D-DREAM TOP Live(index)

D-DREAM
DRAGON DREAM ORCHESTRA 2001
2001.12.21 ザ・シンフォニーホール

NOSTALGIA
手紙
ひだまり

MC

LEGEND
believe me

TALK
(ゲスト:Char
Longing distance by Char)※タイトル?
水の星

浪漫飛行

TALK(ゲスト:東儀秀樹)
NEW ASIAby 東儀秀樹)
言の葉

古都
アイシュウ
春雷

遠くへ

想い

<ENCORE>
燕になりたい(by チェン・ミン)
FAR AWAY
あなたに


カーテンコール

きよしこの夜

1.開演まで

余裕を持って会場へ向ったハズが、途中、桃チュウはんと二人、化粧直しにまったりし過ぎてしまった〜。
気付けばすっかりイイ時間。
慌ててタクシーで行くっことに。
空車がなかなか見つからずに焦る焦る……。

そんなこんなでバタバタで会場へ到着。
着いてみるとお仕事帰りのごま様が入り口に立っておられた〜。
おお!スリップドレスだ〜!(笑)

さすがに、『D-DREAM』。服装が違う。
スーツあり、ワンピースあり。
みんなとても上品な雰囲気。
ウワサに聞いていた勘違いな服装も今日はなかったような気がする。
《いや〜よかった…》

ちゃんとしたクロークがあって、そこで荷物やコートを預かってもらう。
この時、すでに開演5分前。

席に向うも、まったく方向に違う扉から入ってしまって……、
はるか彼方の座席を見、立ち尽くす二人(笑)。
この時すでに開演時刻。

「まだ大丈夫ですよね。一旦出てもいいですか?」
係員に確認とって再び廊下をぐる〜っと回って、やっとのことで席へ到着〜。
ふっ〜〜。

2階席だけど十分近い距離。
ステージはこじんまりとした印象。
ステージを取り囲むように2階のボックス席があり、背面はパインプオルガン。
そしてそこには座席もある。

この背面のパイプオルガンをそっと隠すように、上から白い布が3本下ろされている。
これが木の作りの室内にとてもいいアクセントになっている。
ステージの真上には、ハンカチを4隅つまんで吊るしているような形の白い反響板。
これが何個も取り付けられている。
さらに客席の天井はステージより一段と高く、そこにも反響板が取り付けられている。

なんて美しい会場なんだろう。
ここで、石井さんの夢のコンサートが開かれるのか〜。
そして、ステージに目を向けると、なんといっても両サイドに置かれた、
TONEのオブジェが『D-DREAM』の雰囲気を盛り上げている。
すっきりとした上品なステージ。

ずらと並んだオーケストラの席には、中央にグランドピアノ、傍らにはハープもある……。
会場を眺めながら静かに期待が膨らんでいく。

しばらくして、オーケストラ入場
チェン・ミン、指揮者稲田氏入場。
ハープ奏者とチェン・ミンさんは赤いドレスを着ている。


2.開演

稲田氏のタクトが振られ、1曲目は──。
私の大好きな 「NOSTALGIA」。
予想通り(笑)。
バイオリンの泣きと、そこに至る盛り上がりが大好きなのです。
演奏は壮大な感じを予想していたけど、意外と物静か。
1曲目ということもあり、やや押さえ気味にしているのだろうか?
残響2秒という評判がにわかには信じられない。
この公演では残響を押さえ気味にしているのだろうか?
まるで会場に余韻を吸い取られているような印象。
途中入ってくるトライアングルがやたらに大きく耳につく感じ。

演奏が終わり、下手より石井さん入場。
黒いくるぶしまであるロングジャケット。
中のシャツは赤。
薄い茶のサングラスをかけ、首元にはイーグルクロウのチョーカーが輝いている。

曲目は「手紙」。
イントロだけで胸が締め付けられるような美しい調べ。
オーケストラともなればなおさらだった。
ひとつひとつ言葉を噛み締めるように歌う石井さん。
スタンドマイクの前に立ち、組んだ手を前へ置いて直立不動に近い姿勢。
落ち着いているように見える。
調子は良さそうだけど、思ったほど声が会場に響いて来ない。
残響がとても短いような感じ。
それで、「NOSTALGIA」もこじんまりした印象だったのかも知れない。
最後の方で高音で張って歌うところで、急にぐわん〜と声が響いてきた。
ん〜、この会場は難しいゾ……。
オペラ歌手のように、身体に自分の声を十分に共鳴させきらないと
ホール全体に響かせることができないような……そんな印象を受けた。
途中やや言葉をゆっくりめに伴奏にはめて歌っている。
詞を大切にしているような、心で歌っているような感じ。
最後の「あの日々〜」も思いっきり溜めて歌っていたのが印象的。

続いて「ひだまり」。
この曲も、とても丁寧に、言葉を噛み締めるように歌っていた。
それが心に響いてくる。
間奏で、曲に身を委ねて揺れるようにしている石井さんがいた。

