Trans top Live(index)

TRANS -時間紀行-
1999.2.2 大阪フェスティバルホール


ソロになって2度目の全国ライブ。タイトルは「TRANS〜時間紀行〜」何が時間紀行なのかと思いきや、80年代のディスコへタイムスリップしたライブなのでした。

残念だったのは、音が悪かったこと。音割れがひどくて、ちょっと辛かった。同じ会場でやった、昨年のコンサートはそんなことなかったのに。どういうことでしょうかねえ?

まあ、それはさておき、今回の席は、20列目ぐらいの、上手側。ステージには真っ赤な幕が下がっていて「TRANS〜時間紀行〜」の文字が白く染め抜かれている。やっぱり「赤」できたな〜。予想通り・・・。赤い服を着てきたわたくしは一人満足していたのでした。

まず、笑かされたのは、開演前の注意事項のアナウンス。
「みなさま今日は(きょうは)・・・失礼いたしました。みなさまこんにちは。」
コイツは不意打ちだ〜。いきなりのカウンターパンチを食らって客席は笑うことすら出来ないのでした。
さらに続けて「開演につま先立ちまして、ご注意申し上げます。」
・・・うわ〜。きたきた。少しずつ客席から笑いが起こり始める。
「開演中は、椅子に上ったり、椅子から飛び降りたり、ましてやバック転などの行為は絶対におやめください。場内係員はすべて柔道、剣道、空手の有段者です。みなさまくれぐれもお気を付けください。・・・」
といったような珍アナウンス! こういう芸の細かさ、好きです。残念ながらトイレに行かなければいけなかった私は全部を聞くことができませんでした。次回に期待しよう・・・。

幕が落ち、まずダンサーのコータロー&マリーザ登場、会場を煽ってゆく。 バックにはマリちゃん(米米のダンサー)が、パーカッションで参加しているではないか! 事前情報でミナコちゃん(これまた米米のダンサー:テッペイ氏の妹)が出ることは予想してたけど、マリちゃんも一緒とはなんと嬉しや。相も変わらずお美しい。こうなったら米米やるしかないっしょ! というわけで、会場は早くも同窓会の雰囲気。さてステージには下手からピラミッド型の物体が現れステージ中央へ移動していく・・・。扉が開き、出てきたのは我らがテッペイちゃん。ナント、インディアンの格好をしている! それも全身赤ずくめ羽まで赤。しかしまあ、なんともステキな(笑)格好だこと!

乗り物から出てきたインディアン石井はステージ中央にしつらえたお立ち台に乗って会場を煽る。しかし会場のノリが足らないとご機嫌ナナメの模様。帰ろうとするテッペイ氏をマリーザがとりなし、ステージへ引き戻すと、今度は自分の格好に「恥ずかしい・・・」とまたまた帰ろうとする。コータローが慌てて止めて、再び引き戻されるテッペイ氏。

そして、やっとその気になったらしく、1曲目「ONE MORE」へと突入しました〜。これは最新のアルバム「DEEP」のオープニングを飾る曲。今回はライブに先行してアルバム発売があり、『ディスコ』というコンセプトも統一されております。このツアーにかける彼の並々ならぬ情熱を感じます。その「DEEP」からの曲が続く。ダンサー ミナコちゃんも登場し、早くも新曲「HI TENTION LOVE」へ。ミナコちゃんはカウボーイハットにショートパンツ姿。インディアンに合わせたコスチュームなんでしょうか? 久々にみるミナコちゃん、えらくスリムになっている。続いては、東芝日曜劇場の主題歌になった「リズム」。この曲もミナコ+コータロー、マリーザで脇を固める。幕開けは「ディスコ」にふさわしい華やかなものでした。

