物は壊れる人は死ぬ2025
文 村上 義明
永遠のボンゴマン「ジミークリフ」が、亡くなってしまいました。中学生の時に出会ってから50年。ブランクはありましたが、メニーリバーストゥークローズは今でも、わしの心に響いている1曲です。去年は30年ぶりに東京に行ってきました。会社に入って1年半、川崎市のよみうりランドの近くに住んでいて(会社の寮があった)、ぼちぼち東京は歩いていた。でもそれから、ほぼ40年。会社員時代はまだ、出張で東京には行っていたものの、カレー屋になってからはそんな用事もなく、(店に縛られていたので)出かけることは無かった。30年ぶりの東京は、道路と交通網以外は、すべて変わっていたような気がします(いや変わっていたのだが、変わっていたことに気が付かなかったのかもしれない)。山手線(鉄道)だけが昔の名残を残しているような気がしました(当時はまだJRでも無かったのだけれども)。そんな中で、かつての友人のお店のニューチェックや、デリーの上野店や、銀座のナイルレストランや、フセインさんのマシャールなど何軒かのカレー屋さんには行けたものの、もっともっとカレー屋さんに行きたかったのは確かです。インドにしろ、東京にしろ、まだまだカレーが食べたいところでした。
2025年の新店は、10軒。少ない感じがします、いや少ないです!。インドカレー系が4店、スープカレーが3店、ルーカレー系が3店。スープカレーに関しては1店がすでに閉店してしまっています。インドカレー系にしても、従来のいわゆるインネパ系のお店は1軒も無く、ガチのインドカレー屋さん(変な表現になってるけど)、自分たちのカレー(インドだったりネパールだったりパキスタンだったり)を前面に打ち出すお店しかできていない。この辺は、ひょっとすると国際情勢の変化もあるのかもしれないが、ガチ系のお店が増えることで、我々カレーファンにとっては、楽しみが増えることになり、喜ばしい限りである。いろいろなものがすごい勢いで値上げして、新規参入に関してはかなり難しい状況であったとは思われます。が、儲ける奴は儲けていたはずである。カレー屋は儲からないというのが、定着してしまったのか?儲けるのが、難しい状況であることは、確かではあります。
それでは、2025年新店チェック、行ってみよう。
1、西11丁目のN
ガチのネパール料理が売りのお店です。西11丁目の電車通りの角のビルの2階です。駐車場はありません。以前はルーカレーのお店や、アマンさんのインドカレー店などが入っていた店舗です。なかなかお店が定着しないのは、たぶん家賃が高いのではないかと思われます。一番のおすすめは、やはりダルバートです。ダルバートのカレーはチキンとポークから選べます。ジンジャーとガーリックがバシッと効いたネパールのカレーです。アチャールやタルカリやサーグが付いてきます。辛さの指定はありません。ごはんは長粒米と日本米のミックスです。ネパール人シェフなので、ダルカレーはレベル高いです。ランチタイムにはお手軽な日替わりカレーや、激辛チキンカレー(ジンジャーチキン)があります。激辛チキンは、辛さの指定が可能で、30番、50番、100番で辛さの指定方法がプルプルライクになっています。(近くなので合わせてくれた様です)。夜の営業が、メインらしいです。夜は、本来のネパール料理が食べられます。コース料理でいろいろなネパール料理が食べられるようになっています。ほかにネパール料理が食べれれるお店がなくなっていたので、ネパール好きには超おすすめデス。ワシもコース料理を食べてみたいが、日曜日が休みなので、ハードルが高いです。ランチタイムはそこそこ混んでいますが、提供時間が早いので、ランチでの使用もおすすめです。
2、南郷通7丁目スープカレーIちどー
マジスパの近くの南郷通7丁目にオープンしていたスープカレー屋さんでした。でしたというのはすでに閉店してしまっています。入り口が1階で、会計も1階にあって、厨房と客室は2階にありました。メニューは、チキン、豚、納豆やハンバーグ、ソーセージなど。基本のスープは、トマト系で、かなりトマト強めでした。スープにはココナツスープ+¥150も、ありました。らっきょ、心系かなと思いつつも、メニュー的にはロケットカレーかなとも思います。辛さは10段階で、6番以降が有料になっています。ワシが選択した7番は、そこそこの辛さでした。値段的にもそこそこの値段になってしまいます。客席は広くて無駄に30席くらいありました。2人で切り盛りしていたので、満席になると大変なことになります。スープが熱々だったので、熱いのが好きな人におススメです。あまり特徴のないカレーだったので閉店してしまったのかなとも思います。
