ニュージェネレーションカレー2011

 文 村上義明

 スープカレーブームは遥か彼方に消え去り、閉店ラッシュも何時の間にか過ぎ去って、新規開店するカレー屋もめっきり減ってしまった2011年でしたが・・・。最近、カレー屋の新しい波が、やって来ているのではないだろうか。スープカレー屋の新規開店は、少なくなってきているが、スープカレー屋以外のカレーが、息を吹き返してきている。そんな気がする2011年でした。

 琴似神社の裏に、オープンしたY。旧5号線から、琴似駅側に一本入った道に、Yはある。琴似神社の裏の駐車場に専用の駐車場もあり、車での行き来も悪くは無い。店はそんなには広くは無いが、小じんまりとして落ち着く雰囲気である(ごちゃごちゃしている方がワシは落ち着きます)。カレーは北海道牛を使ったルーカレーである。奇をてらう事の無い普通の美味しいルーカレーである。ルーカレーの店の出店が少ないだけに貴重な存在である。(しかし、2012年1月3日に店の前を通ったら、ラーメン屋さんになってました。)

 富良野に本店があるFが、札幌に進出。カレーのF屋。以前北18条界隈でも、支店として出店していたはずであるが、何時の間にか、そちらがなくなっていて代わりにオープンしたのが、こちらのF屋である。

 北郷通りを厚別に向かって、ずーっと走って行くと、途中で新しいカレー屋を発見。

 どうしよう、まずは今日の目的のカレー屋へ向かうべきか、寄り道をしてから向かうべきか、とりあえずこの日は、未だカレー屋に到達していないので、2軒梯子する事は可能である。

 とりあえず、F屋へ向かう。

 住所を確認しながら、ホーマックを発見、住所的にはこの近辺である。川沿いに道を曲がるとすぐにF屋を、発見。駐車場も広くて楽チンである。元は何屋さんだったんだろう、結構立派な店構えである。店内に入るとゆったりとした店内に、テーブルが悠々と配置されている。広くて綺麗な店内にワシは、圧倒される。こういう店は、ちょっと苦手である。

 ここは、スープカレーとルーカレー両方を食べる事が出来る。以前の店舗のときにスープカレーは既食であるが、「トリ爆弾のスープカレー」が気になってしまったので、それを注文する。以前の店舗のときにルーカレーがおいしそうだったのであるが、滝川産合鴨使用のトリ爆弾に負けてしまった。しばらくすると大きな美しい皿に、でかい鶏つくねと沢山の野菜が載ったスープカレーが運ばれてきた。スープカレーは割と粘度が高めのカレーである。このスープにトリ団子を崩しながら食して行く。トリ団子がでかい・・・。確かに「トリ爆弾」である。スープカレーの具というよりは、宴会のときの「つまみ」である。居酒屋でビール頼んで、和んでいるときに「トリ爆弾」です、と持ってきてもらうとちょうど良いつまみになりそうな、そんなカレーである。ほとんどのカレーが1000円位するのであるが、皿の大きさや盛りの豪華さを考えると、納得の値段である。辛さも細かく指定できて、説明も分かり易い。ワシが満足する辛さは、やはり有料になってしまう。そんなこんなでほぼ満足状態で店を出る。

 しかし、ここで帰りに「もう一杯」である。来た道をそのまま帰る(北郷だけに)。来る途中で、見つけたスープカレーK魂に車を停める。店の前に2台ほどの駐車スペースがあるが、はっきり言って狭い。2台停めたら、歩行者には結構迷惑な感じである。しかし、他にスペースが無いので、停めるしかない。中へ入ると店内は、結構小じんまりとした作りで、以前は喫茶店か、小さなバーみたいな作りである。メニューは、割と基本的なメニューしかないが、値段は大体1000円以下で、お手頃である。しかもランチタイムは、割引があるのでお得である。基本のチキンを注文する。暫くすると、ごまが載った割と平均的なスープカレーが運ばれてきた。スープの味も、そんなに濃い事は無く、まー薄すぎず、あまり特徴の無いスープである。具材も皿も、値段通りのレベルで、可も無く不可も無くと言ったところであろうか、店名のK魂と言う割には、魂が入っているのか、どうなのか?このKという土地に根ざした、スープカレー屋というのであれば、これくらい何もかも普通で良いのかもしれない。あくまで地元に浸透するためには、この位の普通さ加減がちょうど良いのかな。

