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Art Nude 2002
2002.3.2 名古屋クラブダイアモンドホール

1.プロローグ

コンサートのために休みを取りつつも、お留守番をすることになった、
"使い魔チョビ"の生き霊を肩に乗せて参加^^
私の肩で観賞の邪魔をしなければいいのだけど……(爆)
いや、きっと大いなる啓示を耳元で囁いてくれるハズ^^

名古屋到着14:30。
サヤカさまと待ち合わせて、開演までの間のお茶とお喋り。
巨大ケーキを突っついて大いに喋った後、会場へ行こうとしたとき、
何を思ったかサヤカさま、名古屋名物"あんこが乗っかったトーストを食べさせてあげる〜"
とのたまい、おなか一杯の私を有無を言わせず別の店に連れていく〜(爆)

目の前に置かれた、あんこのたっぷり乗っかった厚切りトースト!
それを美味しそうにサヤさまはペロリと平らげる(爆)。
「いやぁ、もうおなか一杯で……」
「それにえらい ボリュームやねぇ……」
などと言いながら、私はおっかなびっくりかじってみた。
『ん?………』
あんこの風味とバターの風味が溶け合って……
『美味しいやん!!(爆)』
と、いうことで、サヤカ嬢に"してやったり"の笑みを許すことになったのでした〜。
正式名称「小倉トースト」
ぜひご賞味ください^^

会場に入るとグッズに混じって、it-manが展示されていた。
大きくてツルツル〜。
そして、私の目を引いたのはその傍らの、小さいit-man!
そう、携帯ストラップバージョン!
か、かわいい〜^^
その小さいヤツは、手をそろえてちょこんと台に座っていた〜^^

ロビーにはゆうこ・♪さまの姿もあって、久々のご挨拶などしているうちに、
結婚式場から直行してきたごまさまご到着。
おお!レースの衣装だ〜(爆)。髪は二つに分けておだんご。
さすが結婚式帰り(笑)。

そして、二手に分けれて、いざ、席へ。


2.第一部

私たちの席は2階席。
照明の機材が中央にデンと備え付けられていて、
その両側にきゅーーっと寄せられて席がセットされている。
まるで、テレビの観覧をスタッフ席から覗いているような感じ。
何というか、"こっそりそこに居させてもらっている見学者"のような心境(笑)

鐘の音が響き、続けて開演前のアナウンス。
それが終ると、会場には水の音が……
ステージの先端には一列にライトが並べられていて(ちょうど「一夜限りの伝説ライブ」のよう)
客席に向って光のベールが放たれている。

ステージ下手の上に「Art Nude」の看板。
中央には巨大なオブジェ。
どうやら人の顔のようだ。

水の音に混じって、車の音。
そして、男の息遣い。
「ああ…寒い…」
カサカサというポリエチレンの袋の音。
コンビニで買い物をして道を歩いているような……
すると、「カランコロン」
鉄パイプを蹴飛ばすような音。
「あ痛っ…くそ、工事してやがる…」
男が呟く。
「長げぇんだよ、コレ」
口の中でブツブツと言葉にならないような独り言を呟きながら
男が歩いていく。
やがて、階段を上がって行き、
「ガチャ…」と鍵をまわす音。
ドアの開け閉め。
カバンのファスナーを開ける音。
水か何かをごくごくと飲み込んで、「ハー」と一息ついた後の一言。
「── Life Magic!」(シブイ!)