MC──。
今回のコンサートは、米米のもっと以前からの夢でした。と語る石井さん。
<『石井さん』は他人行儀かな…何と呼んだらいいか迷う……
やっぱり『テッペイちゃん』かな……う〜ん……笑>
そして、オーケストラの紹介の後、ここで一旦チェン・ミンさんは退場。

「手紙」と「ひだまり」のことについてMCが続く。
これは、映画『河童』の主題歌で、おじいちゃんのために作ったんですが、
映画の完成の前におじいちゃんは亡くなり、曲ができたときにCDを墓前に供えたとのこと。
おじいちゃんはとても頑固で厳しい人で、厳しすぎて孫がグータラになっちゃったという…(笑)。

話し方は低めの声で、物静か。
笑いを取ってもいつものハイテンションでオチャラケた口調は跡形もない。
大阪だから崩してくるかと思いきや、あくまでも『D-DREAM』を貫いている。

そして、次は2作目の映画『ACRI』から
オーストラリアでロケをして……というところを間違って、
オーケストラでロケをして……なんて言ってしまう。
自分の間違えに自分で突っ込み入れておられました。
石井氏:
「オーストラリアとオーケストラ……何か似てますよね…」(笑)

映画作り際の言葉の壁、労働習慣の壁など苦労話もでたところで、曲へ。
石井さんは傍らの椅子に腰掛けて演奏を聞く。
ここでは聴衆と一体になっている感がある。

次の「LEGEND」でオーケストラの硬さが取れたような気がする。
この曲、ストリングスの低音の入りがとても気持ちいい。
この会場を十分に鳴らしている感じで、盛り上がりでは心地よい陶酔感がやってきた。

見ると、石井さんの身体も揺れている。
その身体の動きが第一バイオリンと同化していて微笑ましい。
最初は壮大な感じを思い描いていたけれど、まさに室内楽で、
音そのものを楽しむコンサートなんでしょう。
ホールというより部屋で聞いている気がしたのでした。

代わって、中央のスタンドマイクに石井さんが立つ。
(多分…)コンガの音がとても優しく始まった「believe me」。
最初は英語の歌詞。
なんでも石井さん、英語のところは譜面をしっかりと見ておられ、
日本語になってやっと会場に顔を向けたらしい(笑)。
演奏はとても控えめでそれがこの曲にピッタリと合っている。
間奏での裏声はなし。
その代わりオーケストラの美しい調べで聴かせてくれた。
裏声フリークとしては残念だったのかも知れないけれど、
シンフォニックコンサートだし私はこっちの方がよかった。
歌い上げる曲調ではないけれど、それにしてはよく声が響いている。
石井さんもあったまってきた感じ。

MC──。
石井さんの育ったところは、家の50メートル下が直ぐに海という環境で、
「かもめの声とか、エンジンのドッドッドッド……という音なんかで目を覚ましたものでした。」
この、ドッドッドッドがとても臨場感のある言い方だった。
「海のイメージはないかも知れないけど、実は僕は『浜ッ子』なんですよ〜」
この『浜ッ子』に会場が受ける。
漁師は荒っぽくて強い人が多く、石井さんは子供の頃コンプレックスを持っていたとのこと。
「ミュージシャンの中で、イイ兄貴分として尊敬している人がいます。
あまりそういう人は多くないんです。ただ知り合いが少ないだけかもしれないけど……(笑)。
この人は本当に米米の頃からお世話になっている人です。」
ということで、ゲストの登場── Charさんです。


3.対談(with Char)

テンガロハットを被り、ピタピタのパンツ姿で登場。長い髪に口ひげがあったような。
上手に用意された対談用のコーナーは、椅子が水の行方。
そしてアンモナイトのような渦の丸テーブル(←名前を覚えてない)。
上にいっぱいのかすみ草が飾られている。
Charさんの入場と同時に、下手にスタッフが数人やってきて演奏用のコーナーの用意をする。

石井:
実は、米米の時、Charさんのピンククラウドの事務所に間借りしていたことがあるんです。
こっちは20名くらいいるから、『そのうち、Charさん出て行くよ〜』なんて言ってたりして…(笑)
結局、事務所を乗っ取ってしまって……。
もう、この話が出たらどうしようってビクビクしてましたよ。

Char:
自分で言ってんじゃん(爆)。

なんてぇ渋い声。その渋い声での突っ込みが最高。。

Char:
当時多かったよね。20人くらいいたけど、今はまたこんなに大勢になって…
(と、オーケストラを見る)

石井:
(慌てて)この方たちはバンドじゃないですから(爆)。

そこで、私は、18日の東京では、『オーケストラのバックバンド化に成功していた』という、
チョビさまの感想を思い出してニヤニヤしていた。

話がCharの子供のはなしになり、──

Char:
でもよく遊んでもらったんだよね。こんなことされたりしてたよねー。
って、カンチョーのポーズ!^^

《おお!テッペイちゃんにカンチョーってか〜:笑?!》

石井:
Charさんてね、楽器何でも弾けるんですよ。すごい人なんです。

Char:そう、風邪もひくしね。(笑)

会場:笑

Char:── ふとんもひけるし(大爆)

会場:爆笑

いやぁ〜、シブイ低音でこのオヤジギャグ! 参った〜!