 その昔Hと言うカレー屋が入っていた伏古の店舗の後に何時の間にか出来ていたのが、Bカレー食堂である。近くにHSがあったり、ハードオフがあったりして、実家に帰ったときには良く寄る道であったのだが、カレー屋がオープンしているのを発見したのは、今年の春だった。隣の空きスペース全てが、駐車場である。空きスペースと言っても伏古なので、半端な広さではない。頑張って停めれば20台近く停められるであろうか・・・。広い・・・・。その広い駐車スペースに車を停めて店内に入る。店内は昔とはかなり違っていて、窓側のテーブル席は、テラスのようになっている上、中央のスペースにテーブルが幾つか配置され、とってつけたようなカウンター席が、中央に設けられ、しかも小上がりまで有る。しかも、厨房と思われる方向の奥から、子供の声がする。店内の冊子によると、この店は、保育園的な店舗らしい。おかあさんたちが、子供を連れてカレーを調理にやってくるらしいのである。つまり、保育園とカレー屋の合体型の店舗らしいのである。メニューは基本のカレーはルーカレー?で、スープもチョコっとありーの、カレーヌードルもありーので、なかなか面白い店である。ルーカレーと言っても、小麦粉を使っているわけではなく、分類としてはインドカレー系の店と考えたほうが良さそうである。店名のBとは、札幌農学校に玉ねぎを持ちこんだB氏が由来らしい。B氏が持ちこんだ玉ねぎを、この地で栽培したのが由来である。丘珠も伏古も、玉ねぎ農家は、沢山あった。ワシも、小学校や中学校の時は、秋口に、近くの農家で良くバイトさせてもらったものである。玉ねぎの収穫のバイトは、わしらにも出来るもっと身近な現金を稼ぐ手段だった。しかも、10時と3時には、缶コーヒー(UCCのロング缶)と、ベビーカステラのおやつが振舞われる。1日働くと4〜5千円になった。わしらにしたら、凄い小遣いである。と言う事なのでBカレー食堂のカレーは、玉ねぎで出来ている。基本のチキンを注文するが、何故かチキンソテーと記述されている。出てきたカレーを見て納得である。基本のカレールーは、ほとんどインドカレーで、ご飯とチキンソテーといくつかの野菜が載った大皿に、インドカレーがカレールーのように掛って出てきたのである。カレーの提供の仕方が、ルーカレーそのものなのである。インドカレーは知らなくても、このやり方なら、誰でも食べられます。おじいちゃんや、おばあちゃんや、子供でも、このカレーならルーカレーと同じように食べられるのである。まさにビューチフルな提供の仕方である。ただし、辛さの指定は無く。辛み用のペーストを自分で追加して辛くしていく方法である。人それぞれであるが、子供の出来た親は大体こんなカレーの提供の仕方になる。何故なら全て子供に合わせるが故、初期状態は、すべて辛さゼロである。カレー屋としてこれが良いか悪いかは別として、辛さを選択すると言う楽しみを、捨てていると言うところで、わし的には魅力半減である。まー、保育園的なカレー屋なので、致仕方ない所である。おかあさん達の頑張りのお陰か、カレーヌードル(後日食したがパスタとうどんの中間的な麺でした)や、玉ねぎの福神漬けがあったりとメニュー的に面白いものが多いが、あくまで保育園的なカレー屋さんなので、そこは期待しすぎ無いように食べに行くのが無難かと思います。

 テレビ塔の地下と、西11丁目の地下にほぼ同時に、オープンしていたのがAAである。ルーカレーのお店である。と言っても、どちらかと言うと、カレースタンドにテーブル席も付いているような物である。カレースタンドなので、カレーが提供されるのはメチャクチャ早い。コロンボ並である。で味はどうかというと、カレースタンドならこの程度かなと言う味である。悪くは無いが、西11丁目にはリトルスプーンがあったり、近くの食堂街には500円定食が有ったりする事を考えると、ちょっと難しい感が否めないのである。更に、スープカレーも980円で提供してたりもするのであるが、具材がルーカレーと共用できていないにしろ、あの味で980円はちょっとという感じであった。間違って修学旅行生が、テレビ塔の下でスープカレーを食べたら、悪い思い出になりはしないかと、非常に心配である。