スイッチがコンっと入ったようにミュージックスタート!
う〜ん、何とも心憎い演出……^^

アコーデオンの音色が響き、情熱と哀愁のアルゼンチン風(?)ミュージック。
金ちゃん始め手の空いているメンバーはフラメンコのように手拍子を始めた。

やがて、歓声に包まれて登場した石井さんは、なんと白衣?
パンフに合わせたの?
もちろん、it-manを小脇に抱えて、まずは下手でごあいさつ。
にーーっと笑いながら、なまめかしい手つきでit-manの首筋をなで上げる〜^^
上手に移動。
またそこでも、た〜ぷりとした間合いで、it-manのお尻をなでなで(笑)。
中央でit-manを床に置き、『そこにじっとしてなさい!』
てな風に言いつけてるジェスチャー。

ポケットに両手を入れたまま、上着の裾をハネ上げずに着座。
手拍子なんかしつつ、しばし音楽に身体を預けていた。
歯切れのいい音に呼応して、頭を左右に振りつつカッコよくエンディング。
もうすっかり音楽と一体化した感がある。

蒼い朝
シナリオ
KISS

まったりしたイントロとブルーの照明。
そう、第一曲目は「蒼い朝」
実はそれほど好きではない(笑)。
ところが生で聞くとやっぱりイイ。歌い方も少しずつ変えられていた。

シナリオ。
前回聞いたときはコメディーだったので(笑)、
今回始めてちゃんと聞かせてもらいました。
イントロでの金ちゃんのテナーサックスソロがむっちゃイイ!
この曲もまた演奏と石井さんのリズム取りがピッタリ合っていて小気味イイ。
ある箇所、フレーズの収め方がまるでガイジンだった(笑)。
♪二人の運命をぬらしてーくー♪
の歌い方が最高にセクシー。
最後の、♪無償に胸を透けてーくー♪ のところの「くー」がいいのです!(笑)
聞いてる方も、『くうぅぅーーーこのヤロ…(笑)』って思っちゃう。

新曲「KISS」。
オブジェにピンクとブルーとパープルがうねった照明が投げかけられる。
恋愛を絡めつつ、社会派の歌詞。
正確じゃないけど、こんな感じ──
♪俺たちは自分らしさを追うあまり、まよう。
すべて砕けて……
綺麗な紙で包んで見えなくすれば、それでいいのか……
面倒なことはさて置いて、
取りあえず、君とこうしてKISSしていよう(←これはかなりいい加減)♪
曲調も男性っぽい感じ。少なくとも女性に受けるように媚びてない。
途中のメロディーが、「Rain Song」を思い出させましたっけ。

MC。
しゃちほこ光る城下町、名古屋。
名古屋のみなさん、お元気でみゃーみゃー(爆)。

すっかり名古屋の文化が出来上がっております^^
この日のMCはある話題をじっくり喋るのではなく、
次々に話題が目まぐるしく変わって、かなりレポ泣かせな内容でした。

今日は最高の出来です。(と、かすれ気味の声で言う:笑)
だから、明日は最低になるかも知れません。
いいことがあると悪いことがある。
今悪い人は、次はきっといいことがまわってきますから。
……でも、そうとも限らないんですが(笑)
《オイオイ…》
二段構えで悪いことがあったりして、……
今最低だから、次はいいかと思ったら、もっと悪くなった〜なんて(爆)。
《なんでそう来る〜?》
人間、バカな顔してた方がいいですよ。
「な〜んにも分かんないの〜」(表情付き)みたいな方がいいですね。
爪を隠すっていうの? その方がいいです。
日本人は昔から、自分の考えを隠す方がいいとされてきたじゃないですか。
それが西洋の文化が入ってきて、自分の考えはハッキリ言いなさい。
ってことになって悪くなっていって、
それで、ムネオハウスとか出てきたんですね(笑)。
《おお!無理矢理そのネタへ〜^^ やっぱり出ました!ムネオネタ^^ 》
でも、言わなかったらこれまた具合悪いし……難しいですね。
しかし、あの建物も本当はいいことやってるんでしょ?
零下600℃のところに建物を建てたんですよね〜(笑)。
僕には関係ないけど……寒いとこキライだし。
アフリカの方にも建てたんですよね?
でも暑いところもキライなんです。
── 寒いのと暑いのはキライ。ちょうどいいのがイイ(笑)。
名古屋は冬はあったかいんですか?
(客席)「寒い〜」
じゃあ、キライだ(爆)