石井:当時は、下手でしたからね……

Char:
……ホントにね……(爆)。
だってコイツら、演劇とかばっかだったから〜(爆)。
オマエら、音楽やってんだから、Aマイナーくらい弾けろよ〜みたいな……(笑)。

さらに、話はACRIのレコーディングに及び、──

石井:
メルボルンでCharさんと有賀くんと3人で合宿したじゃないですか。

Char:合宿じゃねぇーだろ。(爆)

石井:
いやいや、僕にとっては合宿ですよ。ほんといい勉強になりましたし……。
米米の頃って、人数多いからスタジオワークとか大変だったっんです。
それが、こういうところで、好きな時に集まって好きな時に曲作って──
そういう環境が天国みたいでしたからねー。

《なるほど……。そういう環境の下であの名曲の数々が生まれたのか〜。》

Charさんは今年、25周年を迎えられたとのこと。
でも音楽自体は小学校の頃から兄弟でバンドを組んでやっていたとか。
その頃は回りに音楽をやる友達はいなかったらしい。
そして、高校生の時に友達とバンドを作り、「FOX」と名付けた。──

石井:
FOX?! ハッハッハ〜〜(受ける)。……すいません……(爆)。

Char:
その頃って、『〇〇'S』 って『S』で終るバンド名が多かったわけよ。
だから、それとは違うものにしたくて。
それで、〇〇ックスっていう『X』で終るのがカッコいいって思ったわけ。

そして、ファンは知ってのとおり、Charさんは米米の初期の頃、
事務所を貸していた縁でドラムをしていたことがあった。──

石井:
その頃、米米は新しいドラムスを探していた時で、
Charさんにドラムスやってもらったことがあったんです。
その時にいたドラムスがちょっと変なヤツで辞めちゃって……。

Char:
それは逆だろ〜? まともなヤツだったから辞めちゃったんだよ。(爆)

さっすが兄貴分!この突っ込み!!
するとテッペイちゃんも負けてはいない。(笑)

石井:
そうそう。
それで、『ヤッパリ、変わったヤツじゃなきゃ続かないんだ』ってことで、
Charさんに来てもらったんです!(大爆)

客:大爆笑

このやりとり最高でした。

Char:
後ろから米米のステージを見ていたのって俺ぐらいだよなー。
米米ってメンバーは笑ったらいけなかったんだ。
ほら、よくこの人がクダラナイこと言うじゃない?(爆)
でも笑ったらダメで……、大したことはないんですけどね(爆)。
でも時々面白いこと言うじゃない。」

客席に向って語りかけるようなCharさんのトークがとてもイイ感じ。
テッペイちゃんはニヤニヤしながら聞いている。

石井:
その頃はね、『関東の笑い』を目指していたんですよね。
『関東の笑い』と『関西の笑い』って違うでしょ。
『関西の笑い』はみんなで一緒になって笑う感じがあるけど、
僕らは、そうじゃない『関東の笑い』をよしとしていたんです。
残酷性のある笑いっていうのかな。…… 屈折した笑いですよね。

Char:
当時、米米でね、1コだけ手をつけてないジャンルがあったんです。それが『演歌』。

石井:
そう、これだけはやっちゃダメだろうという……(爆)

Char:
そのタブーを破って作った曲があって、……『仕事酒』!(大爆)

Charさん、ノースアイランド・サブローばりの演歌を一節歌ってくれました〜。
《よっ、兄貴ィ〜。ステキすぎ〜!》

石井:
せっかくCharさんに来ていただきましたんで、ACRIの曲を一緒にやりたいと思いますが、……
以前ね、一緒にステージやりましたよね。

Char:
ちょうど、アコースティックがメジャーになるちょっと前だったよね。
あの時思ったのはね、やっぱり監督なのよ。歌やってても監督が抜けない(笑)。

石井:
どうしても、段取り考えちゃうんですよぉ〜。右足から出て……みたいな。

この後、Charさん、テッペイちゃんのツッコミを「どういうこっちゃーー!」と、
すごんで返していたんですけど、いきさつ思い出せたら追記します。

石井:
それじゃあ、まずはCharさんの曲を演奏していただきたいと思います。

Charさんは下手のセットに移動し演奏の準備。
その間をテッペイちゃんがトークでつなぐ。

石井: このコンサート、安いと思うよ……ねぇ。

客席:拍手

石井:
Charさんから学んだことはね、『もっと、リラッックスして、楽しんでやりなよ〜』ってことでしたね。
なんせシロウト集団だったんで、段取ってやってかないといけない。みたいなところがあって……。
でも、ラフなのがカッコいいって思いましたねー。
── では、Charさんに演奏していただきましょう。
最近の曲から『LONGING DIDTANCE ……(すいません。タイトル不詳)』 ── 。」

