札幌インド化計画2024
文 村上義明
2024年は念願のインドに行ってきました。良くも悪くもインドは思った通りの国でした。ほぼ一か月にわたってインドを北から東から西から南へと、縦断したのですが、北には北の、南には南の、民族、文化、言語があり、その広さに納得したものです。何よりも、それぞれテレビの言語が違う。事前情報でそうらしいという部分が多かったので、驚くことはほとんどなかった。ただし、わかってはいたのですが、酒の入手はどこへ行ってもあんまり容易ではなかった。煙草も今一つ手に入りにくかったかな?ビール一杯手に入れるのがこんなに大変だとは・・・。それでもなんだかまた行きたいと思ってしまうのは、まだ食べていないカレーが、そこそこあるからなんだろうな?でも札幌にもそんないろいろなカレー屋がオープンしてきているのは、うれしいことです。ネパールにしろ、パキスタンにしろ以前は食べることのできなかったカレーがこんなにも近くに出来てきているのは、うれしいことです。更には日本人で、インドライクなカレー屋さんや、ビリヤニ屋さんがインドチックなものを提供してくれてきている、ここ2~3年の進化は目を見張るものがあると思います。
それでは、2024年新店チェックの始まり始まり。
①石山東3丁目のA(スパイスカレー)
石山東の芸森に向かう途中の道の左側にオープンしたのがスパイスカレーのお店Aです。
かつてアマンさんのお店があったところである。その前は薬局だったような気がする。それはどうでもいいか。かつてレゲエジャパンスプラッシュというレゲエの野外フェスが行われていた時にはよく通った道である。アマンさんが独立してお店をオープンさせスパイスの販売等を初めたお店の跡地にオープンしたのがAです。
店の前に6台分の駐車場があります。1皿¥1300~1500とスパイスカレーにしてはちょっと高め?(今やそうでもないか?)ですが、その分カレーの量が多めです。2種掛けとかはありませんでした。カキ エビ ホタテなど何故かシーフードが充実しています。トッピングの青南蛮の塩漬けが非常に辛くて美味しいです。ザンギも1個¥100とお得です。辛さの指定はありませんが、卓上に辛味用のスパイスが2種類あり、1つはチリペッパーでもう1つがミックススパイスで、これらを駆使して好みの辛さに調整していきます。福神漬けも手作りらしく、気合が入っています。
場所柄、お客さんがちゃんと入ってくれるか心配になります。
②MsEASTの2階 P(スープカレー)
長年、五〇堂で働いていたNさん(AKA P)がオープンさせたお店です。元のハラッピがあった店舗の隣の店舗です。なので狭いです。カウンター4席とテーブル2席ぐらいです。当然駐車場はありません。近くの駐車場はちょっと高めです。2条市場から1丁ほど離れると、安くなります。厨房も狭いので、いろいろと大変です。夏は暑いそうです。メニューや辛さは五〇堂に準じた形です。スープが五〇堂より濃い感じに仕上がっているような気がします。鶏団子が美味しいですが、一人で仕込んでいるので注意して注文しましょう。さかな系は好きそうなので、日替わりのメニューが期待できます。スピーカは小さいけどJBLです。期待大です。
③新琴似のKのインド料理(インドカレー)
日本人が作る本格的なインド料理のお店です。駐車場はありません。ニトリ(麻生店)の西側200mくらいの海鮮丼屋さんの隣です。入口が縦長?でわかりにくいので注意が必要です。席数7で、カウンター5席のテーブル2席です。カウンターの向かいと奥が厨房になっています。その時々のインドのターリーやミールスをテーマを決めて提供してくれます。タミールナードゥー州特集とか、ベンガル特集などかなりマニアックなインド料理を、再現してくれます。営業日数も少なくハードル高めですが、それを超える料理を提供してくれるので、今後も要注目です。入口のスペースでは、インドのビスケットや布なんかも売っていたりします。インド好きにはお勧めです。ちなみにもう少し西へ行くと、私が最初に入った小学校の新琴似小学校があります。その向かいには神社があります。どうでもいい情報です。
④月寒グリーンドーム近くのSトニク(スープカレー)