というわけでメンバー紹介。
金ちゃんの時に、金子君が後ろにいるとほっとするんです。
見てる方もそうでしょ?
なんて言っておられました。

アルバムのプロモーション。
いい出来で毎日聞いているらしい(笑)。
一見、素直なメロディでいて、実は考え抜かれたアレンジとのこと、。
始め聞いたときは、もうすこし派手な方がいいんじゃ?と思ったそうだが、
聴けば聴くほどそれが良くなってきたとか。
3曲目の「KISS」もこのアルバムに入っている。

何を思ったか、石井さんはいきなり、it-manに向って
「そこにいなさい! じっとしてなさい!」
こいつが暗い部屋で待っていたりすると、いとおしくて抱きしめたくなりますね。
3日くらいすると飽きるんですけど(爆)。
動きませんからね(爆爆)。
でも、また3日くらい放っておいて、ふと、コイツが壁かなんか見てたりすると、
「ごめんよぉぉ〜。」って駆け寄って裸で抱きしめたくなりますよ〜。
みなさんも買われた方はぜひ、素っ裸で……ハダカの付き合いをしてください(爆)。

そして、オリンピックネタをひとくさり。
非常にまったりした喋り方…^^
石井さんはモーグルの愛ちゃんがいたくお気に入りとのこと。
後ろから行きたくなるらしい(爆)。
何となく分かる、好きな系統よね、多分……^^
……しかし、その割には名前が出てこなかった(爆)
種目ではカーリング!(爆)。
これは東北地方で、漬物石を氷の上に落してしまったのがきっかけらしい(爆)。
その人が北欧に渡り考案したのが最初だとか。
《このウソつき〜:笑》
そんな会場の笑いにムキになる石井さん、
「本当ダッ!」
久々にコレ、聞きました^^

開会式は軍事的な色彩が濃すぎて、あまりお気に召さなかったとのこと。
まったく同感^^
わざとらしく旗を破いてねぇ。
あ、元から破けてたのか…(爆)
ブッシュさんの"MC"も、(←ちゃうやろ〜)
軍事国家の総帥みたいな感じでしたねー。

そして、ようやく曲紹介(笑)。
「アイシュウ」─これは東儀さんが、すごくいいって言ってましたっ。(笑)
この言い方むっちゃ可愛かったデス。
新曲「透明」は、──
友達の中で自分だけ取り残されてるなぁ〜ってありません?
実は、1月に田舎へ帰ったときに、港町なんで、釣りとかしてるんですよ。
おじさんが、親子づれで。
中を覗き込んで、「釣れますか〜?」なんて話し掛けたら、
なんと、同級生だったんです!(笑)
「ああ〜!ケンちゃん」
そいつは番長で、……
あれって、不思議ですねぇ、その小学校当時の人間関係に戻りますね(笑)。
敬語とか使ってんですよ〜、オレ。
息子さんはもう17で、「オイ、挨拶しろ」とか言われて、
「こんにちは」なんて、頭をぺこっと下げてね…
その時に、「ああ、オレ何か取り残されてるな〜」っていう気持ちになって、
みんなもそういう経験ってあるんじゃないかと思って作った歌です。


アイシュウ
予感
透明


「アイシュウ」はイントロにピアノソロを挿入。
日本的なこの曲のイメージと対照的な旋律だった。
そこに、湧き上がるようにポコポコっとした、あのいつものイントロが重なっていく…
これがとても面白かった。
一人で2つの旋律を同時に弾き分けるキーボードの方の技には脱帽でした。
石井さんの背後から赤っぽいスポットが当てられる。
オブジェは左半分が紫。右半分には石井さんに差し込まれた赤が当たっている。
間奏では金ちゃんがピッコロを演奏。これが篠笛のようで郷愁を誘う。
ブレスの箇所を極力減らした、滑らかな歌い方。
この曲、かなり難しいと思う。肺活量が相当要求されそう…。
そして、今回のアイシュウは寄せては返す波のような印象がした。