3、南8西1のインドカレー「Nルギリ」
日本人が作るインドカレーのお店です。駐車場はありません。店の裏側の豊平川の近くのコインパーキングが一番近い駐車場でした。インドカレーが3種類、甘口、普通、辛口の3種類を日替わりで用意して、その組み合わせで提供する感じです。副菜2種、アチャール+アルファみたいな感じで、1種盛から3種盛ができます。来店時はパニール+青菜のサブジみたいなやつで激うまでした。辛さの指定はありません。ふっくら系の甘くないナンとごはん(ジャスミンライスと日本米のMIX)付きです。デザート(多分日替わりかと思われます)のハルワも日本人向けに甘さ控えめで、食べやすかったです。チャイもインドっぽいです。タンドールもあって、今後もっと活用していくようなことを言っていました。JBLのスピーカーが結構いい音出していました。Nルギリは、紅茶の産地で南インドですが、カレー全体は北インドっぽかったです。インド好きにおススメのお店です。
4、欧風カレーC
電車通りの三誠ビルのハラッピの後にできたのが欧風カレーCです。ビーフカレーの専門店です。駐車場はありません。ルーカレーと言いたいところですが、ルーは使っていませんでした。牛のワイン煮込みの様なフレンチのソースのようなカレーです。牛の塊がゴロゴロっと入った特ビーフカレーで¥1760でした。牛のカレーとしては安い方かもしれません。特上100gビーフカリーで¥2800、オムビーフカリーなんかもやっていました。ビーフは食べなれていないので、どのくらいおいしいのかはちょっと判断しかねるところでした。
5、スープカレー.N○○○
YPIPCCCの間借りで、月1でオープンするのが「スープカレー.N○○○」。スープカレーKINGの料理長が間借り営業するお店です。あまりKINGっぽくはないです。本人はKINGとは違うカレーを目指しているようです。全体的にうまくまとまっていて突出するところがないカレーでした。辛さは1から6で、6でもそんなに辛くはない感じでした(6はピッキーヌ入りでした)。ご飯の量も、小中大特大で、特大で400gでした。最初の営業だったせいもあるとは思いますが、いろいろな点で無難な選択肢なので、今一つ、面白みに欠けた感が否めませんでした。メニューが、チキンと納豆というのも、微妙な感じでした。今後の展開に期待したいところです。
6、ルーH
ポールタウンのちょっと薄野側のエリアにオープンしたルーカレーのお店「ルーH」。その名の通りルーカレーのお店です。ちゃんとルーを使ったルーカレーのお店です。最近はルーを使わないのにルーカレーと表示するカレー屋さんがそこそこありますが、(ルーカレーとは本来どういうカレーか知らない人が多いのかもしれない。カレー屋とかメディア関係者とか・・・。知っててそういう表現をする人がいるのも確かではある。スープカレーに対するルーカレーなんかは、大体ルーカレーではなくてスパイスカレーだったりする。時代の変化と呼ぶべきかどうかは微妙である。ダンチュウや水野氏までもが、スパイスカレーをルーと表記するのであれば、そういう時代になってしまったと認識すべきかと思う。こういうことにグダグダ文句を言う村上はすでに時代遅れなのかもしれない。)この店は、ちゃんとしたルーカレーのお店です。辛さの調節はありません。テーブルの辛味スパイスで調節するだけです。辛さの調節がないというのは、カレーの魅力を半減させてしまうと考えます。カレーの辛さレベルというのは、再来店を促す一つの要因になりうるからです。例えば3番で食べていた人が次には4番を食べるようになるとか、そういう機会を作る一つの要因になっているはずなのである。ただし、昨今のいわゆるZ世代はそういったことにある程度無関心になっているというという話は聞いたことがある。ごはんとルーの盛が、大盛と普通盛があるだけで、細かい調節はありません。これらの調節がないということは、作る側にとって、誰でもできる作業に、均一化しているのではないのだろうかと思う。実際店舗の中を眺めていると、カレー屋然とした佇まい(そんな人がいるのかどうか疑問は残るが)の人は皆無で、明らかにバイトであろう数人がいるだけである。多分この店の営業形態としては、どこかの工場でカレールーを作って、アルバイトが、店で炊いたご飯にカレールーをかけて提供するだけ。という構図で成り立っているんだろうなと思います。