 東札幌のダイエーの近くにオープンした、カレーのC札幌白石店。金沢カレーの老舗が札幌進出である。既に伏見のOで金沢カレーがあるが、何故か初上陸と言う事になっている。どう言う事になっているか知らないが、そう言う事は身内でちゃんとけじめを付けておいて欲しいものである。まーこう言う事には、いい加減な世界なのかもしれないが、消費者には正しい情報を伝えるべきなんじゃないかと思う。味は、Oと何ひとう変わらない気がする。カレールーの濃さと言い、粘度の高さと言い、味の濃さと言い、これが金沢カレーなんだなという感じでした。ただし、中学生や高校生が部活帰りに、ギャーギャー言いながらカレー食うには東札幌のCは、ちょうど良いかもしれない。(まー、デストロイヤーでは大学生が部活帰りにギャーギャー騒いでいるのも良く見かけますが・・・)

 南区の澄川の超有名店のKの近くにオープンしたのがカフェIである。Kとは生協の駐車場をはさんではす向かいになる。見つけ難い場所にあるが、生協の回りをグルグルしているとすぐに見つかります。始めての店だけど、岩見沢のBBの支店と言う事で味は保証付き。BBと言えば琴似に支店を出していたはずであるが、何時の間にか無くなっていた。しかも、Iによると、札幌初出店みたいな表記になっていた。どうなってるんだ?いい加減である。しかし、そんな事ばかり気にしてもしょうがないので、ラムカレーを注文する。インドカレー屋に有りがちなカレー、ナン、サラダのセットである。ラムカレーで800円台なので、割とお安い値段である。出て来たカレーを食べながら、メニューを見ると「ラムカレーにトマトは使用していません」と、書いてある。の割には、割と酸味の効いたラムカレーである。タマリンドか?ワシ自信、タマリンドは一回使った事があるくらいなので、あまり詳しくは無いが、わざわざ「トマトは使用していません」と書くには、何かあるんだろうなと思いながら、ラムカレーを美味しく食べきってしまった。味は非常に良かったのであるが、MDやRI系と比べると、ちょっとカレーのボリュームが少なめな気がした。

 豊平の元親不孝のはす向かいのビルにオープンしたのが、Mカレー。店名が全てである、水を使わないカレーである。水を使わないといえば、札幌では老舗のMが有名であるが。水分の無さは、Mカレーが一番である。何がMかというと、スパイスと玉ねぎを合わせて煮こんだカレーなのである。Mのカレーをどんどん水分を飛ばしていけば、このMカレーになるかどうかは不明である。ネーミング的にはMカレーであるが、基本的にインドカレーである。

 旧5号線と、琴似駅前通りが交差するあたりを、西にちょっと行くとRNがある。ネーミングから行くと、MD、RIの系列かと思い、中に入ると。メニューの作りや値段はほぼMD、RIなのであるが、メニュー票の作りが、質素である。出てきたカレーも、MD、RI系のカレーで間違いは無いのではないかと思われるが、皿が貧弱だったり店内がとってつけたような作りだったりするので、MD、RIからの独立系なのだろうか。琴似にインドカレー屋が少ないので、非常に頑張って欲しいところである。

 狸小路のTEの後に入ったのがJT。北大植物園の近くのCの支店的な店のようである。店内の作りはTEのときより、豪華に見えるように改装してあったが、何かこの店舗特有のやる気無さみたいのが漂っていた。カレーは悪くは無いが、本店のCよりも値段は若干高めで、しかもカレーは若干少なめに感じたのは、ワシだけだろうか。家賃の違いか、狸小路特有の商店街費の分、値段が高くなっているのか、微妙なところである。店的にはアルコールを沢山置いて夜の営業に力を入れたいみたいでは有ったが、果たしてここで酒飲んでって言うのは、有りなのか、無しなのか、微妙である。