「予感」──
ドーン……という低音が床を流れ、水音がその上を滑る。
始まりはとても印象的な音づくりだった。
今度はオブジェにブルーのライト。
そして、背後より等間隔に4機のライトより緑の光のシャワーが注ぐ。
と、思ったら、合間より赤のスポットが緑に交差。
この曲は毎回照明が凝っている気がする。
AQI頃からそうだけど、各フレーズのまとめ方が、ASUKAさんっぽい。
(たとえが貧弱だわ〜)
ASUKAさんみたいに濃くはなく、鼻腔を十分に使った歌い方で、結構好き。
♪なんとな〜くいつ〜もと違った〜♪
で、小さく横に揺れる様がカッコよかった。

間奏ではピッコロが効果的に入ってきて、(ソプラノサックスじゃなく)
これが荒野を渡る風のようにいい感じ。
またここでのフェイクでは♪ララララララィ〜〜♪なんていうのも入ったりして、
今回のアートヌードの演奏、音づくりは何処となく男性っぽい感じがする。
これでもか〜って感じでセクシーさをアピールするのではなく、
男性が見ても比較的素直にカッコよさを認識できるんじゃないだろうか。

ごまさまが大好きな、♪深い傷が残る♪
では、5回往復くらい胸を傷つけておられましたが、全体の演出が男性的なためか
やり過ぎな感じはしなかった^^

演奏は低音が聞いている。
曲の終わりにドーンという音が入り、何だろうと注意して見ていたら、
どうやら大儀見さんが演奏しているようだった。
電子的な音で、一体どういう楽器だろう、スチールドラムなのかな。
そして、金ちゃんはベースを演奏。
力強い演奏に石井さんのフェイクも決まっていた。

続いて、新曲「透明」。
曲の始まりとともに、ステージの天井部に設置されたスポットが、
緑の光をまっすぐこちら(客席)へ伸ばした状態から、90度回転。
ステージ直下へと、光が集められていく。
「遠くへ…」のは逆のパターン。
間奏では、ステージから光のベールが放たれて、それが下手から上手へと動いていく。
澄み切った感じのとても清々しい曲。
広がりがあるというのか、どこまでも高く広がる空を思い浮べるような曲でした。

MC
また、ここのMCも長かった(笑)。
まずはご自身の活動について。
昨年はライブに明け暮れた一年だった。
僕の場合、ツアーごと、ライブごとに構成もセットも変えるのでホント大変なんです。
反面昨年はアルバムも出せなかったし、
作品としてみんなの手元に残すものが少なかった。
なので、今年は作品を残す年にしたいと思ってます。
アルバムもあと1枚くらい今年中には届けたい。
とは、言いつつも、僕の場合動いてないとダメなのでライブもやります。
夏くらいにちょっと面白いものを企画してますし、
秋にはツアーも組もうと思ってます。
やっぱりね、「ワーーーーッ!! 」って盛り上がるような
(と、ここで人が変わったような壊れ方をする)
「どうしていいかわかんな〜い」みたいなライブもやらないとねー(笑)。

世の中、嫌なニュースだらけだし、テレビつけても四六時中
「タナカ」や「ムネオ」ですからねー(笑)。

不景気だしね。
リストラも、やればいいと思ってるみたいだけど、
違うんじゃないの?
《そやそや〜!》
日本は外国のマネばかりして、悪いところばかりマネてるような気がするなー。
《ええぞ〜!》
ジジイはろくなこと言わないから。
堂々と間違えますからね、気をつけないと。
《結構辛い^^》

