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SHARISHARISM DECADENCE
〜疑惑の多様ショー〜 素直なパパ編

1992.11.29 大阪城ホール

 

<メニュー>

ありがとうの星
素直なパパのテーマ
君がいるだけで

MC

どっこいFUNK
だってシュークだもん
ガラスの月
りんご追分
川の流れのように

ブラバンブギ
(巨人の星、ロッキーのテーマ、オリーブの首飾り、君の瞳に恋してる)

愛してる
恋人たちの想い出
ヤスチャン
狂わせたいの

KOMEKOメドレー
Paradice sure dance / I CAN BE OH! / 浪漫飛行/
Funk-a-
ねーちゃん / Troubled Fish / Simple Mind / Sexy Power /
So Cool / FUNK FUJIYAMA /
なんちゅうこというの /
アジテーション / Shake Hip! / かっちょいい /
Peeping Tom / KOME KOME WAR /
加油

JUST U

(BONUS SHOW TIME)
なんだおう
Knowマジック

ごきげんよう
Party Night

一日の休みをおいて、今日は<パパ編>。
チケットを持っていなかった私は友人のおかげでチケットを入手し、
開演ギリギリに会場へ滑りこむ。
16列目ミナコちゃん側、端から4番目のブロックの先頭でした。
慌ただしく荷物を下に置きながら、入場できたことに感謝、感謝……。



■ありがとうの星
■素直なパパのテーマ
■君がいるだけで



席について隣の人に挨拶し、さて、……いよいよ。と思いきや、
はじかれたように、「ありがとうの星」で開幕〜!
紫のビーズいっぱい、ゴージャスなテッペイちゃん。
深紅の(ベルベットか?)スーツのシュークの2人。
今日のフロントのいでたちはなかなか水っぽい。

曲が終わり沸き起こる拍手の中、テッペイ氏が身振りで「シーーッ」と言っている。
もちろん言うことを聞くわけはなく、あちこちから「テッペイちゃん!」の声が飛ぶ。
その度に彼は怒ったような仕草を見せるが、どっと笑いが起こり、
静かになるどころか、なおも声援は飛び続ける。
女の子の声に混じって、男性客が「テッペイちゃーん!」とやると途端に会場は ドーーーッ と大受け。
テッペイちゃん、笑いが引くタイミングをうまく見計らい、素直なパパ編のテーマ曲スタート。

続けて「君がいるだけで」へ。
松山でやったホールバージョンでは、カラオケでやっていましたが、レコード大賞まで取った曲を一番始めにもってくるところがイイ。
どうしてもやらなきゃいけない曲はサッサとやってしまおうというわけですネ。

そして、「センキュー!」と、いつもの第一声でMCへ。

前々日の<ママ編>に引き続き、彼の舌はとてもなめらか。喋る喋る……、機関銃のよう!
「今日も時価数十万の衣装を身につけて出て参りましたぁ〜」、
「こんなド派手なカッコしてんのに、なんでベストドレッサー賞に選ばれないんでしょーか」、
「近頃の若者のファッション見てますと、汚ねえジーパンを履きまして、靴下みてえなのを被りましてですねー……、アレがカッコイイんですかねぇ。やっぱり『金は無くともヴェルサーチ』みたいな、そういうのが日本人にあってます。」
……?……。アナタぐらいのもんでしょうに(笑)。

そして、ご当地ヨイショ(笑)。
「大阪の人は自分で自分を盛り上げる作業が上手い。
『(手を叩く仕草で)ええで、ええで・・・』ってすごいんですよぉ!」
ひとしきりおだてあげた(?)後、 恒例のノリを合わせるための掛け声も、大阪弁でいきましょうというわけで、
(テッペイ)「ほな行きまひょかァ〜」、
(客)「ほな行きまひょ〜」。
この間の抜けた響きに、ちょっと一人受けをしたテッペイちゃん、
「明っかるいなぁ。みんなラテン系なんじゃないですか? ひょっとしてみんなデ・ラ・ルスのメンバーだったりして」
とご満悦のよう。
「この頃いろんなバンドありますが、カッコつけた奴が多い。
カッコつけてる割には脚がすんげえ短かったりなんかして、
やっぱりステージ乗るならワタシみたいに脚が長くないと」
とまくしたて、イ〜ヒッヒ……と、お笑いになった!

「……!?……」と、引く客席。その雰囲気を察知してか、
「いやぁ、今日はワタシは朝からとばしましてですね、悪い薬やってるわけじゃないですよ。
大阪に来たからオレらしい歌を一曲ビシッと決めないといけないと思いまして、
便所に入って作ってきました。」

その曲のタイトルが『ほんまやで』(大爆)。

これにはもうウケまくりました!
しかも、おもいっきりチープな曲。もちろん伴奏なんてナシ。テッペイ氏のアカペラです。
♪ほんまやで〜、ほんまやで〜。わてを信用しておくなはれ。ちょいと1万貸しとくなはれ。
……書類なんぞは要りまへんで。口約束で十分でんがな。……♪
というトンデモナイ歌です。バブル崩壊にあえぐ浪花商人の哀歌ってところでしょうか。