 そして川沿のA。札幌スープカレーの祖Aの、支店である。フランチャイズのA(こっちが本家なのかな)ではなく、昔から有るA(Yかあさんの店)の支店である。以前Aに行った時、かあさんが居なかったので心配していたが、こう言う事だったのかと、納得した。川沿の生協の横を通って、ちょっと入ると小さな飲み屋街が有る。その小さな飲み屋街の一角にオープンしたのが、新しいAである。チキンを頼んで満腹になるのを避ける為、マトンにする。店内には、A特有の甘い香りが漂っている。夏で熱かったので、扇風機全開で、営業していた。わかるよ、その気持ち・・・。紛れも無くそのカレーはAだった。でも、遠いので行くとしたらやっぱり母さんの店かな?

 スープカレー&居酒屋のG。白石の南郷通り6丁目当たりと国道12号線の間 当たりにあるのがGである。スープカレー&居酒屋とある通り、昼はスープカレー、夜は居酒屋として営業しているらしい。扉をあけると愛想の良いお父さんが、迎えてくれる。熱かったので、エアコンがガンガン当るチョー涼しい場所を案内してくれた。メニューを眺めていると、だんだん寒くなってくる。キョーレツなエアコンだ。普通にチキンカレーを頼む。チキンレッグではなくて、トリもも肉である。レッグ高いからそうだよねと思いながらカレーを食べる。そこそこ辛くしたので、エアコンの強烈さはすっかり吹き飛ぶ。満足。会社の近くに有れば、昼食のローテーションに組み入れる事が出来るレベルだと思われる。実際、わしが帰るころには、近所のサラリーマンらしき人達が、バラバラと入ってきていた。

 狸小路のJRAのビルの一角にオープンしたのがカレー道場Kである。いわゆるルーカレーである。御存知の人も居るかとは思うがラーメン道場Kの、カレー屋である。ラーメン屋で評判のカレーが、食べられるのである。場所が場所だけに、土曜日曜は、新聞片手に赤鉛筆を耳に掛けた人達が、カウンターに並んでこのカレーを食べるのかと思うと、ちょっと面白い。カレーは、確かに評判になるのかもしれない濃厚なルーである。多分ラーメンと同じスープで、カレーを作っているのだから美味しくならないはずが無いと思う。但し、具材に工夫が無いのが難点かもしれない。(そういう店じゃないのかもしれないけど・・・)

 東8丁目通りの、I8丁目食堂から北へ5丁ほど行くと、インドエスニック料理のPがある。ここは、I8丁目食堂でカレーを食べた後で見つけたのだが、ランチのカレーで2種類のカレーのセットを頼んだら、なんとインドカレーとタイカレーがセットになって出てきたのである。ちょっとビックリである。今までは、2種類のセットと言えば、いくつかのインドカレーから、2つ選ぶか、肉系と野菜系(豆系)の2種類が出てくるのが普通であるが、たまたまかもしれないが、タイカレーとインドカレーがセットで出てきたのである。店の中は、居酒屋かカラオケスナックかみたいな店内であるが、カレーは美味しいのである。しかも、ナンも、ふっくらしたナンではなく、家庭的なロティみたいなナンだったような気がする(ここはちょっと曖昧である。メモでも取っておけば良かったかな・・・)。穴場的なカレー屋で、ちょっとお勧めである。インドとインドネシアが一緒に楽しめるのは、この店くらいだろうな。

 琴似・栄町通りを麻布方面から南下して行くと、左手に見えるのがNのカレー屋さんである。店内は明らかにもと居酒屋である。以前はもっと怪しいカレー屋さんであったが、現在は少し怪しいカレー屋さんになっている。有る人によると、この店は何回も経営者が変わっているとのことである。ランチタイムに行くと、カレーが700円台で食べる事が出来る。カレーの味的には大分700円的であるが、いまどきこんな値段でカレーが食えるのは、I8丁目食堂の500円カレーとここくらいだろうか?(MD、RIはもう100円UPくらいかな?)ただし、あくまでもその値段でと言う事なので、是非とも食べてみて欲しいと言うほどのものではないかもしれない。

