さよならKAYA2018

文 村上 義明

 現在 クィーンのフレディーマーキュリーの自伝的映画「ボヘミアンラプソディー」が大ヒット中である。元バンドマン?のワシとしても、ついつい間違えて?見に行ってしまいました。ラストのライブの映像は確かに感動的でありましたが、ワシ的には「ボヘミアンラプソディー」制作中の合宿の部分が、すんごい気に入ってしまいました。そうそう、バンドってこういうもんだよねーみたいな。バンドって楽しいよね?

  かれこれ、25年位前、わしも、レゲエバンドをやっていました。当時入り浸っていたレゲエバーのKAYA。そこで意気投合した、てっちゃん(初代ベーシスト)とKAYAのマスターとパオさん、ドラムの高橋Jさん、GのヨシャとVoのカッチン(現スタジオMIXのオーナー)とワシ(最初はキーボードで加入)で、レゲエバンドを結成。でも、誰もレゲエバンドなんてやったことが無くて、全然レゲエになんなくて、四苦八苦。そのうちテッチャンが、会社辞めて東京に戻って、わしがベースに転向したり、キーボードの原田君が加入したり、ヨシャとカッチンが抜けて、平岩さんと高井君が新たに加入して、太郎ちゃん(SAX:現スカンピンオーナー)が、バンドに入れろってKAYAに殴り込みに来たり。ジャー板垣さんがパーカッションで加わったりと、当時は、楽しいバンドライフを過ごしていました。その後も、メンバーの入れ替わりがあったりして、KAYAの二人が、島根の松江に戻ることになり、バンドは休止に・・・。二人がいなくなった後も、細々とバンドを続けようと思ったけど、今度は、カレー屋の仕事で、わしが忙しくなって、バンド活動は、休止せざるを得なくなってしまった。バンド休止から10数年、去年の春、太郎ちゃんのパン屋スカンピン(増毛)を訪問。なつかしさで、涙かちょちょぎれました(嘘)。そうこうするうちに、夏に松江のKAYAから、閉店のお知らせが届きました。

 マスターとパオさんが、札幌のKAYA を閉めて、松江のKAYA をオープンさせてもうかれこれ10年以上。いつの間にか10年の月日が経ってしまっていました。ワシは、店に余裕ができたら、いつかは、松江のKAYAと思っていたのですが、店に余裕どころか、2店舗から1店舗に縮小しての再出発となり、やっと最近1店舗状態で余裕ができてきたところ、2店舗時代に背負った借金もまだ残っている・・・。残念ながら、松江のKAYAに行くことはできませんでした。

 KAYAが無ければ、村上カレー店プルプルも存在しなかった。そう言い切ってもいいと思う。カレー屋をやろうと思ったとき、カレー屋を始める時、カレー屋を始めた時、常に相談に乗ってくれたのはKAYAのマスターとパオさん、そして当時のバンドメンバーだったのです。KAYAバンド(ボンボクラット)が無かったら、村上カレー店プルプルは、あり得なかった。感謝!!!さよならKAYA、ありがとうKAYA、KAYAバンザイ!!

 前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ2018年の札幌カレー屋新店レポートを始めましょう。

 去年は、カレー屋の新店は少なかった。残念です。その分、既存カレー屋に行ったり、カレー教室に参加する余裕があったのだけどもね。

 ここ数年、新しいカレー屋ができる件数が減ってきている気がします。カレー屋が儲からない。という正しい情報が世間一般に熟知され始めてきたのか?正しく言うと、儲かるように工夫しないとカレー屋は儲からないのである。ただカレー作って儲かるほどカレー屋は楽な仕事じゃあないよということである。

 それじゃ、ここからは、1軒1軒のレビューをしていきます。

 ①CURRY YA A○○○
  北18条の北大近郊にオープンしたお店。スープカレーの他に焼スープカレーがあります。チキンのスープカレーで¥1200前後、北大周辺にしては、コストパフォーマンスが低めです。味とか盛りとか特に突出したところが無いので、心配になります。スープのスパイス感はそこそこですがスープの量が少なめなのが気になります。原価を考えると、このくらいがペイラインのなのかもしれませんが、北大生がこれで満足するとは、今一つ考えられないかも。焼きスープカレーは、野菜のみのスープカレーにチーズとバケットを乗せて焼いたもので、話のネタ程度というところでしょうか?見た目は、鍋焼きスープカレーで熱々です。焼きスープカレーの辛さは3番固定で辛くないです。辛さの指定は1~7ですが、辛口の5では辛くないです。7~青南蛮が入るそうですので、辛い物好きは7以上が必須と思われます。ご飯の量は、普通盛で200gと標準的です。