しょっぱなのMCでは、テッペイ氏かなり飛ばしまくり。受けたのは、会場のコスプレを見渡していたときに、
テッペイ:「みなさん大きな声で『マラボー!』と言いましょう。」
なんて言わせておいて、
テッペイ:「・・・ (女口調で)マラボーちょ〜だい・・・アッハッハ。」
ん? ── 今日のテッペイ氏、なんかヘン? 本人も自覚したのか、
テッペイ:「ワタシは今日はキレております」
と言っておりました。どうやら頭の羽が暑かったようで、取りながら、
「・・・いや〜いいですねぇ。この開放感。」
なんてぇことをおっしゃっておりました。

この日のテッペイ氏、喋りは相変わらず流暢なのに、なんとなくまだ余裕が感じられない。しかし緊張してても例のスモキートーク(人を煙にまく)は顕在で、
テッペイ:「今日のお客さまは違いますね〜。目の輝きが違います。昨日のお客はこんな感じ(と、ボーっとした表情をする)でしたけど、今日のお客はもうモデル立ち。(ピッと、半身に立つ)こういう感じですね〜」
と、さかんに笑いを取っておられました。

客の方もかなりお調子モンで、テッペイ氏の声がかかる度にキッチリ黄色い声で対応しておりました。はやり、ライブには黄色い歓声が必要不可欠・・・。チカンにあっても「おう」と言ってしまうような、わたしには到底出せない声だけど・・・。関西では1年ぶりのライブとあって客もライブに餓えている感じです。MCの最中もずっと手を振りつづけの客もいて、かなり砕けた雰囲気。人がしゃべっているときはチャンと聞かないといけません(笑)。しかし彼は、要所要所で会場のリアクションを取り上げつつ、客あしらいも手慣れたモンです。

それから亡くなったジャイアント馬場さんのことに触れ、「今日は馬場さんのためにライブやります。」ということで、実際いたるところで「馬場さん!」を連発してましたが、これってOKなん? と、戸惑うワタクシでした。

今回米米の曲やります宣言が出てましたが、米米の曲からは「MY LOVE」をやりました。イントロでテッペイ氏が約束どおりサングラスを取ると、客席から歓声が。投げキッスなんぞ飛ばしながら、えらく気持ち良さそう。この曲、シュークの踊りがとてもかわいいのに今回は踊りなし。物足りないな、と思ってたら、その分たっぷりのファンサービスで会場を魅了していました。

さて圧巻は「愛のメモリー」。ン歳以上はみな知ってる(笑)、松崎しげるの名曲。ゴージャスな味付け、艶っぽい歌い方に加え身振り手振りで笑わせてくれました。でも、テッペイちゃんもさることながら、私はその後ろで踊っていたマリーザに釘付けなのでした。しなやかなその動き。上手い、美しい。さすがプロ。まるで小柳 ルミ子だわ〜(爆)。また手足が長くてスタイルがいいから映えるのよね。ほ〜んと美しゅうございました。

テッペイ氏の着替えの間、コータローとマリーザの無声芝居でお楽しみ。着替えの間も飽きさせないよう嗜好を凝らしておりますねー。
マリーザはさっきの「愛のメモリー」の白いドレスの上から、ファーのストールを羽織って登場。昔のモノクロ映画から抜け出してきたみたい。そこへ花束を手に現れたコータロー。ためらいつつ、やがて意を決してマリーザの方へ近づく。慇懃に花束を差し出すも、彼女はポイと捨ててしまう。今度は手紙をしたためてアプローチ。しかし無残にも破られてしまう。なんとも気位の高いことですね〜。ふたりの大袈裟な演技に会場は笑いが絶えない。ことごとくフラれるコータロー、今度は姑息な手段ながら、具合が悪くなるフリ。マリーザちょっと心配になって駆け寄るが、起き上がったコータローを見て、途端に平手打ち。なんとも可哀相なコータローです。マリーザはさっさと袖に引っ込んでいき、それを追いかけるコータローと入れ替わりで、テッペイ氏登場。

曲は「夢DE愛魔性」。「〜しましょう」という詞は彼にしては珍しい。CDでは違和感があったもののすっかり慣れてしまいました。このあたりの音域が一番艶があって、SEXYな気がする。続いては、『石井 竜也』としては初のシングルとなった「WHITE MOON IN THE BLUE SKY」。青空に輝く白い月を、現実から人々を解き放つ象徴として捉えたところにテッペイ氏の感性を感じる曲。