これが、とってもカッコいい曲。
生のCharさんは夏のイベントで見て以来でした。
もう渋いのなんのって!CD探そうと思うほど。
声がシブイ。ややハスキーでそれがよく通る。
そしてあのギター。なんてぇ贅沢! 本当にチケット代安い安い!
そこにオーケストラが絡んでくる。これが不思議と合う。
Charさんは弾きながら、オーケストラの方に身体を向けて、
リズムを取りながら、アイコンタクトでリズムを合わせている。
それがとても自然で大人っぽくてステキだった。

傍らで心地よさそうにリズムを取って聞いていた石井さんが、中央へやってきた。
コラボレイトする曲は一体何だろう? できたらCharさんがコーラスで絡んで欲しい。

そして、曲は「水の星」

Charさんのギターで静かに始まった「水の星」。なんてあったかいギターだろう。

まさに夢の共演──。
弦の共鳴する音だけでなく、ピックでひっかく音や弦のきゅっと鳴る音がとてもステキ。
石井さんは、相当緊張されていたことでしょうが、声がよく通って素晴らしかった。
気持ちを込めた歌い方。
ポイントでの手の振りも、切々と訴えかけてくるようで胸に迫る。
曲の終わりの方で、ギターに代わり、チェロが低いところから入ってきた。
そして、その上にバイオリンが乗っかってくる。
この音の重なりがシンフォニーの醍醐味。
切ないメロディーがどんどん高揚してきて……、
やがて、主旋律を離れて、歌うようなバイオリンのなめらかな旋律……。
なんて素晴らしい……。

いち早く拍手をしたのは、中央の石井さんだった〜(笑)。
さっと、Charさんを振り返って拍手。そしてオーケストラに拍手〜。
<ニコッ〜>っていう感じの笑顔がいい。

Charさんを見送って石井さん、
「息子さんも今バンドをしているんですよ。
そうやって、子供の世代が次々と受け継ぎながら、時代が流れていくんですね。」
と感慨深げにおっしゃっていた。

そこに風の音が……。
石井氏:「あれぇ〜〜、風が吹いてきたぞォ〜。(笑い混じり)」
《アレかいな〜〜:笑》

もちろんその曲は「浪漫飛行」。
このアレンジはとっても新鮮だった。
可愛らしい感じのイントロ。
そして曲になると打って変わってコンガを中心にした控えめな伴奏。
やがて、チェロがゆったりと入ってくる。
このチェロの音色が大好きだったりする。
チェロに限らず、ストリングスの低音域の魅力……。
胸元で共鳴するような心にダイレクトに響いてくるようでとってもいい。
2コーラス目あたりからはビオラが。そして、バイオリンが……。
間奏で、ストリングスは激しく弓を動かして盛り上げていく。
盛り上がりの頂点へ向う、♪忘れないで〜そのときめき〜♪
では、ステージ全体の照明が少し落ちて、テッペイちゃんに1本スポットが下りる。
伴奏は歯切れのいい弾き方に代わる。
このメリハリ感が新鮮だった。
バンドの力強さをうまく補っているような気がした。
♪いつかその胸の中までも……♪
で、強いライトがステージ奥から光を放ち、全体の明るさが増す。
そこからは、この曲の最高のクライマックス。
今度は流れるような旋律をバイオリンが奏で、まさに大空を漂う心地よさがあった。


4.対談 (with 東儀秀樹)

そして、2人目のゲスト。東儀秀樹さんの登場。
黒?チャコール?のジャケットと黒い皮のパンツで登場の東儀さん。
これが良く似合う。
以前彼のライブに行ったときこのスタイルにうっとりしたのを思い出す。
そして髪はやや短めになっている。

なんでも最近パリとチェコで、オーケストラとのレコーディングをされたとのこと。
オーケストラと雅楽というと異質なもののようだけど、
実は彼の演奏する篳篥(ひちりき)は、西洋音階と同じだそうな。

「2000年前シルクロードで……」
と、ここから一気に彼のウンチクを披露。
隣で桃チュウさまが「来た来た〜」なんて笑っている。
扱ってる楽器が古代のものだけに彼の話はスケールが大きい。

東儀:
2000年前シルクロードで、この篳篥は生まれたんです。
それが日本に伝わってきたんですが、同時に西洋へも伝わって
別の進化を遂げるんです。
ですから、日本の雅楽と西洋音楽っていうのはつながっているんですよ。」

石井:
そうなんですか。で、実はその篳篥の発展したものが西洋の楽器にもあるんですってね。
さてどれでしょう……。

スポットがその楽器の奏者に当てられる。
それは2枚リードのオーボエだった。なるほど。

※リード/葦で出来ていて、木管楽器の音の発生部分。
クラリネットやサックスは1枚のヘラのようなリードをマウスピースと呼ばれる先端部分につけるが、
オーボエやファゴット(バスーン)は、2枚合わさったものを直接楽器の先端に差し込んで吹き込む。
2枚リードの楽器は音がとても柔らかい。
ちなみに篳篥はまさにこのリードそのもの。


