山椒は小粒でもぴりりと辛い2021

文 村上 義明

「さんしょうは」と入力したところで、日本語の変換候補に「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という変換が表示されてしまう。(MSのIME使用)
これは、辞書の中に既に「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という言葉が入っているということである。辞書デカそうだなと思うのはわしだけかな?

昨年は、支店やカフェ系のスパイスカレーなどピックアップされたお店を数えても、29店とかなり少なめになっています。

COVID19の緊急事態宣言などの影響で、思い切ったことができない状況であったため、少ないとは思っていましたが、思ったより少なかったと思います。
このような状況で、新しくお店をオープンするのはかなり厳しいとは思います。

ここで、ピックアップしたカレー屋さんの新店も、10件だけ。少なっ!!
だけど、この10件はなかなかいい感じです。なので、山椒は小粒でもぴりりと辛い(「さんしょう」しか入力してない)。

①北18条のOカレー(ルーカレー)
 函館に本店があるルーカレーのお店です。カレーの種類は2種類で、チキンカレーと牛筋カレー。チキンカレーにはノーマルと、チキンレッグが乗ったWチキンがあります。この辺は、スープカレーライクにチキンレッグを乗せてみたのだと思われますが、必要か?って感じです。レッグを乗せればボリューム感も出るし、実際に食べれば食べ応えもあるでしょうが、ルーカレーなら食べにくいし(スープカレーが食べやすいかというと、そういうわけでもない)ちょっと違う気もします。その辺は、ルーカレー的にどうするか、もちょっと考えてほしいところではあります。値段は、およそ¥1000前後で具材との絡みのコストパフォーマンスを考えると、ちょっと高めかな?辛さは2種類あってオリジナルの5段階+ハパネロの激辛5段階があります。ハパネロの5はかなり辛いです。ご飯のLが300gというのは、北大生中心の客層を考えるとちょっと物足りないのではと考えてしまいます。ルーカレーは、あまり値段を高く設定できない(高めの設定にするのが難しい)領域だと思われるので、商売的には難しい一面があるかもせれません。(帯広のインディアンを超えるのはいろんな意味で難しいので・・・)

②澄川のQ(ビリヤニ専門店)
 ついに札幌にもビリヤニの専門店が、できました。各スパイスカレー店やインド料理店などで、ビリヤニの提供がボチボチで行われてきていましたが、ついにビリヤニフリークが専門店を立ち上げてくれました。形態としては間借りですが、期間限定という形ではなく、いつでもそこに行けばビリヤニを食べることができるのです。ビリヤニファンにとってこんなにうれしいことはありません。シェフは、元パティシエ(元といっていいのかどうか、現役のパティシエだったそうです)で、ビリヤニにはまって店をオープンさせたらしいです。チキンビリヤニ、マトンビリヤニ、今日のビリヤニのだいたい3種類のメニューで、2種盛で¥1300くらいになっています。ビリヤニとラッサム、、ライタ、グレービー、カチュンバルとアチャールが付いてきます。バスマティライスも、長くて高級なやつを使用しているらしいです(どのくらい高級か分かりませんが、確かにおいしい気がします)。ラッサムの酸味とブラックペッパーの利き具合が絶妙で、秀逸です。全体的に味の作りが非常にバランスよく、さすがパティシエという感じです。マグロのビリヤニをやったり、トッピング用のマサラカレーを作ったり、非常に前向きで、これからも期待ができるお店です。Qのビリヤニを食べて尻込みするのではなく、よし俺も、という風にビリヤニのお店が増えてくることを願います。

③テイクアウトコロンボ(ルーカレー)
 電車通りのスリランカ風カレーのお店パニカフェの並び(市電山鼻19条の駅前)にオープンしたのが、テイクアウトコロンボ。本来なら新店ということではないのですが、コロンボファンなのでちょっと書いておきます。札幌駅の国際ビルの地下で1973年創業のカレースタンドとして営業しているコロンボが、テイクアウト専門店をオープンしました。ちょっと酸味が強めでサラサラのルーが特徴のルーカレーです。もうすぐ創業50年、藤井さん親子が2代にわたって営業しているお店です。会社員時代にはお世話になりました。ルーだけのテイクアウトだと1食¥450で結構な量のルーが入ってます(具も)。すんごいお得です。これで大丈夫と思うぐらい入ってくるので、逆に不安になります。平日のみの営業ですが(ここが気に食わない、日曜日は買えないのだ)おススメです。