そして、出た出た! 久々のひとり芝居。前回のツアーもコータローとのコントはあったけど、純粋な一人芝居は久しぶりです。茨城(?)の田舎から初めて東京に出てきた青年がディスコで体験する、危うい世界・・・。
与一郎:「風邪ひいちゃったかな、こんなとき田舎だったら、かかりつけの先生んとこ行って、良く効く薬出してくれんのに・・・」
とつぶやくと隣りの人がすぐに薬をくれる。しかも鼻から吸う薬で「最初はダダ」という怪しさ。
与一郎:「熱が出てきたみたいだ。こんなとき田舎だったらすぐ注射してくれるのに・・・」
とつぶやくと、すかさず隣りから注射器が差し出される。というブラックなネタ。風薬と信じてその注射を打ち、ムクムクと力がみなぎってくる与一郎青年。学生服を裏返せばリバーシブル! 派手な衣装に早変わりし、早速踊りに加わる。会場からは「hu, hu」の声が沸き起こり、与一郎クンすっかりいい調子で踊っている。踊りが盆踊りちっくなのがこれまたご愛嬌。そうこうしてるうち、スケベオヤジに追いかけられている女の子を助けて、その娘といよいよ、というところで、
「お兄ちゃん、こんなところで何やってんの?」
と、妹のミナコちゃん登場。
「早くズボン上げて(爆)」
とたしなめられ慌てふためく様がおかしい。

すっかりタジタジとなった兄をステージから追いやって、ミナコちゃんの歌へ突入。なんともファミリーな展開です。コーラスのハルミ嬢もフロントで一緒に踊って、ミナコちゃんをサポート。
代わってステージにはマリーザが現れ、メンバー紹介のコーナーへ。
日本語勉強中のマリーザ、「コレハ、コータローデス。コレハ、床デス。コレハ、マイクデス。」と笑いをとり、さらに「オコノミヤキ」だの、大阪ネタで会場を沸かせていました。
マリーザは一人ずつディスコ『TRANS』専属バンドDRAGON SLAYERSの面々を紹介していく。そして、我らがディスコ・キング、石井ビューティー氏が登場すると会場の盛り上がりも最高潮となりました。
歌うはその名も「DISCO KING」。この曲大好き! CDだと特殊効果がかかって音が遠い感じになっているけど、ライブはもっと人間臭くてGOODです。さらに「興奮!BEAUTIFUL」。華やかなディスコの世界が繰り広げられる。この曲、間奏でフラメンコが入るところが意表をついている。紙テープも飛んで雰囲気は最高。会場には死語となった「フィーバー」が渦巻いておりました。そしてとどめは「BOOGIE DEEP IN LOVE」。やっと踊りが簡単になったわ〜(笑)。CDだとやや控えめに歌っている曲が、ライブになると途端にデコラティブになる。ディスコがファンクに近くなって、底の方から力が沸いてくる感じ。「Shake Hip!」まで飛び出して、こりゃびっくりだ〜。これまでは踊りが難しくて欲求不満気味だった客席がここぞとばかり踊りまくる。BHB(米米のホーンセクション)がいないのが物足りない気がするけど、そこまで要求するのは酷でしょう。再結成ってことになっちゃうもんね。そして締めは「壮絶夜舞酒家(ソーゼツ・ナイトクラブ)」。ソロになってからは締めは決まってこの曲ですね〜。軽薄な詞が人気の秘密かも知れない。歌いながら随所で「馬場さ〜ん」を連発するテッペイちゃん。いやはや何とも・・・。しかし今日のテッペイちゃん、なんかキレてるなぁ(笑)。まあとにもかくにも、本編の最後はダンスダンスのうちに幕となりました。