そこで、オーボエと篳篥の吹き比べ。
オーボエ奏者の方は浪漫飛行か何かの一節を演奏してくれる。
実はオーボエも大好きな楽器。
地味な存在ながらこれが1本、あるのとないのとでは、オーケストラ全体の丸みが違う。
でもオーボエの音が目立つようではダメでうまく溶け合わないと
いいオーケストラとは言えないというような話を聞いたことがある。

代わって東儀さんが篳篥を。
こちらは、口元の調節だけで音を出すので、音域がかなり制約される。
オーボエより低い音域で音の振幅がオーボエより大きい感じ。
ドレミファソラシドから始まって、自在に音を出す東儀さん。
じっと聞いていたテッペイちゃんがひと言 ──
「冗談みたいな音ですねー(爆)」
《オイ……笑》
ひと笑い起こったところで、調子を変え──

石井:
愛子様がお生まれになって、宮中では何かと儀式とかあるかと思いますけど、
何かそういうところで演奏することはあるんですか?

テッペイちゃんから皇室関係の話を聞くと何だか不思議な感じ〜。
噛みはしないかとハラハラしてしまった(笑)。

東儀:
僕がまだ宮内庁にいたとき、5年前……、5,6年……? 6,7年前……?
落ち着き払った調子の東儀さんが可笑みを誘う。
どんどん年数変わっていくので業を煮やして石井さん ──
「一体何年だァ〜〜(笑)」と、突っ込み^^

東儀:
その時には、宮中で演奏することはありましたけど、
今はもう辞めてますからそれはないです。

石井:
今はジャンルに捕らわれずいろんなことをされてますけど、
批判されたりするようなことはないんですか?

東儀:
始めの頃はありましたね。
でも、僕は宮内庁にいるときから異端児呼ばわりされてましたから、
その点はやりやすかったですね。
僕は人間に興味があるので、ジャンルどうこうというより、
興味のある人と一緒にやりたいんです。
── こういう人とも。(と、テッペイちゃんを指す):爆」

石井: 宮内庁、行けますかね〜(笑)。
《何を言い出すことやら……爆》

東儀:
(冷静に) この髪ではムリでしょう 。(と、髪を触る:爆)
追い返されるよ……、この座り方もねぇ……(大爆)」

突っ込み慣れしてない風の東儀さんの真面目くさった語り口がなんとも可笑しい。

石井:120度開きますからねー(大爆)。

しかし、その後テッペイちゃんの脚の開き具合は明らかに小さくなった(爆)。

そして、ゲストの曲は番組のエンディングや挿入曲としておなじみの「NEW ASIA」
曲名は知らなくてもどこかで聞いたことがあるはず。
雄大な曲調。篳篥の素朴な音色は、オーケストラによってさらに広がりを持ち、
山河に染み入る感じ。
本当に贅沢なコンサートだわ……。

そして、ゲストとの共演は、「言の葉」。
そういえば、テレビでもやっていたのよね。
そりゃもう、二人が共演するための曲と言ってもいいでしょう。
イントロで味わい深いメロディを奏でる篳篥の音色。
伸びやかな石井さんの歌声。
五感が癒されるとでもいうのかしら。…本当に心地いい。
最後はまた、東儀さんの篳篥になる。
まだ音を伸ばしているときに、振り返って東儀さんに拍手をする石井さんが何とも微笑ましい。
とても嬉しそうだ。
そして、最高のコラボレーションに会場からも拍手拍手……。
その拍手に見送られて、東儀さんが退場──。

5.想い

石井氏:
音楽をやっていて幸せだと思うのは、
ひとつは、自分の作った曲が年を経るごとに深みを増していって、
どんどん味わいのあるものになっていくことがあります。
これはすごく嬉しいことですね。
それともうひとつは、今日のようなすばらしい方たちと一緒にコラボレートすることで、
自分の曲に何かがプラスαされて、グレードの高いものになっていくことなんです。
これはもうたまんないですね。本当にありがとうと言いたいです。
こんな世の中ですから、何かと世知辛いし、
みなさんもいろいろと辛いことや大変なこともあるでしょうけど、
せめてこういうところで、気持ちを潤してくれるのなら、
このコンサートは大成功と言えるのだと思います。

ここで、再びチェン・ミンさん登場。
席につくチェン・ミンさんを見ながら、石井さん、なかりデレデレ(笑)
「いいですねー、きれいな人を見るのは……」
なんてぇ、ことを言い出す始末(爆)。あぶないよ〜、そのご発言(笑)。

そして、次の3曲の紹介。
まずは「古都」。
これは昔に作っていたメロディで、何故か捨てられなくて、
いつか何かの形にしようと、大切にとっておいたものらしい。
「古都」ってタイトル、どこかで見聞きしたことがあるような気がする……。
すでによく知っているメロディだったんだけど、この時点ではどういう曲かまったく分からず、
《シルクロードっぽい曲なのかな?》
なんて思っていた。