 ②インド料理R(東苗穂の道銀の裏)
  雁来の近くの東苗穂の道銀の裏のマンションの1階にオープンしたのがインド料理Rです。インド人のシェフと、その奥さん(日本人)とそのお兄さん(日本人)の3人でやっている、アットホームなカレー屋さんです。ランチはカレーとナンとサラダで¥780、セットメニューで¥1000とよくあるインドカレー屋と値段の構成は同じです。スパイス感のはっきりしたトマト味のインドカレーです。激辛の指定をしても、そんなに辛くはないです。夜はタンドール料理とかちょっと増えてセットで¥1500からのようです。夜カレーと酒でも飲みながら食事をするにはいいお店だと思います(元が居酒屋の店舗なので)。因みに店舗前の駐車場は1台だけです。他の駐車場は店の人に聞いた方がいいかも。

 ③CURRY&Times C
   発寒11条3丁目にオープンした洋風カレーのお店です。コクのあるルーカレーが食べられます。ビーフカレーとポークカレーの2種類です。辛さは、甘口、中辛、辛口の3種類です。ビーフもポークも手間暇かけたと思われるゴロゴロとした肉がこれでもかと入ってきます。カレーポットとご飯で提供されます。今時、カレーポットが見られるのは貴重です。シェフが一人でやっているので、混まないように食べに行く技が必要かと思います。

 ④新十津川のYY屋(期間限定)
  奥芝新十津川の跡地に夏から10月31日の期間限定でオープンしていたカレー屋さんです。スリ狂LIKEなスパイス系のスープカレーのお店でした。店主のY氏はほぼ独学で、スープカレーを作っていました。独学とは思えないほどの完成度の高さでした。いつの日かY氏がオープンする新しいカレー屋さんに期待したいです。

 ⑤ML発寒
  イオンモール札幌発寒にオープンしたMLのカレー屋さんです。ドライカレーとスープカレーの2種類が楽しめるお店です。スープカレーの辛さは、8番で+¥150でピッキーヌも入ってきてそこそこに辛いです。最近のカレー屋さんにしては+¥150で十分辛いのは、お得な方です。チキンカレーも¥980(外税)で安い方です。ただちょっとスープの量は少ないかもしれません。味的には標準的な札幌スープカレーかな?

 ⑥亜細亜キッチンG
  北大の南門近くにオープンしたタイ料理のお店です。カオマンガイ¥600、グリーンカレー¥500、ガパオセット(おかず2品付き)¥800で留学生に人気のお店です。いかにも北大近辺のお店です。コストパフォーマンス高すぎです。これだけコストパフォーマンスが高いと、潰れてしまわないか心配になります。カレーの辛さの指定はありませんが、注文時に辛くしてなどとお願いすれば大丈夫なようです。(日本語おかしいか?)タイカレーのペーストも手作りだそうです。料理教室とかもやっているようなので、要注目?因みにRちゃんはGOPのシンさんの友人です。

 ⑦カレー屋 T
  北15条の西3丁目環状通からちょっと入ったところにオープンした、ルーカレーとキーマカレーのお店です。基本のTカレーは、スパイス感強めのルーカレーです。キーマカレーは、パンチを抑えた優しい味のキーマカレーです。辛い物好きにはTカレー、苦手な方にはキーマカレーということだと思います。辛さの指定はありませんが、卓上の辛みスパイスがちゃんと辛いので、いくらでも調節可能です。ただし、ちゃんと辛いチリパウダーなので、辛くないチリパウダーになれている人は注意しましょう。2種類の合いがけが¥950なので、お勧めです。2種類のカレーと付け合わせの玉ねぎの酢漬けをぐちゃぐちゃと混ぜ合わせて食べるのがお勧めです。因みに店主は、ミュージッシャンらしいです。

 ⑧裏参道のA屋
  チキンと野菜のカレーで¥1000くらい。チキンは鶏モモのブロックです。スープカレー屋としては安めの値段設定です。野菜はイモニンジンかぼちゃなど、有りがちな野菜が入ってきます。辛さは4まで無料、5,6で+¥50、6はボチボチの辛さでした。スープは、塩ラーメンのスープにスパイスを足したようなシンプルなスープです。あっさり系です。最近やっているところを見たことが無いので、営業しているかどうかわかりません。

