GLLERIHTI
−初訪問−

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私が初めてGALLERIA HATI を訪問したのは、確か 1993年11月4日のことでした。
SHARISHARISM TEAETA ピタゴラスの接吻編を観るために、
東京ベイNKホールを訪れた翌日のことだっと思います。

オープンして約1ヶ月半といったところ。
私にしてみればかなり早いタイミングでの訪問でした。

ゆったりとした朝食を済ませ、ホテルをチェックアウトしてから代官山へ。
秋晴れのすがすがしい日でした。


建物の中に何やら白い渦巻きが……


地図を片手に猿楽町 ヒルサイドテラスを探し歩き、やっと到着。
そこは半地下の建物で、白い壁とガラスが美しいコントラストを見せています。
近寄ってみると、何やら中に巨大な白い螺旋状の塔が見えます。
ちょうど目線の高さに塔の頂上があって、『わーー、何だろう? !』
早く中を覗きたくて心がはやりました。


歩道より地下1階の入口をのぞむ。

 

そして、階段を下りて玄関へ近づいて行きました。
外には巻貝の形をした大きなプランターが置かれて、観葉植物っぽい木が植えられています。
白い塔が隙間から見ることができ、その傍らには羽が生えたアンモナイトのオブジェが置かれていました。
なんて素敵……、その美しさに思わず息を飲みました。

ショーウィンドに並べられたテーブルウェアもきれいです。
さらに misic man のオブジェなどもディスプレイされていました。
玄関の右手にはテラコッタ製のプレートがあり、HATIロゴマークが刻まれています。
さすがは石井さん……、とってもお洒落な感じです。
外観だけでも十分に楽しめます。中に入る前からすでに夢のような空間が始まっていました。」


入口横手。壁の切れ目から塔とオブジェが見えます。

 

ナラ材(←多分)の扉には渦巻きをあしらった取っ手があって、
観音開きに中へ入ると、光あふれた外側とは趣が変わり、
ウッディな落ち着いた空間へと引き込まれていきました。

高い天井、トップライトから柔らかく降り注いでくる陽光。
── そして、聳え立つ白い搭。

建物の中にこんな塔を作るとは、そのアイデアに驚かされます。
さらに塔の上には石井さんのドローイングによる、空が描かれた天幕が張られていて、
『部屋の中に空があるわ!……』と、目を見張りました。
天幕に描かれた空は、抜けるような青空ではなく、雲に覆われていています。
そして、ちょうど塔の頂上あたりでその雲が途切れ、光が差し込んでいるように描かれていました。
教会の窓から差し込む光のようで何とも言えず神々しい雰囲気です。


裏手の歩道(窓の外)から見た内部。玄関が見える。
左手のプランタが 記憶の壺。
右側の大きく見えているものは塔の一部。

 

入口と反対側の壁には生成りのカーテンが下がっていました。
このカーテンも美しかったです。
カーテンの裾につけられている木の錘がアクセントになって部屋にリズム感を出しています。
カーテンは外界を完全に仕切るのではなく、隙間を見せることで程よい目隠しになる一方、
ギャラリーの中に差し込んでくる日の光を調整する役目も持っているようでした。

そのカーテンの下あたりには黒いボディに光の羽が生えたようなランプが4,5台、きれいに並んでいます。
まるで宮崎駿 の映画にでてくる妖精といた雰囲気のかわいいヤツでした。


足元に目をやると、床はテラコッタと木と御影石(?)の3層構造でした。
入り口付近はウッド。歩きやすいように進路に沿ってウッドの床になっています。
ほかの大部分はテラコッタ。塔の周りはテラコッタの床になっていました。
そしてカウンター近くや建物の四隅の方は墨を流したように御影石(?)が敷かれていました。


入り口付近に木製のオベリスクが置かれ、
石井さんデザインによるポストカードがさりげなくディスプレイされています。
実は私……、この日購入したのはポストカードセットがやっとでした(笑)。



調度品やちょっとしたインテリアにいたるまで、すべてに石井さんのこだわりが感じられ、
凝ってはいるけれど、無駄を削ぎ落としたシンプルさも同時に感じることができます。
そして、奥のカウンターには見たこともない形の机が置かれています。
それは大きな2つの巻貝がハの字に置かれ、その上にガラスの天板が乗せられような形です。
そこに20代前半と見られるきれいな店員さんが2人か3人。
石井さんデザインの制服を着て控えていました。

私は妙に緊張していました(笑)。
石井さんはリラグゼーションの空間を作ろうとしたのでしょうが、
初めて訪れた私は舞い上がってドキドキして、回りの静けさが逆に緊張感を増幅させ、
とてもリラックスどころではありませんでした(笑)。
結局衣服類はほとんど見ることができませんでしたっけ^^

そして、ポストカードの精算を済ませ、もう一度中をぐるっと見渡してから
ゆっくりとHATIを後にしました。
今まで見たこともない夢のような空間──。
まさにそんな場所でした。

最終更新日: 2004年8月22日

 

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