④創作だしカレーH(スパイスカレー)
 北2西24のコーヒー屋さん(ツグミ)の隣にオープン(間借りですが)したのが、創作だしカレーHです。カウンターのみの小さな居酒屋の間借りです。いわゆる大阪スパイスカレー(もしくはインスパイア系)のお店です。木曜~日曜の昼だけの間借り営業です。基本のとりの出汁キーマは、どこかしら甘みのある優しい味のキーマカレーです。基本のとりの出汁キーマと季節物の創作スパイスカレーが、提供されるようです。夏に行った時にはアサリのサンラーカレー、が提供されていました。アサリだしの酸味と山椒の利いたカレーでした。辛さの設定はありませんが、卓上のカイエンペッパーで調節可能です。全体的に塩味が抑え気味で、やさしい味ですが、カイエンペッパーで辛味をちょっと足すと、ほかにスパイスもはっきり前面に出てくるので、是非辛くして食べてほしいところです。季節ごとの野菜がスパイスで調理されてご飯に乗ってきます。シナチクの山椒和えがご飯にぴったりでした。2種のあいがけで¥1650円、食後のドリンク付き(コーヒーかクミンティーか自家製レモネード)です。別料金ですが、ワインもあるようです。席数は5ですが、一人で切り盛りするので、満席になると大変です。

⑤路地裏スパイスカレーT(スパイスカレー)
 店名に路地裏とある通り、月寒中央通5丁目の飲み屋街の中、まさに路地裏にオープンしました。カウンターのみ5席のお店です。駐車場はありませんが、隣の月寒中央通商店街の駐車場がハンコで1時間無料になります。カレーは、鶏むね肉のチキンカレー、チキンレッグのコンフィカレー、ハンバーグカレー、サバカレーなどです。サバカレーおススメです。辛さの指定はありませんが、頼むと有料で(¥100)で辛くしてくれます。基本的には卓上の辛味スパイスと自家製辛味オイル(ラー油)で調整します。自家製辛味オイルが辛いだけでなく香りがあり美味しいです。値段は大体¥1000前後です。カレー自体はリーズナブルな値段なので、夜の営業で酒を出して利益を確保するのかな?などと考えます。コストパフォーマンスも高く、メニューの作り方もいい感じなので、盛り上がってほしいところです。

⑥スープカレーN(スープカレー)
 北29の西6にオープンしたN。古民家というよりは、古い家を改造した店舗です。40年ぐらい前の団地の一戸建て風の民家です。駐車場は店の前に3台、ちょっと離れた駐車場に1台。店の前の駐車場は、冬場は2台が限界かな?(雪かきが大変そうです)。スープカレーマニアが作ったカレー屋さんです。野菜とフルーツでスープをとっています。なので、スープ自体にほんのりと甘さを感じます。動物系のだしを使わないスープです。いわゆるビーガン向けというのでしょうか?野菜しか使ってないのにスパイス感バッチリでうまくまとまっています。動物系のだしがない分、賛否が分かれるカレーかとも思いますが、アリのほうのカレーだと思います。メニューは、チキン、ポーク、牛筋、野菜の4種類。メニューの構成からすると、ビーガン向けではありませんが、野菜カレーならビーガンでもOK。といったところでしょうか?値段はすべて¥1100円台。辛さは10段階、6以上でピッキーヌが入ってきます(¥80~)。ご飯の盛は、小中大特大の4種類、特大で400g¥120円UPです。メニュー構成も考えられている感じがします。昨今のスープカレーとして研究されている部分は認めるのですが、ここでしか食べられないという一押し的な部分が非常に希薄だと思いました。他では食えない一品的なものを開発しないと、今後の継続は難しくなるのではと危惧してしまいます。頑張ってほしいところです。

