5種類のスパイスでナットウカレー作ろう

文 村上 義明

2016年の1月に水野仁輔さんから「スパイスカレー事典《の取材のためにメールが届きました。

その内容は、スパイスを5種類しか使えないとしたら?という質問でした。

以下は、その質問に対する、ワシの回答です。

村上カレー店の村上です。

***************************************************

Q. スパイスを5種類しか使えないとしたら、何を選びますか?

  その理由はなんですか?

  あなたにとって、スパイスとは?

  ご自身のスパイス観も合わせて教えてください。

***************************************************

 

スパイスを5種類しか・・・。

ワシ自身としては、クミン1種類入っていればいいかなとは思います。

しかし、これでカレーと言うのはあまりに寂しい気もします。

スパイスは、沢山使うよりも、シンプルに使った方が好きです。

何よりわかりやすい。

悩んだ挙句、選んだスパイスは

・クミン

・コリアンダー

・カルダモン

・クローブ

・カイエンペッパー

です。

クミンとコリアンダーは基本中の基本だと思っています。できればフェンネルも入れたいところだけどこの2つが入っていれば、立派にカレーだと思えます。

香系のスパイスは、カルダモン、クローブ、シナモンの3種類を使いたいところではあるが、カルダモンはスタータースパイスでも使ったりして重宝するので外せません。グローブも同じか?という事で、残念ながらシナモンが脱落。

最後にカイエンペッパー、これが無いとやっぱり辛くない!!辛くないカレーはカレーじゃない。よく中辛などと訳の分からない注文をするお客さんがいるが、そういう客は、ほかの店に行けと、店から蹴飛ばして返したいところであるが、そうは行かないので仕方なくカレーを出す。カレー屋は辛い物を食べるところである。味を締める辛さとしてブラックペッパーも入れたいところであるが、今回は残念ながら辞退してもらおう。

 

以上。

 

と、ここまでが本に載っている内容ですが、本当にこの5種類で作れるだろうか?
ということで、
この後、実際に5種類のスパイスで、ナット挽肉ベジタブルを作ってみました。

ここから下が、実際に作ったナット挽肉ベジタブルです。

それじゃ、この5種類のスパイスで村上カレー店 定番の「ナットひき肉ベジタブル 《 を作ってみよう。

材料(1人前)

スパイス
 ホールスパイス(ためねぎを炒めるスパイス)
    クミン   1g
    クローブ  0.2g(3粒くらい)
    カルダモン 0.2g(1粒)
 パウダースパイス(味付けに使うスパイス)
    クミン   1g
    コリアンダー1g
    クローブ  1g
    カルダモン 0.2g(1粒を砕いて使う)
    カイエンペッパー1~2g

タマネギ70g(中1/4個みじん切り)

鶏挽肉100g(酒小さじ1、醤油小さじ1を振って下味をつける)

ニンニク1.5g(すりおろし)

しょうが1g(すりおろし)

トマトピューレ小さじ1

ココナツミルク小さじ1くらい

鶏がらスープ300ml

醤油2ml、塩3g位、鰹節1g位(普通は鰹節は入れないけど、味的に足りないので入れます)

引き割りなっとう1パック

 

調理

①玉ねぎを炒める

 クミン(ホール)1g、クローブ(ホール)0.2g(3粒くらい)カルダモン0.2g(1粒)と

 サラダ油少々で玉ねぎを炒めます。
 最初にサラダ油大さじ1くらいとスパイスを火にかけて、クミンがパチパチいってきたら玉ねぎを入れます。
 玉ねぎが透き通るくらいまで炒めます。

 スパイスは、存在感をしっかりさせるために、ここではホールで使います。

②鶏挽肉を炒める。

 下味をつけた鶏挽肉を投入し火を通す。(あーターメリック入れたい)
 挽肉から水分が出てきます。出てきた水分が無くなればOKです。

③スパイス投入

 ニンニク、ショウガ、クミン1g(パウダー)コリアンダー1g(パウダー)クローブ1g(パウダー)

 を投入し全体に混ぜ込んで味を付ける。(あーシナモン入れたい)
 ここでは、スパイスをパウダーにして入れます。

 トマトピューレ、ココナツミルクを入れ全体になじませる。

 カルダモン0.2g(ホール1粒)を砕いて投入、カイエンペッパー1gも投入。

 辛いほうが良い人は、倊の2gでもいいかも。

 この段階で、おいしいキーマカレーになっていればOKです。

 なっとうカレーを美味しくするのは、おいしいキーマカレーを作ることなのです。
 これで十分と感じたら、この段階で塩で味付けしてキーマカレーとして食べてしまってもいいかも?

④鶏がらスープ投入

 鶏がらスープを入れて、味を決める。

 醤油、鰹節を入れて、味を見ながら塩加減を調整する。なっとうを入れることを考慮して

塩味きつめにしておきます。

⑤ひき割りなっとう投入

 追加したい具材があるときはここで、具材を追加します。

 刻んだナスを炒めたり、オクラを炒めたりしてカレーに入れます。

 最後にひき割りなっとうを投入して、全体が温まれば、出来上がり。

 なっとうを入れてから煮立たせると、においが充満するので、煮立つ直前で火からおろします。

 

村上カレー店の定番「なっとう挽肉カレー《の出来上がり。

 

それじゃ、また。

2017.1.3