 静修学園の裏の旧Sの後にオープンしたのがHSである。S時代とは違い、店内は全てカウンター席である。やはりCのカレーはカウンターで、と言う事なのか。ただし、カウンター席だけになったので、店内がやたらと広く感じられるのである。カレーはというと、まさにこれが「Cのカレー」と言う訳ではなく、「Cのカレー」に限りなく近いけど、何か違うぞって感じの「Cのカレー」なのである。これこそがHCたる所以なのかもしれない。Cが2系統になるのか?と不安は残るけど、Cファミリーとして、生き残って欲しいところである(サラリーマン時代はCのカレーにお世話になっていたので・・・)。

 最近ブイブイ言わしてるSの支店。Sの3店舗目である桜店は、ベッシーの近くの焼き鳥屋さんの隣の2階にオープンしている。4店舗目の北19条店は、北大通りの「恋の予感」の跡地にオープンしている。あんまり支店ばっかり増やして、大丈夫なのかと言う不安は残るが、人を少なくして上手く店を回せば、無理なことではないのかなとも思う。頑張って欲しいところである。

 狸小路4丁目の旧LSの後にオープンしたのが、大地のカレーSの狸小路店である。本店は厚別にあるらしいが、本店は未食である。カレーも価格帯もLSとそんなに変わらないが、辛さの指定が無いのが、物足りないところである。水がペットボトルで出てくるのは、どうなんだろうねと思うが、カレーの具材が結構豊富なので、そちらで楽しめると言う事なのか。

 狸小路4丁目から5丁目にかけて、1丁の中にJT、S、Kとカレー屋が3軒も有り、何故かカレー激戦区のようになっているのは有る意味面白い。がしかし、ある人に言わせれば、食べるべきカレーが無いから、0軒に等しいらしい。・・・・・難しいですな。

 石山通を南下して行くと途中で二股に分かれる道があるのであるが、その二股の左側にオープンしたのがOSである。店内は広々とした作りで、カウンターも有るんだが、目の前が高くて、あまり落ち着かないカウンターである。カレーは、割と平均的な札幌スープカレーであるが、ちょっとインド側にも振っていたりした上に、結構酸味側に倒してあり、これはまた、新しいカレーだねーと思いながら食べ終えた。十分満足感のある味わいである。帰り際に、SPのショップカードを発見。聞いてみると、SPの支店的な存在だそうで、SPの味とはちょっと違うとのことでしたが、ワシ的には随分違って思えました。悪くは無いので、一度食べる価値は有りです。

 平岸通りの平岸の交差店からちょっと北に出来たのがDGである。店内に入ると割と狭い店内である、と思ったら2階席も有るらしい。メニューを見るとどっかで見たようなメニューである。最近流行りのMD、RI系のメニューであるなーと思ってみていたら。奥からシェフが出てきて挨拶してくれたのである。元RIのシェフでした。最近見ないなとは思っていたのであるが、こんな所で独立していたらしい。味はもちろんMD,RI系の味で、ワシの好みである。最近インドカレー屋が増えて良い事である。第3次インドカレーブームかもしれない。

 狸小路の9丁目の肉屋跡にオープンしたのはK食堂。ワシは店につくまでずっとG食堂と思っていて、きっとGなんだろうなと思っていたのでしたが、K食堂でした。ごめんなさい。店の扉をガラガラッと開けると、カウンターと二人ぐらい座れるテーブルのみ。狭い!!こんな席数でやっていけるのか?かなり不安になる。最初なのでチキンカレーを頼む。暫くして出てきたのはワンプレートに乗ったスープ状のインドカレーである。味は悪くは無いが少々貧弱である。納豆カレーのPと1丁も離れていないが、CP的には明かにPの方が上の気がする。味的にはそんなに悪くはないので、頑張って欲しいところである。スープカレーのワンプレート版と言う事で、ちょっと新しいかもしれない。