そして、「アイシュウ」
最後に「春雷」
《おお! 「春雷」…、そうきたか〜》
どれもニ胡と好相性の曲ばかり。
「アイシュウ」のアレンジがとても楽しみ。

椅子に座る石井さん。
稲田氏のタクトが振られる。
── 静かなピアノで始まる曲。おお!何と……あの曲ではないの!
それは、先のツアー「ZERO CITY -AQI-」の小芝居、
民衆に後ろを向かれた予言者サウス・ハルヲが失意に沈むあのシーンで使われた曲。
ツアー中からこの曲が大好きだったので、感慨もひとしお。
ツアーのBGMだけでお蔵入りするにはあまりにもったいない曲だった。
もちろんそういう曲はほかにもごまんとあるけれど……。

どういうわけだか分からないが、私はこの曲で泣きが入ってしまった。
恐らく、ひとえに曲の持つ力だと思う。
そして、曲を大切にする石井さんの気持ちにも感じるものがあったのかも知れない。
ピアノに代わり、チェン・ミンさんのニ胡の豊かな調べが感情を揺すぶる。
ああ、もうたまらん。(笑)

そして、情感豊かにオーケストラの調べが繰り広げられていく。
座って聞いている石井さんも、オーケストラの調べに身を委ねている風。
自分の作った曲が、一流の奏者たちによってこんなすばらしい演奏をされた
らどんなに嬉しいことだろう。
自らのオブジェが会場を飾り。心通わすことのできる一流のミュージシャンとの共演。
そして自らの曲を披露する。
まさに夢のコンサートと言えるだろう。

さらに感動は続く。
それは、「ZERO CITY 」HALとAQIの最終日に演奏された「アイシュウ」。
タイトルがカタカナなのが気になる。
著作権か何かで「愛秋」の表記に問題でもあったのだろうか。
それはさて置き、この曲こそニ胡にピッタリ合う。
幸運なことに、これを聞くのはHAL AQIに続いて3回目だけど、今回の演奏はまた格別だった。
オーケストラは控えめな演奏。
レガートに旋律を歌うのではなく、ニ胡の魅力を最大限に引き出した素朴な音作りがされていた。
石井さんの歌はここでも素晴らしかった。
落ち葉のように降り積もる恋し言葉の数々が幾重にも重なっていく。
悲しいわけではなく、美しすぎて泣ける心境。
それもまた貴重な時間かも知れない。
歌い終わった石井さんが傍らのチェン・ミンさんを振り返り会釈。
同じく会釈でそれに応えるチェン・ミンさん。
なんだかとても心温まるシーンだった。

そして、「春雷」。
ここでもニ胡の音色に酔いしれる。
オリジナルは琴座との共演で、この旋律も篠笛(のちに琴)で演奏していたけれど、
清らかな感じの篠笛と一味違って、人間味のある温かな音色になったような。
後半の方で、ストリングスは初めてピッチカートで演奏。
琴の音色にも近く、曲調に合っていた。
これはCDに収められているけれど(「Octave」米米CLUB)、
そうではない名曲も沢山ある中で、ぜひぜひ1枚のアルバムに
まとめてもらいたいものとつくづく思った。
以前、テッペイちゃんにメールでお願いしたこともあったっけ。
そろそろ実現してくれないかしら……。

さて、コンサートもいよいよ佳境に入っていく。
「次の曲は、今年10月にシングルになった曲です。」
と、曲が誕生するいきさつとなった、おじさまの死を話す石井さん。
語り方も何かひとつの悲しみを乗り越えたような落ち着きがある。
その曲はもちろん「遠くへ…」
今回は赤を基調にした照明。オブジェにも赤い光が当たっている。
ここはストリングスの聴かせどころ。
伸びやかなその音色で聴衆を魅了する。
もの悲しい曲が続いただけに、この曲のもつ雄大さが心地いい。
その調べに乗って歌う石井さんは大空を漂う気分なのかも知れない。
身体全体で歌うようなすばらしい歌……。
間奏のところでサングラスを取り、譜面台に置いた。
そして、声を伸ばしながら、指揮者のように弧を描いて差し伸ばした両手を、
すぐに肘を絞って握り締める。
心の赴くまま、まさにTONEのオブジェのように羽ばたいている感じがする。
歌の終わりには、指揮者が演奏を終らせるようなポーズとともに締めくくっていた。
やっぱりこの曲はすばらしい。
何か、……救われるような気がする。

石井氏:
次は本編最後の曲です。
これは米米CLUBを解散したとき、『これから俺どうなるんだろう?』
ってとても不安で、ホント大変な時期に作った曲です。
とても思い入れのある曲なんで、ソロになって最初のアルバムの
一番最後にこの曲を入れたんです。
自分への応援歌みたいな感じで、不思議とこの曲を歌っていたら癒されたのを覚えています。
それでは聞いてください ── 『想い』」