この間イタリアへちらっと3日程行って来たんですけど…
会場:笑い。
すごいスケジュールでしたよ〜。朝、5時に起きまして、
フィレンツェの小高い山にある朽ち果てた寺院で撮影したんです。
そこは町の人たちでお金を出し合って作った寺院だったんですけど、
お金が足りなくなって屋根が出来なかったんです。
建物は出来てるんですけど、屋根だけないという、中途半端な…
オレみたいな寺で…
《まあ、何をおっしゃる〜》
マイナス14℃ですよ。
そこで、「はい、石井さんゆったり座ってください」
なんて言われてもねぇ、ゆったり座れますかって!
歯の根が合わないっていうの?
歯がガタガタ鳴るのが4キロ先まで聞えてましたから(爆)。
あのね、川の底まで凍ってるんですよ!
魚まで凍ってるんですよから!
客席:え〜?(疑惑の視線)
いや、それはウソですけど…(爆)。
でも、川が凍ってるんだから魚も凍ってるでしょうよ〜!

本当に苦労して撮影しました…。
でも、苦労したからってイイモノができるかというと、そうでもないよねー(笑)。
《おいおい》
一生懸命着実にやってたら必ず夢が叶うよ。
なんてこと、オレ言えないですよ〜
着実にやってたら夢なんてつかめないですよ。何か不正やらないと(爆)。
これが小学生とかの前だったら、「夢はかなうよ。」って言うんですけど、
皆さんは大人だからそんなことは言えません。

アンリ・ルソーっていう絵かきがいたんですけど、
郵便局員で、40歳で絵を始めて50歳で絵かきになったんです。
彼はとにかく一生懸命やったんですね。
でもデッサンとか狂ってるんです。
だけど、味があったんです。
それで、ピカソとか巨匠に面白いってことで認められて、
60歳で彼は巨匠と呼ばれるようになったんです。

それは簡単にはいかないと思います。
でも、「これがやりたい。」っていう夢があったら、
捨てきらないで、ちょこちょこっとやっとくと、
ひょっとしたら、ある時間を経て、
叶うこともあるかも知れない。
「夢は100%叶う」とは言わないけど、捨てきらなくてもイイ。
……ってカ〜ンジ〜(笑)
この言い方最高だったの!

何かを一生懸命作ったとして、認められたいっていう期待を
顔に出さないほうがいい。
「どうですか、コレ?(表情付き!)」
(差し出した作品から)30センチくらい顔が横に出てたりして(笑)。
こういうのはよくないみたいです。

そこで、ふと客席に目をやり、「大丈夫ですか?半袖で?」
女の人は大変ですよね。あまり温かい格好もできなかったりするじゃないですか。
《ううっ、耳が……痛い^^ 何とかシャツを手離せない私……^^》
花粉症とかも大変ですよね。最近花粉がたくさん飛んでるみたいで、
打ち合わせをしてても、仕事になんないんですよ。
僕は花粉症じゃないんでその辛さが分からないんですけど、
アレ大変なんですよね。
金子も花粉症で、もう大変。
彼はきっと今日はもう集中力ないですよ。

スポットが金ちゃんに当たる〜。
《照明さん最高!》
場内拍手〜^^
金ちゃん、「ヤメロよ〜」てな風に手を振って、客席の笑いを誘う。

この間、ミナコのコンサートに行って来たんですけど、
兄妹だと良く分かりますね。
何をやっちゃいけないかってことが(爆爆)
でも妹は陰湿なところがないから、いいんですね。
みんな近づきやすい…
でもオレは極悪だから…近づいたらナイフでも出すんじゃないかっていう…(爆)

本当は純朴なんですけどネ…
それでいて、……誠実……(爆爆)