スープカレーとラーメンのお店です。焼肉系のお店のようでサムゲタンもメニューにあります。店の前の駐車場は同じ敷地内のお店との共用のようですが10台分くらいはあります。スープトニクのお店のようで牛、鶏、野菜でとったスープはかなり濃厚で美味しいです。チキン、豚、牛のメニューがありますが、野菜のカレーはありません。ラーメンも、しお、醤油、スパイス等があります。味噌はありません。注文は入口の券売機で注文します。辛さは0~12で5~8が¥110UPですがそれほど辛くなありませんでした。辛いもの好きは9~12の¥220UPを選ぶべきだと思います。ごはんは小ライスで150gくらいだったので、普通で200gくらいかと思われます。
スープが美味しいのでラーメンもお勧めだと思います。
⑤南郷通奥芝跡のF(スープカレー)
南郷通の奥芝商店跡にオープンしたのがF(J由香辛)です。スープカレーの命名者であるMSの出身者がオープンしたお店です。スープの具合はほとんどMSですが、スープは強化されているようで濃厚なスープになっています。チキンポーク野菜の3種類のカレーがあります。メニューの命名法もMSチックでちょっとわかりにくいです。辛さは6段階で、4段階目(¥100UP)を食べましたが、そんなに辛くは無いです。辛い物好きはさらに上を指定した方がいいと思われます。辛さの6が、MSの涅槃に匹敵するのかどうかはわかりません。ごはんは五穀米と白飯のどちらかを選びます。スープは、3種類あります。オリジナルとトマト、白湯スープの3種類で、白湯スープはかなり濃厚です。他のスープと是非食べ比べてもらいたいものです。駐車場は店の前に3台。席数は8です。少ないようですが、基本はワンオペらしいので、ちょうどいい感じかもしれません。
MSライクのお店が少ないので、今後の発展に期待します。
⑥東屯田通りのKツカレーそれは・・・愛(ルー)
黒岩さんが黒岩カレー東屯田通跡にオープンしたお店です。駐車場は3台。昔からですが、一番奥は難易度がかなり高いです。入口からバックで侵入してバックで駐車しないと出るときに大変な苦労をすることになります。カレーソースはイエロー、ブラウン、ブラックの3種類。メニューの説明的にはイエローはサラサラで押しが弱そうな表現ですが、黒岩さん的にはイエローがお勧めのようです。イエローはコロンボの酸味を弱くしてスパイス感をアップさせて様な感じで、カツとの相性は抜群だと思います。多分、酸味がある方がカツには合うのではないだろうか?ブラウンは、スパイス強めな一般的なルーカレーに近いという印象でした。ブラックは、ブラウンの延長線上にある様です。辛さの指定はありませんが、卓上のスパイスでいくらでも辛くできます。でも節度を持って辛くしましょう(最近は節度のわからない馬鹿タレが多いので・・・)。カツの量は100g、150gと選べますが、100gで十分な気がします。ご飯の量は150gからですがカツの量が100gだと、バランス的にごはんが足りなくなる可能性があります。小鉢に黒岩さん自家製の福神漬けがついてきます。カツカレー好きは、3種のカレーソースでの、それぞれの食べ比べをお勧めします。
⑦北36条西4スープカレーR(スープカレー)
麻布自動車学校(ここも私の母校である)の向かいの2階、鶏が先か玉子が先か?の隣にオープンしたのがRです。一回が駐車場3台分になっていますが、それぞれ駐車スペースが個室になっていて狭いので大きい車はかなり難しいかと思われます。もしくはチャレンジャーとして、あえて大きい車で駐車してみるのも手かなとは思います(何の意味もないけど)。骨なしチキン、ザンギ、野菜、豚角煮などのメニューがあります。スープのほかにルーカレー(見た目はスパイスカレーのようだが、メニューにはルーカレーと書いてある。またルーカレーがどんなカレーか分かっていないカレー屋かもしれない。)もある。ザンギはトッピングもできます。かなりデカいです。辛さは8段階で、激辛6(¥100UP)だとピッキーヌが入っているのかシャープな辛味が加わってかなりいい感じになります。スープは、スパイス+トマト系で、クミン・コリアンダー・トマトの模範的なカレーになっています。らっきょ系が好きな方にお進めです。