メモを見ても「すごい」としか書いてない(笑)。
それほど素晴らしい『想い』でした。
まず、出だしの♪ゆ〜くりと♪ がこれ以上ないというほど艶やかで優しい歌い方。
この曲もストリングスの魅力が最大限発揮される曲だろう。
演奏の盛り上がりに石井さんの気持ちの盛り上がりが重なって、その歌の素晴らしいこと!
その歌に聞き惚れながら、ここで一気に涙腺が緩む(笑)。
涙腺だけならまだいいが……(爆)。
私には細部の記憶がとても薄い……。
桃チュウさまによれば、このとき胸に手を当ててそれは感情を込めて歌っておられたらしい。
きっといい顔されてたんでしょう。
盛り上がりの後、再び静かになるところ、
あれだけ会場を震わせていた声が、またまたふっと優しくなって、
そっと包み込むような歌い方。
もう本当に……、本編最後にしてこんな隠し玉を持たれていたとは……(爆)。

1曲1曲終るたびに熱い拍手が起こっていたけど、このときの拍手はすごかった!
3階席の人たちは立ち上がっている。私も腰のあたりがソワソワ。
そんなソワソワ組があちこちに見受けられる。
私はというと、あまりに感動して立ち上がる力が薄らいでいた。
しかし拍手はめいっぱい叩きました〜。
石井さんは、全身で拍手を受けながらしばしその空気を味わっている。
そして深々と礼をして一旦退場。オーケストラだけ残し、稲田さん、チェン・ミンさんも退場。


6.アンコール
「想い」の感動覚めやらぬ中、石井さんに贈った熱い拍手の
そのままのテンションでアンコールへなだれ込む。
手拍子ではない。割れるような拍手がず〜っと果てしなく続く。
テッペイちゃんはなかなか出てこない。こうなると拍手マラソンだ〜(笑)。
この持久力はすごかった。
《お願いだ〜、早く出てきてちょ〜だい》
と、思った瞬間出てきてくれるものなのに、……まだ来ない(爆)。
会場の拍手は衰えることなくひたすら続いている。さすが……。
そして、ようやく歓喜の時が── 。

そっか、お召し替えでありましたか〜。
石井さんは、黒字に白かグレーの模様の入ったショート丈のジャケットに着替えてご登場。
「あったかい拍手どうもありがとう!」
に会場は大歓声。

「それじゃ、アンコール一発目は……」
《一発目って、ちゃうちゃう。今日はそんなライブじゃ…爆》

「チェン・ミンさんの曲です。僕も大好きな曲で、これは中国の古い曲なんですよね。
読み人知らずの歌らしいです。CMにもなってますが、これを是非聞いてください。」
曲は「燕になりたい」
これは彼女の最新アルバムの1曲目に入っているもの。このアルバムはお薦めです。

チェン・ミンさんと向かい合わせに座った石井さん、このときの彼は、
ステージに立つ人というより完全に1聴衆だったような感じ。
「いいですねー」も連発してたし(笑)。
この曲を聴くと、あったかい春の夜を思い浮かべる。大陸らしい大らかな曲です。

終始本当に嬉しそうに聞いていた石井さんが立ち上がり、再びオーケストラの紹介をする。
「演奏は、稲田 康と東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団のみなさんです。」
稲田さんが礼をし、オーケストラが立ち上がって拍手に応える。
さらに熱い拍手が沸き起こる。── そして鳴り止まない。

拍手が引いて、再び喋りだすつもりの石井さんが、
呆然と立ち尽くしていたような感じだった。
しばらく待って、拍手を続ける客席の思いを感じ取ったテッペイちゃん、
1歩2歩……後ろに下がり、そして、深々と礼をした。

このときの彼の表情を見た桃チュウ様によると、一瞬くしゃーっと泣き顔になっていたともいう。
さらに、チョビさまによると、礼をするとき目のあたりに手を持って行っておられたとか、
さらにはひとつぶ光るものが床に落ちていたとか……。
何も見ていない私って……(爆)。

やがて顔を上げて次の曲へ。
「この曲は、チェン・ミンのニ胡が本当にきれいに入ってます。ぜひ聞いてください。」
という紹介で演奏されたのは、「FAR AWAY」。
郷愁を誘うもの悲しさ。
これまたニ胡のためにあるような曲。
これを生で聞けるのは贅沢の極み。

改めてこれほどの名曲の数々を聞くことができるとは、何と幸せなことだろう。
今日の選曲はすべて石井さんのやりたい曲、聴かせたい曲ばかりなんだろう。
いや〜もう本当に素晴らしい歌声……。
だんだんと形容詞も底をついてきたけど(笑)、とにかく素晴らしい。
新鮮だったのは、最後のリフレインのところ。
AQIでは階段を上りながら客席に背を向け歌っていたところを、
ずっとこっちを向いて歌っているから、とても新鮮に感じたのでした。
演出の一部としての歌でなく、あくまで歌を正面から見せようという試みだから、
見ている方も自然と居住まいを正したくなる。

再びMC。
今回のコンサートは本当に夢だったということ。
そして、「またこういうコンサートをやりたいな。」と、おっしゃっていた。
『お金がかかるからもう二度と出来ない。』
なんてこと以前言っておられたけど、今回の大成功で気持ちが変わったのかも知れない。
「2月3月にはアートヌードというコンサートをやります。
これもすごいことを考えてますから是非きてください。」