アンコール第一弾は、前回のツアーと同じ演出。紙で作ったような「天使の羽」を背中にしょって切ないバラードを歌う。何故羽を・・・?(爆)今日の出は後ろ向きになって出てきて、背中の「天」の文字を客席に見せていた。そんなところに文字を書かなくってもいいのにね〜。せっかくのバラードなのに、なんでこんな変な格好で歌わなあかんのか、・・・・なんともおかしさが込み上げてくる。この日は新曲「HOLD YOU」。正統派ラヴ・バラードって感じ。次のアルバムには入るんじゃないでしょうか。大変美しい曲でした。ラストのフォルセットがとても印象的。最近彼はフォルセットに凝ってるんでしょうか? 歌の後にもおどけたポーズで笑いをとっている。いやはや根っからの芸人デス。

アンコール第二弾はお約束の米米CLUBメドレー。マリちゃんがダンスに加わり、2年ぶりのシューク復活です。大のシュークファンの私は涙ちょちょぎれなのでした。まずは、「OH MY ANGEL」で景気よくスタート。踊りが少し変わってる。続いて圧倒的人気の「SO COOL」。イントロが流れた瞬間、大歓声が起こる。ここいらの曲は身体で覚えているだけに、ダンサーの振りを見て瞬時にマネる芸当も必要もなし。踊りながら、他のメンバーのパフォーマンスもチェックできるし、やっぱり慣れ親しんだ米米の曲はイイ。さらに「愛はふしぎさ」。そしてこれまた人気の「ひとすじになれない」。更に米米最後のシングルとなった「SPECIAL LOVE」。う〜ん踊りを忘れている。というよりこの曲最初から覚えていない。いけないいけない・・・。と思ったら、今度はお馴染みの「抱きしめたい」。よっしゃ!。またまた私の踊りが大きくなる。幸い私の席は通路側なので思う存分手を伸ばせました。決めはやっぱり「愛Knowマジック」。全員の手がきれいに上がって、米米のコンサートに来ているような錯覚に。
ただ、シュークはしばらく現役から遠ざかっていたので、ちょっと硬い。すでに、ダンサーはコータローとマリーザで定着しかけているだけに、4人MIXとなると違和感がないわけでもない。それに今回欠けているメンバーがいっぱいいるわけで、音的にも映像的にももの足りない気がするのも確か。「ホントやったらここで金ちゃんのソロなのよ〜。」とかいろんな思いが渦巻く。ファンの哀しさですね〜。
メドレーの締めくくりは「上を向いて唄おう」。坂本 九の「上を向いて歩こう」を文字った米米版スキヤキソング。最後は大阪弁で「ま〜た来るで〜」と会場を沸かせていました。

「全員整列!」でメンバーが一列にラインナップ。テッペイ氏、肩で息している。おまけに意味不明のハイテンション(笑)イッヒッヒ笑いも飛び出して、 やっぱり今日は切れてる感じ。彼が異常なほどテンション高いときは体調悪いことが多いんだけど・・・。その上、本当にしんどそう。

恒例のメンバー紹介では全員『ちゃん』付け(笑)。
そして、マリーザに「これは?」と床を叩いて問いかける。彼女が答えると、
テッペイ:「そう床ですね〜。」(笑)
会場は和やかな笑いが起こる。MCはつづき、追加公演決定のインフォメーションがあった。コイツは嬉しい限りです。
テッペイ:「今日はみんなよくがんばった。二階もがんばった。後ろもがんばった。・・・」
それって自分に対して言ってない?(爆)

というわけで、最後の曲は「SHOW ME」。明るめなポップな曲で、晴れやかな気分になれる。

今回はアンコールバトルも無くあっさり幕となりました。

後で分かったことですが、前前日までインフルエンザでかなりのバッドコンディションだった模様。この日も体調は悪かったのでしょう。それにしては、すごい集中力です。
回を重ねるごとにメンバーもほぐれてくるし、ファンも慣れるしで、今後どんなステージを見せてくれるか期待したいな〜。今度大阪へやってくるのは3月末だ〜! イェーイ。


Trans top Live(index)