 ⑨栗沢町のB屋
  栗沢町の結構山奥にあるカレー屋さんです。スープカレーと合いがけのスパイスカレーと定食のお店です。春から11月末の営業です。辛さは、0辛から5辛までですが、5辛でもそんなに辛くはないです。スープカレーは、シャバシャバ系のインドカレーでホールスパイスがそのまま残っていたりします。スパイスカレーも十分スパイシーで、なかなか良好でした。ご飯は、雑穀米にターメリックが振りかけてあったりして、ちょっと面白いです。値段もそんなに高くはないですが、夏場でも平日やってないことがあるらしいので、訪問時は確認が必要かもしれません。わざわざ行ってやってなかったら、途方に暮れてしまうので・・・。

 ⑩スープカレー&カフェ SS
  南13条西14丁目にオープンしたスープカレー&カフェ(?)です。チキンカレーで¥1200と今の平均的?な価格です。野菜もカボチャや枝豆などこれでもかと入れてきます。味的にはトマトベースのらっきょ系のカレーにカレー粉を足したような味です。辛さは6~10で、¥100UPでピッキーヌが入ってきます。10はそこそこ辛いので、良いかと思います。ご飯は、普通で200g、小盛で150gと割と良心的です。お子様カレーが¥100でやりすぎです。隣にデストロイヤーがありますが、ケンカを売っているわけではなさそうです。

 ⑪琴似に移転してきたGカレー
  函館から琴似に移転してきたGカレー。基本のスープカレーと、キーマカレーとインドカレーの3種類があり、インドカレーにはバターチキンやカシミールのGブラックや、スリランカ系ココナツのフィッシュカレーなどがあり、カレーマニア延髄のお店になっています。カレーは全品¥1000以下で今の時代、天使のような存在です。カレースープはちょっとコリアンダーが強めのスパイス系のカレーです。辛さの指定は激辛の5まで無料です。5でも食べられない辛さではないので、辛い物好きは、容赦なく5を頼むのをお勧めします。キーマは、スープに比べるとスパイス控えめですが、土鍋で熱々で出てくるので、こちらもお勧めです。コフタもあらびきハンバーグ見たいで美味しいです。新店というよりは、老舗に近いのかもしれませんが、札幌のカレーマニアには新店としてお勧めしたい店です。

 ⑫北海道スープカレー Y
  南9条通りにオープンした北海道スープカレーの専門店です。スープはトマト味の強いスープです。チキンで¥1180(税別)で高めの設定です。特にシーフード系は突出して高いです。薄野のラーメン屋さんの様です。辛さは20まで(+¥500)で6以降+¥50ずつUPされていくようです。具だくさんでスープの上にイカの切干と焦がしたチーズが載ってきます。この辺が北海道スープカレーたる所以なのかもしれません。スープの量も少なくてチキンも小さいですが、それを補うようにこれでもかと野菜が入ってきます。お金持ちにお勧めです。

 ⑬長沼町のカレーのS
  スパイス(インド)カレーのお店です。スパイスカレーの2種盛が食べられます。
  カレーの種類は、トマト風味のチキンカレー、ダルカレー、スパイシーサバカレー、ラムボールのココナツカレーです。辛さの指定はありません。カレーの組み合わせにより¥1000から¥1100になります。ご飯の上に玉ねぎのアチャールとパパドが載ってきます。しかも食後にコーヒーまでついてきます。それぞれのカレーが非常に完成度が高いです。特にサバカレーは、ブラックペッパー強めでいい感じに仕上がっています。欲を言えば、辛さを足せるパウダーやペーストがあると、嬉しい所です(でも馬鹿みたいに辛くしたら、カレーのバランスが崩れちゃうから要注意だよな?)。長沼のカレーレベルが一段と引き上げられた感じがします。ここも非常にお勧めです。遠いけどね!

 以上13店と、今年はかなり少なめですが、スパイスカレー系のお店とか、今後の伸びしろが楽しみなお店が数店あり、何故かさビしい感じがしません。この調子で行けば、来年はもっと有望なお店が沢山出来てくる様な予感がします。

 これ以外にも、去年はサボイの復活があったりして、いい感じだったと思います。

 2018年は、希望の光が見えるいい年だったのかもしれません。
 今年も良いカレーライフが送れますように!!
 それじゃ、また!!

2019.1.2