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GLLERIHTI
− こぼれ話11 −


■ 表参道への移転とともに代官山HATIに幕

HATIの移転は、メールオーダーカタログ96年春夏版で明らかにされました。
大上段に構えたアートではなく、もっと身近なものを──
石井さんからの告知にはそういった内容のことが書かれていました。

GALLERIA HATI が最終的にクローズしたのは、1997年1月31日ですが、
実際には表参道への移転に伴い、代官山ギャラリーがクローズした
1996年5月19日で終止符が打たれていたと思っています。
HATIはあの代官山の空間があってこそのHATIであり、
それがなくなってしまえばもうHATIとは呼べないんじゃないか。
ということで新しいHATIにはとうとう行かず仕舞いでした。

箱ものを維持管理していく難しさ。
米米CLUBが一番リッチだった時期に、作られた贅沢な空間を
維持していくことが難しくなったためかと思います。

また、HATIはそれ自体が完成された世界だったがゆえに、
自由な展示が難しかったという側面もあったことでしょう。
石井さんはHATIのあり方について相当迷い、クローズすることを
考えた時期もあったようです。
地方に住むファンにとっては、いつか行きたいと思いつつ、
なかなか足を運べなかった人もたくさんいました。
そんなファンと作り手であり日々HATIと関わっている石井さんとでは
意識が大きく離れていました。

石井さんは大阪にTENをオープンさせたり、ウィークエンドギャラリーとして
CRIAをオープンさせたり、いろいろ試行錯誤をしていましたが、
石井さんの中ではおそらくHATIが出来たときにひとつの試みが
完結してしまっていたのかも知れません。

そして、GALLERIA HATI は3年間、夢の空間を提供し続けて、静かにその幕を閉じました。

最終更新日:2004年8月15日

 

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