(このあたり、笑いっぱなしでした!)
でも、誠実の『セイ』は"りっしんべん"なんですけど〜
客席:爆笑〜
石井氏、後ろを振り返ってゴメンと謝る(笑)。

と、喋りつつも、もう最後の曲になってしまいました。

客席:えーーー。

嬉しいですね。「えーーー」が来るうちはまだ大丈夫って思いますね。
これが拍手なんかされちゃうとねぇ(笑)。
次の曲は米米の曲で、一番売れたアルバムからの曲です。
当時600万枚くらい売れまして……いや、400万枚だったかな……
200万枚だったっけ? まあいいや(笑)。
ソロになって2年くらいは、できるだけ米米を出さないようにしてた時期がありましたね。
テレビなんかに出ても、打ち合わせで、なるべく米米の話題は出さないように
お願いしたりしてました。
でも、こうやって単品で(笑) 仕事してると、
今では本当に米米やってよかったなって、
米米を誇りに思えるようになりました。
その米米のアルバム「Octave」から、「Eことあるサ」と、新曲で「On My Own」
これは、自分独りでっていう意味があります。

ということで曲へ。

「Eことあるサ」は久しぶり〜。
これ、FM802成人式スペシャルのときに、私、
気合い入れてリクエストしたんだけど、
それで、インプットしてくれたわけじゃないよねぇ〜(笑)。
照明がすべてつき、晴れやかな雰囲気の中での演奏だった。
軽快なリズムが小気味イイ。
曲に合わせた身のこなしも素敵。

そして、新曲「On My Own」。
これが、また!(爆)
いいじゃないですか〜〜!!
イントロで水を飲む石井さん。
歌い出せばとても雄大な歌。
サウンドは「草原の日〜風〜」のような、笛の音が清々しい。
(あの楽器なんていうのだろう……その音色をキーボードで演奏してるんだけど)
歌詞はこんな感じ…

♪雲はどこにゆくのか、心はどこに。
さいはてを目指して
この道は続いていく

迷いのない人なんているはずがない
この苦しみ癒せないものなのか

水平線の彼方に何があるというのか♪

ここで「トリトン」を思い出してしまったバカな私…。

これも力強い演奏、そして歌で大変感動的だった。
歌い終わって退場する石井さん。
客席からは大きな拍手。
さらに演奏は続く。
これがまた素晴らしかった。
演奏が終って、再び長く、大きな拍手。
始め、淡々と楽器をしまっていたメンバー。
多分、いち早く金ちゃんが客席の雰囲気に気付いたようだった。
そして、メンバーが立ち上がり、客席に一礼。
退場していった。
とてもあったかい客席だった。


10分休憩


3.第二部


休憩の間にオブジェが回転。
顔部分が下を向き、客席には頭の部分が向けられる。
後頭部が突き出た格好で、ちょうどこちらを向くとEggの形ダ。

オブジェ背後からスモークが流れ出す。

これで、ぱっくり卵が開いて中から出てきたらいいのに。
サザエさんみたいに。
などと、のたまうサヤカ嬢(笑)。


石井さんは、下手より大またでスタスタと歩いて登場。
衣装は前回のアートヌードで着ていた黒い衣装だ。
飛び散った絵の具もそのままで、それは、彼の奮闘の証しでありました。

開口一番、
「どもっ!」
「それじゃ、第2部〜〜」
それにあわせて、指を二本、客席にアピール。
声を合わせて「第2部〜〜!」を叫ぶ客席に、石井さん苦笑い。
「やっぱり、テレビ世代ですねー」

ということで、早速オブジェへ向う。
なんと、パステルを取り出して下書きを始めた。
これは初めてだぁ。
途中パステルが折れて飛び散る。
折れたパステルを投げ捨てる石井さん。なかなか激しい…。

今度は濃い緑の絵の具をとり、大胆に塗り始めた。
まん中あたりを始め所々白く残して緑を塗っていく。

バケツの中から取り出した塗らした布を、そこへ貼っていく。
着物の歯切れのようだった。

貼り付けるときの横顔が、もう自分の世界に入っている感じ。
子供みたいで、遊んでるようでもあり、
恐ろしく真剣な表情……。

さらに白を混ぜて薄い緑を重ねていく。
大胆に絵の具をこぼし、幾筋もの絵の具が垂れていく。
かと思うと遠くから筆を振って絵の具を飛ばす石井さん。
描き方もラフで男らしい感じ。