ちなみにトッピングは、玉子(生)、チーズ、豚肉の3種のみ。今後必要に駆られてトッピングが増えたり、ごはんやルーの調節が細分化していくかもしれません。それでもちゃんと営業が続けられるのか、ちょっと不安が残るところです。
7、インド料理C
2023年に閉店したジャドプールの根橋さんが、自らの調理で再開店したのがCです。場所は、東警察署の向かいの、スタジオMIXのビルの地下の161倉庫の並びの一番奥の店舗です。駐車場はありません。はす向かいのコインパーキングが¥200/時と割と使いやすいです。ビル周辺の駐車は、超厳禁です。下手に駐車しようものなら、周辺の老婆がやってきて強烈に怒られます。要注意です。カレーは、南インドのミールスです。ミールスなので¥2000前後とちょっと高めになっています(原価がそこそこかかってしまうため)。また、わかってくれる人にだけ食べてもらいたいという根橋さんの思いも、値段の方に含まれているようにも思います。メニューは、ベジ(野菜)とノンベジ(肉あり)で、それぞれ2種盛、3種盛と軽めのライトとかがあります。ごはんはお替りできます。チャイも付きます。インスタントのコーヒーは無料です。常識的に食べるのであれば¥2000でそこそこお得なミールスだと思います。カウンターの端に手洗い場があります。これは手食後の、手洗いのための洗い場です。多分札幌では初だと思います。インド料理は手食の方がおいしいのでこういうお店が増えてくると非常にうれしいです。(ただ余程のことがない限り、こんな工事はできないはずです。)現在ノンベジのチキンカレーはチェティナードチキンで、スモーキーでスパイシーなチェティナードチキンがデフォルトで食べられるのは、この店だけかもしれません。チキンカレー以外のノンベジのカレーは日替わりになっているようです。今後はアルコールメニューも充実させていくようなので、飲みも含めたカレーディナーも期待できるかもしれません。
8、Sカレー
手稲のメティの跡地にオープンしたのが「Sカレー」。昭和のルーカレーです。メニューには、昔懐かし昭和のカレーライス、となっています。辛さの設定はありません。辛そうなメニューはありますが、通常は、辛味スパイス(七味唐辛子)で調節するようです。トッピングなしの昭和カレーのほか、カツカレー、餃子カレー、ザンギカレー、ハンバーグカレー、シーフードカレーなんかがあります。そしてなぜか、ミニ鴨そばとセットになった鴨そばセットがあります。鴨そばは食べていませんが、カツカレーはそれなりにおいしかったです。
9、パキスタン料理R
北三西23丁目にオープンしたパキスタン料理のお店です。昼はビュッフェ形式で、¥1500+税で色々食べることができます。
来店した日は、ビーフカリー、チキンコルマ、ビーフホルモン、ラムビリヤニ、チキンスープなどそこそこ食べられました。ビュッフェ形式なので、開店してすぐの方がおいしいかったと思われます。しかしそこは、パキスタン料理なので、割とスパイスバキバキで楽しむことができます。ただし、チキンが丸鶏だったり、マトンが、骨付き山羊肉だったりするので、骨に要注意です。夜は普通に営業しているので、興味のある人は夜の方がよりパキスタンを堪能できるかもしれません。ただし、日本語が、あまり通用しなさそうなので注意が必要かもしれません。
10、東札幌の魚介薬膳スープカレーO
東札幌の2条4丁目にオープンしたのが魚介薬膳カレーOです。店の裏に2台の駐車場があります。近くにコインパーキングもあります。とりカレー、豚しゃぶカレー、魚介カレー、Oカレー、梅イワシカレー、魚介納豆キーマカレーなどがあります。おすすめは、店名を冠した全具材のOカレーだそうです。辛さは、0から5ですが5でもそれほど辛くはないです。ご飯は麦飯で、極小100gから大盛350gまであります。辛さもごはんの盛も、もう少し幅が必要とは思います。カレーはスパイス控えめの和風だしカレーです。元和食の調理人だそうで納得のカレーになってます。どのメニューも具材の種類が多く鍋のようになっています。実際、鉄なべでやってきます。鉄なべ+蓋つきのごはん、レンゲ、箸でやってくるので、旅館の晩飯みたいな感じです。鍋好きにおススメです。
以上10軒のお店がオープンして、すでに1軒つぶれていました。カレー店全体として件数は少ないけど、より深化しているような気がします。これはこれでうれしいのですが、活性化という点に関しては、かなり寂しい結果となったことは確かです。
物は壊れる人は死ぬ、栄枯盛衰はいつも繰り返されるものですが、来年はもう少し盛り上がってほしいなと思うのは、みんな共通の意見だと思います。
それじゃ、また!!
2026.01.02