 円山クラスの1階にオープンしたのが、札幌円山カレーKである。K氏はCDのオーナーとしても有名であるが、スープカレーとは別のカレーでオープンさせたのがKである。近くのカフェで出していたカレーがベースと言う事であるが、道産素材をインドカレーに絡めて提供するのが店の目的のようである。スープカレー以降のカレー界の動向として、やはりインドカレーの方向に傾いているような気がする。こう言う店が増えるのは嬉しい事であるが、場所が場所だけに複雑である(ワシ的には円山クラスは、金持ちが金持ちから金をふんだくるための施設と認識しているからだ・・・)。

 国道12号線を江別方面に走っていくと、大麻駅のちょっと手前にオープンしたのがZである。この店は、以前 愛の里のPの森の支店があったところであるが、何時の間にか閉店していて、Zになっていた。店の横に二台ほど停める事の出来る駐車スペースがある。店の外観は、元たこ焼き屋か何か、テイクアウト系の店舗のような外観である。店内に入ると、無理矢理作った感の残るカウンターや、テーブルが配置されていて、かなり危険である(デインジャラス)。チキンカレーを頼む。暫くして出てきたのは、外観的には普通のスープカレーである。一口食べると、悪くないぞ、いや、どちらかと言うと美味しいかもしれない。更に一口食べると、結構コクが有るぞ、良いかもしれない。良いぞ!!。前回、Pの森の支店のときは、このカレーがPの森のカレー???ってくらいスープが薄かったのが頭に有って、その記憶がトラウマになっていた。しかし、Zのカレーは明らかに違うカレーであった。近くにあれば、ローテーションに組み入れても良いくらいである。と言うか、ワシは、ローテーション組んでる暇無いか?

 平岸通りの近くの、LPPの隣の隣にオープンしたのが石焼カレーT商店。石焼カレーは、まさらやと言う店があったはずであるが、何時の間にか無くなっていた。にもかかわらず、石焼カレーT商店である。ビビンバ用の石釜にご飯とカレーを入れグツグツ言わせるのであるが、本当にグツグツなのである。席に運ばれて暫くは、グツグツすぎて手を出す事が出来ないのである。こうゆう提供の仕方は焼きカレーにも似ているが、石焼と言う事で新しいのは確かである。

 H男爵の向かいにオープンしたのがI家の食卓。ここは、店内の作りと言い、カレーと言い、申し分の無いお店です。駐車場が無いのが弱点であるが、H男爵と共に、この辺のカレー通を唸らしてくれること間違い無しである。第一にスープが美味しい。一口食べた時にスープ自体の美味しさがガツンとやってきて、後からスパイス感が程よくやってくる。今流行りの、GやKといったスープの美味しいカレー屋と肩を並べる事の出来る非常に完成度の高いスープだと思う。また、メニューもスープカレーに限らず、カレー通以外にも間口を広くしているのは、店としてはかなりの強みであると思われる。I氏にとっては、スープカレーはあくまで、メニューの中のひとつに過ぎないのかもしれない。

 東屯田通りと南9条通りが交差するところにオープンしたのが黒カレー&うどんのDである。基本はテイクアウトのようであるが、店内で食する事も出来る。黒カレーと言っても。イカ墨や炭を使っているわけではない、ルーカレーの黒カレーである。しかも、うどん屋である。いや、新しい。でもどうだろうか?

 発寒のPと厚別のPjr。元BBのスタッフが独立したお店らしい。先に厚別のボーリング場のPjrがオープンしていたが、スープに関してかなり試行錯誤している感じがあった。本店のPがオープンしてから、行って見たが、かなり普通の感じの札幌スープカレーに落ちついていたようである。チキンは、地鶏を使った「鶏の極み」と言うメニューである。確かに、鶏は美味しい。スープカレーに入っていても美味しいのであるが、この鶏は出来ればカレーに入れずにビールまたは日本酒のつまみとして食べたいなと思ってしまうのである。

 その昔、いやそんなに昔ではない。ミスジャマイカと言う、バーがあったんだけど、そのバーが閉店してしまって、その跡にオープンしたのが未来カレーKである。カレー的には、濃厚な北インドカレーというところか。カレーの輪郭がしっかりしていて、酒飲むときのつまみには、丁度良いインドカレーである。そう、このカレーは、ご飯を食べるためのカレーではなくて、酒を飲むためのカレーである。酒を飲むためのスープカレー屋(ALAL等)もあるが、また、新しいカレーの世界が開けるようなそんなカレー屋である(あれ、カレー屋じゃないか?)。だから未来カレー?

