでちょっと注意が必要です。店内に入ると、かなり暗いです。ここは、ビデオ屋さん→カラオケ屋→スープカレー屋、と言う事で、店内には何故かカラオケスペースがあるらしい。カレーは最近のスープカレー屋に良くあるタイプのサラサラスープにバジルが浮かぶタイプである。ただちょっと、スパイス系も入っているかなって感じのカレーである。注文して暫くしてカレーが出てきたが、暗くて良く見えない。某チェーン店のRでもそうであるが、店内が暗くてカレーが良く見えないのである。しかも、ここは暗い上に青白い光が下から出てたりして、良くわからん。しかし、この店は、カレーラーメンにも挑戦してたりして、割りと面白いので、頑張って欲しいところである。

 南9条通りと石山通の交差する付近にオープンした、G○堂。元SのI氏がオープンさせたお店である。スープカレーもあるが、インドカレーも置いている。ビルの隣に駐車場を4台くらい確保している。店内は白木の作りで、客席はゆったり目に作られている。スープカレーはSの味を継承してはいるが、カルダモンはやや抑え目である。その性か、Sのカレーよりもキレが無いと感じるのは、ワシだけだろうか。スープカレーの他にインドカレーも提供している。インドカレーは、ややありがちなインドカレーであるが、いわゆるインド人の作るインドカレーとは違い、より日本人に食べやすい味に仕上がっている。回りにインドカレーのTや、スープカレーのMMがあるので、旨く住み分けられれば良いと思います。

 MSの近くに出来たのがR。スープカレーとルーカレーとハンバーグの店。何と3本ダテである。しかも、どうやら夜は飲み屋さんとしても機能するらしい。MSの近くなのでどうかなとは思うが、ルーカレーやハンバーグも売りということになれば、サバイバル可能と言う事かもしれない。店の前には3台分の駐車場。店の中に入ると、店の中心部のついたてを囲むような形のカウンター席、その周りにテーブル席と言う作り。カウンターに座るが、テーブルの奥行きが少なく、ちょっと落ち着かない感じであるが、カレーを食うには充分な広さである。カレーはサラサラスープで余り酸味の無いタイプ。辛さも有料のレベルまで上げればそこそこ満足が出来るレベルである。悪くはないかもしれない。年末には、新琴似店もオープンさせた事から、3本ダテは成功したと言う事かもしれない。

 札幌新道の東側、東苗穂にオープンしたのがスパイス&ラーメンのO。スープカレーラーメンの専門店である。白石区のスープカレーOの姉妹店である。ライスとのセットがお勧めらしいが、ライスを注文すると明かに多いので、ラーメン単体で注文する。スープの種類はスープカレーOで提供しているココナツ風味の他に、オリジナルのスープと魚貝系のスープの3種類が用意されている。ラーメンはグツグツと煮立った石鍋で提供される。麺は太目の縮れ麺で、スープの絡みは非常に良い。スープのコクは充分過ぎるくらいなのであるが、麺とスープのバランスが今一つ良くない気がする。スープの量がもう少し多いか、麺の量がもう少し少ないか、どちらかにすべきであると思う。他のスープカレーラーメンと比べると、今一つの感が否めないのはこのバランスの悪さのような気がする。例えば、白石の大御所RBの味噌バターラーメンや、琴似のPのカレーラーメンは、もっとラーメンよりで、ラーメンを食べる人からも充分いける気がする。Oのスープは、割りと粘度が高いので、その辺をもっと考慮して欲しいところである。折角数少ないスープカレーラーメン専門店なので、是非とも頑張って欲しい。上手くすれば、ラーメン界とスープカレー界の両方からお客さんを引っ張れる気がする。

 プルプルの近くの南4西10丁目にオープンしたのがチェーン店Rの中央店。1000円前後の値段であるが、スープ大盛りやご飯の大盛りが無料で、リーズナブル感が高い店である。席数がやたらと多いです。果たして、こんなに広くて大丈夫のかと心配になってしまうが、ワシが心配しなければならないのは、プルプルの客がRに流れてしまわないかと言う事ではないか?とりあえず、納豆カレーがないので、安心だが、ランチタイム以外なら、Rの方がお得感があるかもしれない。プルプルのサバイバルがヤバイかもしれない。

