2004札幌カレー新人賞は誰の手に?

文 村上義明

 スープカレーブームは、止まらない。次から次へと新しいカレー屋が、誕生している。

 今年に入ってどのくらいのカレー屋がオープンしたのだろうか?毎週食べ歩いたとしてもなかなか追いつけないのが現状である。カレーファンにとっては嬉しい悲鳴である。

 今回は、今年になって食べ歩いた店を振り返ってみよう。

 まず、山の手のC。赤カレーと白カレーがあった気がする。スープのコクも十分で、ちょこんと乗ったゆずが良い味を出していたのが忘れられない。トマト風味の赤カレーも良いが、地鶏のダシがストレートに出ていた白カレーの方が分かりやすい気がした。ちなみに、この店の、一本裏の通りに、中古オーディオの専門店が有る。プルプルのアンプもデストロイヤーのアンプもここで買った。なかなか良いものである。

 2軒目は、北18条のU。ルーカレーのお店で、札幌に進出してきたカレースタンドである。知っての通り北大周辺は、カレー激戦区である。少し離れたところにチェーン店のLもあり、生き残っていけるのか不安が残る。

 次に北21条のR。ネパールカレーが安い値段で食べられる。ランチなどは何故もっと込まないのか、不思議なくらいである。駐車場も店のうらに完備してありかなりお勧めである。ランチの日替わりにラムカレーが出ることが有って、かなりお得である。

 同じく北21条のN。Rの向かいのカレースタンドである。ルーカレーで安いが、味的にも普通の味なので、結構難しい所かもしれない。何よりも特徴が無かった気がする。(Rとはしごしたので、なおさらだったのかもしれない。)

 新川通沿いのS。どちらかというとインドカレーよりのスープカレー。メニューにはインドカレーもあったと記憶している。立地的にどうなのだろうか?交通量は多いかもしれないが、あの通りで停車する車は少ないかもしれない。

 豊平のC.M。ルーカレーとスープカレーの両方が味わえるお店。ちょっとした喫茶店風の店内。レゲエがかかっていてちょっと嬉しくなる。割と標準的なスープカレー。もう少しオリジナリティーを出せれば、良いと感じられる。ただし、これだけカレー屋が増えてくると、どこにオリジナリティーを出すかが、だんだん難しくなってしまうのである。ガンバレC.M.。

 中島公園の近くのU。この場所は、かつてNと言うカレー屋だったのであるが、現在は、水産会社のカレー屋Uになっている。ルーカレーのカレースタンドである。いかにも水産会社らしいホタテのダシがギュウっと詰まったルーカレーが売りである。シーフードカレーとしては、なかなかの一品である。

 中央区の南1条の電車通りのR。ルーカレーである。ビーフに道産ものを使ったりと色々工夫している。しかし、ルーカレーにしては、ちょっと値段が高めなのがつらいところか?LやM、ココイチの事を考えると、難しい所である。

 札幌ファクトリー近くのT。豚挽肉の納豆カレーなど、意欲的なメニューが揃い期待の星のひとつであったが、最近閉店してしまったらしい。老舗のSやPの常連さんたちが始めた店であったが、上手く行かなかったらしい。残念。

 琴似のH。きれいな店内で味的にはRを意識したであろうスープカレーである。琴似はカレー激戦区の様を呈してきている。なかなかレベルの高い店であることに間違いは無い。温玉納豆カレーなど意欲的?なメニューも有る。もっと琴似をカレーで盛り上げて欲しいものである。

 澄川のS。ちょっと変わった店内にカレーとレゲエ。又少し嬉しくなってしまう。ライスの上にチキンレッグが乗っている。なかなか挑戦的なカレーである。しかも、納豆カレーもあるではないか・・・。なかなかやるな?

 同じく澄川のM。きれいなカフェのような店内。カレーの濃度(玉葱の量かな)が濃厚(インドカレー風)からサラサラ(スープ状)と3段階で選べる。辛さの段階もチャントしていて、なかなかのお店である。ただし、自分の好みの濃度や辛さを選ぶまで何度か足を運ぶ必要がある。メニューもトン汁カレーなど意欲的なメニューが揃っている。侮れないぞM。

 伏古のH。パキスタンカレーのお店である。店内はちょっと小さめのファミレスの様で、かなりきれいである。スパイスや玉葱がたっぷりのパキスタンカレーの店である。最近スープカレーも始めたのであるが、かなりレベルが高い。有力候補であることに間違いない。確認は出来ていないが店主は以前某カレー屋で働いていた方ではないだろうが?恐るべしH。

 中央区のM。以前カレースタンド&バーがあった場所にオープンした店である。狭い店内であるが落ち着いた雰囲気でカレーが食べることが出来る。優しい味のスープカレーである。激辛好きやボリューム重視のカレーファンには物足りないかもしれない。

 中央区のすすきの寄りのP。標準的なスープカレーが食べられる店。最近はすすきの近辺にこの手の店が増えつつある。ジンギスカンカレーなど観光客に食べさせたいようなメニューも有るが、どうでしょう?ちょっと疑問が残るかな?どうせなら海鮮ラーメンみたいに、カニやらエビやらホタテやらコーンやら入れたら観光客に受けるかもしれない。

 同じく中央区のすすきののど真ん中S。長年Mで働いていたスタッフが店長として頑張っている。オープンしてかなりたってから行ったのであるが、かなりの高得点である。スープのコクも十分だし、具材の処理も申し分無い。標準以上のスープカレーである事は、間違いない。さすがO氏。ただし、それ以上のオリジナリティーみたいなものが感じられなかったところが少々残念。インドカレーもあったようだけど、やっぱりM風のインドカレーなのかな?気になるところである。