インプルビゼーションで今回特徴的だったのは、般若心経が
入っていたこと。
今回のテーマとも関連ありそうだ。
しばらく、キーボートとギター中心の演奏だったが、
中盤以降に初めて金ちゃんがソプラノサックスを手に取った。
もしかして、今日始めて演奏するんじゃ?
かなりはっきりした音色だけど、これがうまく溶け合う。
サックスのピアニシモって、息のコントロールが難しいに……

残された白い部分に今度は黒を塗っていく。

中央はどうするのだろう?
ごまさまは、すでに念を送っていたらしい(爆)。
私は白かと思ったけど、塗り出した色は名古屋らしいゴールドだった〜。
そっか、名古屋といえば金だった^^
境目に黒、そして、細筆で赤を入れる。
手を使って塗ったりもしていた。

このあたりから少し石井さんが迷い始めたような……

一瞬動きを止めてEggを見つめる。
何を思ったのか、石井さん、白い袋を破って、広い容器に搾り出し始めた。
……何だろう?
そこに、何か粉っぽいものを多量に混ぜていく。
そして、取り出したのが塗り壁をする時のあの道具。
何ていうんだろ?
そして、壁を塗るように、その中央と周囲の黒い部分にダイナミックに塗り始めるではないですか!

いやぁ、これにはびっくりでした。

ステージから向って右手の側面にパステルでサインをして、
一瞬作品を眺めてから、一礼。
退場していかれました。


すぐにその衣装のままステージに登場。
作品の名前は「破卵(波卵?)」

必ず「卵」という字を入れているのだとか。

以前までは、作品としてきれいにまとめよう。という思いが働いていたけれど、
そういうのもすべて取り払って、自分のやりたいようにしてみたい。
ということで、今回、絵の具だけでなく新聞紙やいろんなものを用意してもらったそう。
"でたらめ"が気持ちいい。というか、夢中に"でたらめ"をやってみたい。
と思ったそうです。
今日本は、完成された綺麗なものだけがもてはやされているけれど、
いい意味での"でたらめ"が少なくなって面白みのない国になったのではないか──。
そんなメッセージも込められての作品だったのかも知れない。

ということで、最後に1曲。
「あなたに」
オブジェの前に座って歌い始める石井さん。
絵の具に汚れた服、そして、真っ赤な左手の手のひらがなんだかイイ。
最初軽く脚を開いていた石井さんが、歌いながら切なそうに脚をクロスさせ、
身をきゅーーっと絞ったような格好になった。
……入ってる感じ。
やがて、曲の後半盛り上がるところで、思わず感情の高まりとともに
立ち上がる。
ごく自然な感じだった。多分、段取りではないと思う(←この時はそう思えた…)。
そこからの歌はもうただ目を見張るばかり!
すごすぎる!
時に、しゃがみ込まんばかりに身を屈めたかと思ったら、
またスッと立ち上がる。
再び小さく身体を折る……
もう全身全霊すべてを注ぎ込んで歌っている感じ!
間奏のところのフェイクがこれまた最高!
こんなにもこの曲で感動するとは予想だにしなかった。
そして、最後は丁寧に♪あなたに〜〜♪
続けて、なんと、……歌詞を変えて、♪ありがとう〜♪
おお〜!!そう来たか〜^^
(以後、4回アートヌードを見たけれど、この時の「あなたに」
は最高中の最高でした^^)

歌い終わると、石井さんは客席に力強く「ありがとう!」と手を振って退場していかれました。
もちろん、it-manをかかえて(笑)。

だた、ただ、参りました……^^
すべてのパフォーマンスを称える拍手がいつまでも鳴り響いていました。