 北24条の、MD後にオープンしたのがG北24条店。スープカレー&ルーカレー&デリバリーの店である。有りがちなスープカレーではあるが、味のバリエーションやスープの種類を多くして、デリバリーに力を入れることで市内に3件目の出店である。モツから揚げなどは、他の店には余り無いので、割と好きである。

 同じく北24条で、バスターミナルの向かい側のビルの2階にオープンしたのが、HM北24条店である。平岸のHMの北24条店である。ここの売りはラーメンである。しかも、スープカレーつけ麺である。ここは、唐辛子を練りこんだ細身のパスタのようなラーメンである。(たしかサガミヤ製麺だったと思う)HMは、スパイスキューブが売りであるが、ラーメンを使ってもやっぱりスパイスキューブの弱点は克服できず、やはり’ぬるめ’のスープカレーつけ麺になってしまった。豚角煮も大きくて柔らかかったので、結構残念なところである。

 国道36号線沿いの清田に出来たKカレー。かつカレーのお店?。いわゆるルーカレーの店で、カツがチキンだったり、トンカツだったり、エビフライだったりして、それぞれのメニューに国道の名前がついている。ルーカレーはちょっとトマト系の味を強めにして、一般のルーカレーとはちょっと違うよ!的な味付けにしてある。無料のトッピングが有ったり、スープやコーヒーがセルフサービスで呑み放題だったりして、ルーカレーとしては高めの値段設定でも、十分お得感の有るカレーになっている。近くにあったら、また行って見たいカレー屋さんかもしれない。

 18軒の店がオープンしているが、既に何軒かが潰れてしまっている。非常に厳しい状況だと言う事は、確かである。しかし、インド、ネパール系のお店がリーズナブルな値段で営業してくれていたり。スープカレーラーメンや、スープカレーつけ麺の店が出来たりと、まだまだ捨てたもんじゃないと思わせる情況は有ります。

 サバイバルに向けて、プルプル・デストロイヤーも頑張って行かんとイケナイななどと思うのである。

 果たして、プルプル・デストロイヤーはサバイバル出きるのか?

 それじゃ、また。

2011.1.2

 おっと、大事なお店を忘れていました。あいの里の教育大の向かいに出来たPの森。本当に、教育大の向かいにあり、絶好の立地条件(と思うんだけどな)。店の前には4台ほどの駐車スペース。歩道の段差を気にしながら、注意深く駐車する。店の正面の3台分の駐車スペースは、割りと入りやすいが、最後の1台分はちょっと難しい。そのちょっと難しい所にバックで駐車。店内はそんなに広くは無く、テーブル席が10席くらいと、外を眺める事が出切るカウンターと、内側のついたてに作られたカウンター席のみ。チラシを見ると、スープカレーの他に、牛乳の宅配もやっているようである。どっちが本業だろうか?昔なら牛乳の宅配が本業だろうと思うけど、今の時代牛乳の宅配は、ニーズがあるのだろうか?ちょっと疑問である。まー、あいの里と言う土地柄、ニーズはあるのかもしれない。肝心のカレーだが、最近のカレー屋さんには珍しくスパイスの効いた、インドカレーっぽいスープカレーである。一口食べて、オッこれはいけると思った(ワシはインドカレー好きである)。チキンも、良い感じに煮こまれているし、野菜の処理も悪くはなさそうである。ただ、スープの量が割りと少なめなのが気になった。その割には、野菜がちょこちょこと入っているので、飽きる事は無いと思われる。野菜の量を増やして、スープの量を減らすと言う作戦なのかもしれないが・・・。ワシが、来店したときはオープンして間も無かったため、店内は随分とバタバタとしていたが、お客さんを上手く捌けるようになれば、十分良いお店になるんじゃないかな?教育大の学生さんたちには、是非とも一度は食べてもらいたいものです。できれば、はまってくれると嬉しいけれど。学生時代はお金が無いからちょっと無理かな?学生のときに食べたものは、特に後々記憶に残って行くものだから、今後のカレー業界のためにもはまって欲しいね。ここのカレーは、わざわざ、あいの里まで行って食べる価値が有るかもしれないな?。

それじゃ、また。

2011.1.3追記