 中央区は西屯田通りのM。カレー屋というわけではないが本に乗っていたので行ってしまいました。エビのダシがほんわりと効いていて、なかなかの味わい。ただし、基本的にはサーフショップである。わしは、かなり場違いでした。とほほほほ。

 中央区は、今度は東屯田通りのM。マンションの1階に隠れるように店がある。窓が無い店内(無いわけではないのだが、無いに等しいくらいなのである)は、かなり怪しい。うなぎの寝床のような店内に、スープカレー。かなり微妙である。ただし、チキンは胸肉をから揚げにしたりしてなかなか工夫が凝らされていて、味的には悪くは無い。むしろ、おいしいというべきだろう。穴場のスープカレー屋になりそうな予感がする。

 中央区の二条市場のB。仲通の食堂の二階に有るカレー屋。スープカレーとしてはかなりスパイシーなカレーである。しかし、ただスパイシーなのではない、ちゃんと玉葱の甘味なども出ていてかなり良い感じである。ライスにフライドガーリックが乗ってくるのであるが、これが結構後を引く味だったりする。好きな人にはタマラナイが、苦手な人はかなり辛いかもしれない。メニューもキーマやミートボールなどがあり意欲的な店である。がんばれB。

 清田のN。元Aの店長O氏が店長のお店。広い店内にゆったり目のテーブル配置。厨房は奥のほうにある。O氏の作るカレーなので、味は保証付きである。いや、昔よりもスパイスがきつめになっているかもしれない。うまいのである。ラムカレーを頼んだのであるが、串焼きにされたラムがどーんと、スープカレーの上にのって出てきた。インパクトは十分である。値段も高いが(ラムカレーだけ特出している)それだけの値打ちがあると思われる。これからももっと期待が出来そうな店である。ガンバレO氏。

 札幌駅の高架下のZ。ラーメン屋さんのスープカレー。醤油ラーメンベースのスープカレー。やはりラーメンを入れたくなったのはワシだけでしょうか?

 北区は北14条のG。カレー屋とは思えない店内(良い意味で)。広そうな厨房のなかからアツアツのカレーが運ばれてくる。ライスの上にチキン。なかなか斬新なカレーである。カレー激戦区だけにスープのコクも十分である。これから注目して行きたい1店である。

 中央区の医大前のH。南国を意識した店内。スープカレーは老舗のSやRを意識したスープカレー。標準的なスープカレーである。近くに老舗のSがあるが、メニューのバリエーションを増やして、頑張って欲しいところである。名前的には、琴似のHとそっくりであるが。全然関係なさそうである。そう言えば、納豆キーマカレーがあったような気が・・・。

 豊平のC。以前Bというコーヒー屋さんが有った所に出来たカレー屋である。玉葱が一個ゴロンと入っていて、なかなかである。といっても暴力的に入っているのではなく、優しく煮こんだポトフのように入っているのである。味付けもかなり優しいカレーである。

 同じく豊平のT。おしゃれなカレーカフェ。野菜は契約農家から独自に仕入れているらしい。こう言う取り組みは、今後必要になってくると思われる。うちもそう言うことがしてみたいけど、原価を上手く押さえられるかどうかが問題なのである。

 西岡のP。スープカレーとインドカレーが味わえるお店。ランチのインドカレー(ラム)を食べたのであるが、薄めの味付けでなかなか言い感じである。カレーにはサラダとチャパティーとライスがついてくる。最近はどこ言ってもスープカレーばっかりで、インドカレーにはなかなか出合えないで残念だったが、こう言う店が出来るとちょっと嬉しいものである。ただし、普通の人にはもう少し塩味を強くしないと、スパイスの味で食べさせるのは難しいかもしれない。

 羊ヶ丘のC。羊ヶ丘が見渡せる景色のいい店。地鶏を使ったカレーなどがある。観光の時期以外は難しいかもしれない。

 中央区東急ハンズの横のD。出し風味のスープカレー。駅前のSを意識した感じのカレー。ただし、玉葱が串揚げになって入っていたり、和風などという非常におでんチックなカレーがあったりと、かなり意欲的な店である。PやBを脅かす存在になるかもしれない。ただし、ちょっと難を言えば、揚げ野菜が多い為か、若干オイリーだったのが気に掛かる。オイリーなのを嫌う人は、結構多いのである。(ほんとは、そこにスパイスの旨みが解け込んでいるのだけど)

 北24条のM。元ラーメン屋の店内にタンドールが置いてある。元Rのシェフが独立してオープンしたカレー屋である。もちろんインドカレー(ネパールカレー?)。低価格でインドカレーとナンのセットが食べられる。味はもちろん保証付きである。ワシが行った時には、サラダのドレッシングに、青南蛮のドレッシングや、辛いピクルスを出してくれたりと、色々とサービスしてくれました。最近オープンしたカレー屋では、コストパフォーマンスの店ではぴか一のお店である。でも、家賃とか考えると大丈夫なのかなと心配に成ったりもします。フレーフレーM。

 東区の北14条のP。旧石狩街道沿いのナカタの向かい。ちょっと引っ込んだところにあるお店である。席数15くらいの小さなお店であるが、味はなかなかのものである。ワシ的にはDのカシミールのカルダモンを強くした感じだと感じた。聞いてみるとやはりカルダモンが大好きらしいことが判った。まだ、あまり知られていないが、これから人気が出てくると良いなと感じた。ガンバレP。

 ざっとワシが行ったカレー屋だけで30軒も有るではないか、他にまだ行けてない北24条のJなども有り、後二ヶ月弱で更にカレー屋が増えるのではないか。

 はたして、2004札幌カレー新人賞は、誰の手に渡るのであろうか?

 ワシ的には北24条のM辺りが、濃厚なのかなと考えているが、できればスープカレーのお店が受賞して欲しい気がする。

 それじゃ、また。