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GLLERIHTI
− こぼれ話 −

■ 作品秘話

HUHATI

テラコッタの人型オブジェ。遺跡からの出土品というコンセプトで製作されたとか。
はるか古代の遺跡から発掘された出土品が現代につれてこられ、遠い空を見つめている。といったコンセプトのもとにつくらました。作品はまさに埴輪のような雰囲気です。
100体限定でつくられたこの作品は、その形状から大変苦労して製作されたようです。
通常は型の中にどろどろの粘土を詰めるのですが、それでは焼き上がりの質感がでないということで、型に手作業で詰めていったとのこと。平らな部分がないために乾かすにも一苦労。試行錯誤の末に腰と太ももにお布団をはさんでそっと寝かせる。という方法がとられたのですが、そうやって慎重に扱っても完成品となるのは5体に1体だとか。

 

思い出の距離

HATIのカウンター前においてあるテーブル。
渦巻きというのは人の手でかくしかないそうで、このテーブルも微妙に左右の渦巻きの形が違うそうです。
製作は時間をかけ丁寧に行われたようで、脚となる渦巻き部分はナラ材をつなぎ合わせるそうですが、その工程だけで10日かかったようです。
大きなブロックになった木をこんどは丁寧に削っていきます。最後は手作業で5名のスタッフが3日かかりで仕上げたとのこと。
とても滑らかな質感は職人の丹念な手作業で出来ていました。

 

FING(ACRIシリーズ)

イルカやクジラの腕(フィン)をイメージしてつくったオブジェ。
自然保護へのアンチテーゼを込めて、生命のもつ美しい流線型の形を象牙のような質感で表現しています。素材はFRP(ファイバーガラス強化プラスチック)を使用。当初石井さんはこの素材をあまり気に入っていなかったようですが、人間の背丈ほどあるオブジェを壁にかけるためにはこの素材が適当だということで採用されたらしい。象牙の風合いを出すのに固めたFRPに丁寧に着色をしては削っていくという作業を繰り返したそうです。
細かい工程を経て、象牙質の層が重なり合っているような質感が見事に出来上がったのでした。

 

水の行方

椅子の背の部分が魚の骨を思わせる椅子。
これも職人の手により丁寧に削られたのだと思われます。
頭の部分にはやはり渦巻きが取り付けられていて、回転させることもできるそう。
このオブジェはちょうど河童を撮っている頃に作られていましたが、デザインを思いついたのははツアーの打ち上げでテーブルの上に置かれていた皿に誰かの食べ残しがきれいに並んでいるのを見たときだったらしい。
そこには、さざえとほっけの骨がきれいに並んでいたそうです(笑)。
作品のインスピレーションは思いもかけないところからやってくるみたいです。

 

最終更新日:2004年8月18日

 

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