 北18条の駅から西に2丁ほど行った所の小路の中にオープンしたのが、その名もS。また、新しいインドカレーのお店である。有る情報では北24条付近にあったインドカレー屋のシェフが復活した店との噂がある。狭い小路には二台ほど車を停める事が出来る。これは、あくまで停める事が出来るであって、二台分の駐車場があるという意味ではない。階段を上って二階の入り口から入ると結構店内は狭くて、カウンターとテーブルが4つほど置いてあるだけである。チキンカレーを注文する。日替わりカレーの、ダルカレーが、結構気になるが、始めてなのでやはりチキンカレーである。割とスパイス感の有る美味しいインドカレーである。以前北24条付近のカレー屋で食べたカレーとは、違うような気がするが、美味しいカレーであることに変りは無い。カレーの種類は多くは無いが、夜の営業ではスープカレーを提供するらしい。最近のインドカレー屋さんは、スープカレーも美味しくなっているので、侮る事が出来ない。

 西野のビックリドンキーの交差店を、小林峠方向に向かって暫く行くとRがある。この店は、かつて電車通りでRと言う店をやっていたマスターが、その後石狩でRをオープンして、再度西野でRと言う店をオープンしたと言うマスターのお店である。3軒目なのでスープの種類が3種類以上有り、何を選択するか迷ってしまう。スープの種類がそんなに必要かどうか、かなり疑問であるが。どのスープも美味しいので、まー「はずれ」は無いと思う。ただし、具材に関しては、値段対豪華さを(いわゆるコストパフォーマンス)考えると、今のスープカレー業界の中では、貧弱かもしれない。その辺は、マスターに伝えておいたので、改善されているかもしれない。

 お母さん印ふつうのUカレー。北5条店を偶然見つけてしまい。思わず食べてしまいました。昔、友人がこの辺に住んでいて、よく海苔弁を買っていた思い出がある(海苔弁が一番安いので)。何の変哲も無い普通のルーカレーです。「給食のおばさん」で親しまれ、給食調理員で35年以上のキャリアを持つお母さんが、家で子供に食べさせていたカレー、だそうで、美味しいのか美味しくないのか???微妙なところだと思います。だけど、500円で食べられるカレーとしては、充分美味しいです。1日50食しか用意できないそうなので、早めの来店がよろしいかと・・・。50食完売するのかな?

 南9条通りの元R96があった店舗の隣にオープンしたのが、I8丁目食堂南9条店。元R96が有った店舗は、かに屋さんになっていました。中に入ると1階にはカウンターと、テーブル席が、2階にはテーブル席が幾つか用意されている。店内の造り的には、R96とあまり変わらない造りである。1階にタンドールがあり、タンドールから立ち昇る煙が、2階席に蔓延していた。カレーはI8丁目食堂と変わらないが、メニューが若干違うのと、価格が高めになっていることが相違点である。I8丁目食堂は、価格の安さが大きな魅力であるが、南9条店はそうではないらしい。非常に残念である。あと、ナンはかなりクリスピーで美味しい。本店でも確かそんな感じがしていたので、本店でナンを焼いていたシェフがこっちに来たと考えると、本店のナンがちょっと心配である。

 カレー屋のオープンは、今年は少ないなと思いながら過してきましたが、数えてみると35軒も有りました。

 カレー文化は、全然衰えていませんね。嬉しい事です。

 ただし、35軒中スープカレー屋が11軒、インドカレー屋が10軒と、大分おもしろい状態になってきている気がします。札幌のカレー文化が、ますます混沌として行くのが、今年も見られそうで楽しみです。なかでも、スープカレーを経験した新しい世代が、新しいカレーをどんどん生み出してきてくれるのが、うれしい限りです。

 2011年は、新しい世代=ニュージェネレーションのカレーが台頭してきた年ではなかったろうか。

 今年は、もっと台頭してきて欲しいです。

 それじゃ、また。

2012.1.3