⑧北20条西4丁目 S(インドカレー)
RARAの跡地にオープンしたネパールカレーのお店です。よくあるインネパのリーズナブルさを残しつつ、ネパールカレーやダルバートに近いものを提供してくれています。(その部分はやっぱりちょっと高めですが)ネパールターリーやダルカレーやマトンカレーが、ネパール感高めになっています。駐車場はありませんが、¥3000以上の飲食で¥300の駐車代を出してくれるようです。プレーンナンはお替り自由になってます。
⑨北14条西3 Aレストラン(インドカレー)
北14の西3の元のモスクの後にオープンしたのがパキスタンレストランのAレストランです。店舗前に2台分の駐車場があります。カダイやニハリなどのパキスタン料理があります。それぞれのカレーはちょっと高めではありますが、結構な量があります。辛さは0~4ですが、4でもそんなに辛くはありません。ナンは薄くてクリスピーな
軽いナンです。豊平峡温泉のカトリさんのナンを思い出します。ガチのパキスタン料理が食べられるようになったのは非常に意味があると思います。
⑩北46東8 R(インドカレー)
元ジャドプールのミランさんがコックのお店です。インド系ターリーとネパール系ダルバートのお店です。それぞれ複数の副菜とダルカレーがついてきます。ネパール系のダルバートは基本的にヤギ肉(骨付き)のカレーがついてきます。羊のレバーのアチャールもついてきます。値段はちょっと高めですが、その分、量はあります。辛さの指定はできませんので、我慢しましょう。店の前に3台分の駐車場があります。こちらも、ネイティブに近いネパール料理が食べられる貴重なお店と言えると思います。
⑪北1西20丁目 Sガーデン(インドカレー)
いわゆるインネパのお店です。インドカレーもスープカレーもあります。ナン食べ放題のご飯一杯無料です。大体ご飯とナンがついてきます。ナンはふっくら系で甘みはありません。なんとなくネパールよりです。ハンバーグのカレーライスもあったりして工夫している部分は認めます。駐車場はありませんが、中通りの1丁ぐらい入ったところの駐車場だと、-¥100のチケットがもらえます。インネパのお店ですが、自分たちの料理を提供していきたいという希望がメニューのあちこちに見え隠れしている気がします。
⑫南28西10 Aはスパイスの夢を見るか
母さんのアジャンタの近くのたこ焼き屋の跡地にオープンしたのがA。東京で出汁カレーのお店をやっていた人がオープンしたお店です。スープカレーというよりは、カレー風味の海鮮という感じです。カニの風味を存分に楽しめます。カニやエビやホタテがこれでもかって感じで入って¥2500くらいです。ごはんもカニ出汁で炊いているのでいい感じになっています。カニを食べ始めたらごはんのカニ風味は、分からなくなりますが・・・。カニとエビは素手で分解しながら食べることになるので、食べられる人はかなり限られてくると思います。駐車場はありません。路駐もOKだそうですが、何の保証もありません。しかも向かいは南警察署です。
⑬南1条西10丁目 Mカレー(スパイスカレー)
個室サウナのSOLOSの喫茶部分で間借りをして営業しているのがMカレー。基本がラムキーマのスパイスカレーのお店です。バランスの良いラムキーマを提供してくれます。今流行りのナッツを振りかけて味のアクセントに使用しています。副菜の紅しょうがのチャツネが美味しいです。注文は、サウナを申し込む券売機と共用になっています。 辛さの指定はありません。卓上の辛味スパイスで調整します。
スープカレー4軒、インドカレー5軒、スパイスカレー2軒と思いのほかインドカレー系が多かったのでした。しかも、従来のインネパに比べて、より本物志向というか、自身の故郷の本来の料理を提供するお店が増えたことが大きい。日本人のインドマニアによるお店が増えてきたのも、注目に値するところだと思います。これにより、私たちもよりディープなスパイス料理に触れることができるようになったのである。今後も札幌がインド化されていくのを期待して行こうと思います。
2025.1.2