⑦カレーの子K(ルーカレー)
 中央卸売市場の以前「倉庫カレー」があった場所にオープンしたのがカレーの子Kです。有名スープカレー屋のGやルーカレーのMにいた人がオープンさせたルーカレーのお店らしいです。キーマのルーカレーがベースになっていて、具材をトッピングするタイプのルーカレーのお店です。ベースのキーマカレーは食べやすいルーカレーになっています。ポークカレーの豚は、帯広の豚丼の豚の味付けがされています、なので香ばしい豚丼カレーになっています。シーフードの船長カレー(店名がKだからか?)は、ルーに海老が入り、市場で入手した海の幸がトッピングされるようです。辛さは、6番以降が辛いとされていますが、8番でも大して辛くありませんでした。値段は¥1100~なので、ルーカレーにしては、ちょっと高めの設定になっています。(観光客値段ということか?)

⑧K咖哩(スープカレー)
 岩見沢の幌向にオープンしたスープカレー屋さんです。以前Pで働いていたK君のお店です。駐車場は店舗の周りに4,5台分の駐車場があります。値段は、大体¥1000前後で、コストパフォーマンス高めです。スパイス使いや塩加減は、Pのカレーより上品かつシャープになっている気がします。辛さは0~100で、大体Pと変わらないようです。特筆すべきは、副菜(豆皿)が、細分化されて品数が多いこと、しかも更に安いこと。惣菜(豆皿)を全部頼んで並べてもらうと、それだけで日本酒が2合くらいは軽く行ける酒のつまみになっているところである。昼間だけのお店(16時まで)なので、酒のつまみにするのは難しいところではあるが、ぜひとも惣菜チャレンジをお勧めします。(あんまり頼まれるとカレー本体の仕込みに支障が出るかもしれないので、迷惑かもしれません。)札幌からドライブがてらちょうどいい感じかと思います。

⑨スープカレーHだけ(スープカレー)
 南2西8のメルズダイナーの昼の営業が、「スープカレーHだけ」というスープカレー屋になってます。デリーライクなスープカレーで、辛さは1から10までで6以降が有料になります。6でぼちぼち辛くて、10で辛いです。メニューには白目になると書いてありましたが、全然白目にはなりませんでした。¥1000でこんなおいしいカレーが食べられるのは貴重です。デリーファンには超おススメです。駐車場はありません。向かいのセブンイレブンの駐車場に止めるのは迷惑なので、近くの有料駐車場を探してください。店の近辺の迷惑駐車は、店の人間にとって非常に迷惑です。自分たちのせいでもないのに、近隣の住民から文句を言われます。店のことを考えるなら、チャンと駐車場に入れましょう。店のことを考えないのなら、そんな客は来るなと言いたいです。これは、「スープカレーHだけ」の話じゃなくて、一般的な迷惑駐車の話でした。すいません。

⑩南円山のCクラブ(スパイスカレー)
 南6の西23、、南円山の住宅街にオープンしたのがCクラブです。住宅街の更に中小路の奥のアパートを改造した店舗です。駐車場はありません。近くのコインパーキングを使用してください。駐車場の利用でドリンクが付きます。カレーは、スパイスカレーが3種類。サバカレー(サバキーマ)、ラムキーマカレー、チキンビンダルー。2種盛で¥1200,3種盛で¥1500。アチャールや福神漬け、ウズラの玉子などの副菜が付きます。辛さの指定はありません。チキンビンダルーは、クローブが効いていてスパイス感バッチリ、一押しです。チキンレッグのトッピングが¥250。チキンレッグトッピングで札幌スパイスカレーの出来上がり。¥300でスパイスチキンスープも付けられます。夜10:00までやってるので、カレーで一杯おススメです。

ルーカレーが3店、スープカレーが3店、スパイスカレーが3店、ビリヤニ専門店が1店、10店しかないけど、いつもの年より倍の濃さのような気がします。
特に、ビリヤニ専門店なんていう新しいジャンルが増えたのは、特筆すべきところだと思います。
軒数は少ないけど、今後も期待できそうなお店がたくさんあるっていうのはいいね!
山椒は小粒でもぴりりと辛いって思います。

それじゃ。また

2022.1.2