ここで、テッペイちゃん客席をニヤ〜と見て、拍手しそびれた客に身振りでツッコミを入れる。
「難しいですよね、タイミングが…」
彼はもう平常心を取り戻している?(爆)

そして、最後の曲は── 。
石井氏:
「次の曲は『あなたに』という曲で、次の出すシングル曲なんですが、
フラッシュ金子が…いや金子隆博さんが(笑)
素晴らしい編曲をしてくれまして、今日はそのまま再現してみたいと思います。」

それまで、マイクの前にまっすぐ立って正しい姿勢で歌っていた石井さんだったが
、ここで初めて肩をきゅーっと絞って歌い出した。
── 右手でマイクを握り、左手で客に語りかける。
やはり素晴らしい歌声だった。
間奏のところで、とても切ないバイオリンの旋律が流れてきた。
これが金ちゃんのメロディなのかも知れない。
そして、最後の♪あなたに〜♪が、これまたとっても優しい。

すぐに割れんばかりの拍手が起こる。
ここで、会場は総立ちになり、拍手拍手……拍手の嵐。

こういうときの振る舞いをどうしたらいいものか、不慣れな感じのテッペイちゃん。
どことなくぎこちない身のこなし。
それでも何とかゲストを称え、オーケストラを称えて、拍手に応えつつ退場。
もちろん拍手は鳴り止むわけはない。
直ぐにステージに出てきて、会場の拍手に応える。

その後、出てきては挨拶をしまた引っ込む。を繰り返す。
どういう風にやったらいいのか分からず、戸惑う様が微笑ましい。
<おひかえなすって>のポーズをしているので、
稲田さんもチェンミンさんも、『ん?』って表情をしている。
それは「どうぞ袖へお入りください」という合図だったらしく、
「ああ、そういうこと?」とまた退場。
このときのテッペイちゃん、前へ出ようとしたり、下手へ下がろうとしたり、上手へ行こうとしたり、……
一体何がしたいん〜?(笑)
直ぐにまた出てきてはカーテンコール。
ART WORK work up 偏の「Get on party 〜chaser」のようで笑えた。

後から、本日のゲスト、Charさんと東儀さんも登場。
ここで「ヒューー!」と大歓声。
口笛まで飛び出してさすがに大阪の夜は熱い。
ゲストとも握手を交わし、また退場。
このとき下手ボックス席に手を振ってサービスするCharさんが素敵だった。

最後は、指揮者と握手。
稲田さんも感激されているご様子。
「よかった、よかった」って、テッペイちゃんの肩を叩いていたような……。
そしてコンサートマスターと握手。
ここで終らないのがテッペイちゃんのすばらしいところ。
第二バイオリン、第三バイオリン? ビオラ? の方とも握手。
さらにチェロの方と握手。
手が届かない後ろにいるコントラバスの方に伸び上がって手を振り、
さらにティンパニに人にも伸び上がってご挨拶。
会場はなごやかな拍手が起こった。

稲田さん、チェンミンさん、そしてテッペイちゃんが袖に去る。
オーケストラは残ったままだ。

拍手はひたすら続いている。

しばらくして、ひとり出てきたテッペイちゃん。
感無量で言葉がみつからない様子。
どうにも収まらない会場のスタンディングオベーションに、
遠目にも「どうやってこの場を収集したらいいのか」
戸惑ってる感じだった。

何か言おうとしているテッペイちゃんに会場が静かになる。
……しかし、言葉が出ない。
ここで会場から「石井竜也、 最高ーー!」の声が飛んで、
沸き起こる拍手歓声!

ここでかなりグッとこられたんじゃないだろうか。
2階から肉眼で見ていた私には、苦しそうな表情を浮かべているようにさえ見えた。

やがて、スタンドマイクを後ろに片付けて1歩前へ出た── 。

ここで生サンキューかと思いきや、
拍手が鳴り止むのを待って静かに歌い始めた。

……きよしこの夜……

これはトリ肌だった。
私は涙もなく、呆然と立ち尽くしてしまった。
(それまでに泣きすぎって話しもある:笑)
マイクを通さない彼の声は、十分に会場に響き、
何よりも彼の心が伝わるようで、私は身体に電気でも通っているような、
もうただ立ち尽くすのみだった。

歌が終って、テッペイちゃんが会場に小さく手を振り去っていくと、
オーケストラもそれに続いた。
楽団のメンバーも彼を温かく見守っていた感じだった。

── しばらく感動で立てなかったわたし。


今回のアカペラは、彼を応援するファンのひとりひとりに届けたかったんじゃないだろうか。
朗々と、そして丁寧に歌いきっておられました。
「これからの僕をを見ていてくれ。」と言っているようでもありました。
ひとつの大きな夢を叶えたテッペイちゃんを、会場の全員が祝福し
そして見守った何とも温かい、感動的なコンサートでした。

Special thanks to:

このレポートを書くにあたり、お力をお借りしたみなさま
(50音順)

ごまさま
チョビさま
桃チュウさま

その他のみなさま


本当にありがとうございました。


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