■どっこいFUNK
■だってシュークだもん



さて、本日の<疑惑の多様ショー>、コンセプトは、各メンバーがそれぞれコーナーを受け持ち、リレー式に芸(歌)を披露するというもの。
トップバッターは費用ン千万円をかけ、アメリカから呼んできたという豪華(?)なゲスト。
なんでも、あのマイケル・ジャクセンの前座を務めて火がついたとか……
さんざんな前フリの後に出てきたのは、バブルガムが相撲取りに化けたような、
その名も「どっこい兄弟」。
「兄」がジェームス小野田で「弟」がBHBの下ちゃん(ヒマラヤン下神さん トランペット)でございました。
いやいやナイスなキャスティング。
二人が歌うは「どっこいFUNK」。
その熱唱があまりにすご過ぎて、こっちゃあ呆気に取られてしまいましたがな。
しかし、曲(メロディ)はイイ。詞さえマトモだったらねえ……。
ま、そんな曲は米米にゃゴマンとあるけど。
途中、イントロではカバンの中から何やら白い紙切れを客席にばら撒こうとする。
が、うまく前へ飛ばない。
後ろでテッペイ氏がニヤニヤ見ている。ナント、ばら撒いたのはコ○ドーム!
エイズ撲滅に一役買おうという意図があるのかないのか、時代を反映した演出ですね〜。
このキャラとこの歌。ちょっとクセになりそうな私です。
しかし印象的なのはテッペイ氏の表情。それはもう嬉しそうに見守っておりました。
きっとやらせた張本人だったのでしょう。

二番手はシュー・クリーム・シュ。ミナコ&マリ。
ミナコが緑でマリが赤のピッタリしたお衣装を身につけての登場。
スタイルがいいから決まるのよねぇ。ほんとうらやましい。
パンツは片足だけショートになっておみ脚を見せている。ブリッコ口調での挨拶の後、
(ミナコ)「今日は大阪のみなさんが盛り上がってくれてるんで、
ちょっとだけ大阪弁で会話をしてみたいと思います。」
期待の歓声。しかし肝心の会話の方はハズしてしまい、
二人は目をキョロキョロして客席の反応を見ているのがカワイイ。
一瞬の間を置いての拍手。
その間合いの悪さに袖のスタッフも一緒になってこけていたのがほのぼのして良かった。

歌は「だってシュークだもん!」。
なめとんか……、というようなタイトルがまたGood。
テンポのよい曲で、歌の途中に入る「ヒロシく〜ん」がポイントです。

「だってシュークだもん!」のエンディングに乗って、
シュークと入れ替わって登場したのは、マネージャーの国府田(コウダ)氏。
「ぴあ」から「シャリシャリズム」へ転職したという経歴の持ち主。
シュークの踊りを真似て出てきた国府田さん、ちょっと恥ずかしそう。
マネージャーでありながら、彼はライブで司会も担当する芸達者だけど、
ダンスまでやらされるようになったのね〜。
客席からは盛んに声援が飛ぶ。すっかり人気者になった国府田だんです。
彼は流れるような司会口調で客を座らせ、次のコーナーを紹介し始めた。
そして「これからまだまだ凄いキャラクターが登場するので、気を確かに持って観るように……」
なんて注意が告げられる。
「どっこい兄弟」より凄いキャラなんてどんなん? といやが上にも期待は高まる私たち。


■ガラスの月
■りんご追分
■川の流れのように


オルゴールの音色に場内は水を打ったように静まりかえる。
真っ暗なステージに一筋の光がさし、シタール・マチコ(コーラス)を照らし出しす。
「ガラスの月」を彼女が静かに歌い始めると、冬の夜空のように空気が澄み渡ってくる感じ。
このコンサート以来、大好きな曲になりました。
この曲、知ってる人は知っている。90年のSHARISHARISM  ART  WORKツアーでのアンコールで披露されたイントゥルメンタル「パットミセテネー」なのです!
ギタリスト、ベー作曲のポップなインストがこんな風に変身するとは!
ライブだけでやってるのはもったいない……。それほど素晴らしい曲でした。
「ガラスの月」のタイトルにふさわしい、マチコちゃんのクリスタルボイスにしばし酔いしれたのでありました。

そうしたら── 。
急に不気味な笛の音が流れ、階段の上に現れた奇怪な人影。背にはコウモリ傘のような羽。
大きな耳がピンと突っ立って、サングラスをかけ、全身紫色。ドラキュラの出現か?

……それはゴージャス男、テッペイちゃんでありました〜!

あまりの恐ろしさにメンバーをはじめ、歌姫マチコまで逃げ出した。
ここから、カールスモーキー・石井のワンマンショーというわけ。
しかし、あまりといえばあまりの格好。かれが被りモノ、担ぎモノをするのは珍しく、笑いがとまりませんでした。
被りものといえば、かつてのWドリブル以来でしょうか?
もっぱら、人に(主にジェームス小野田が犠牲者になるのですが)変な格好をさせて、自分はそれを見て喜んでいることが多かっただけに、ファンのショック(笑)は大きい。

で、その格好で、

「りんご追分」

ときた日にゃ。もォ〜たまりまへん。
り〜んご〜〜〜の花〜ビラビラビラがあ〜〜」と歌うもんだからこっちは笑い死にしそうでした。
この自分を捨ててかかった芸に、エンターティナーとしての執念を見た思いでした。

歌い終わって、客席にごあいさつ。

「夜空こうもりでございます(笑)」

幼少のみぎりより、美空ひばりに師事してきたということで、
名前も彼女の向こうをはって『夜空こうもり』。
スターの価値は衣装のビーズの数で決まるということで、
ひばりに負けじといっぱいの金ボタンをつけてきたとか。
また「銀座の『白バラ』というところでディナーショーを務め、
一日二回、9時半と11時45分の出演で、日給4千800円── と、
ご丁寧なる説明には恐れ入りました。

「『こんなもん見にきたんじゃない』というお客さま。わたくし、こういう修羅場は慣れております(笑)」

……亡くなった美空ひばりさんを冒涜しているなどと言ってはいけません。
これは米米流の敬意の表しかたなのですから。テッペイ氏のトークはつづく

「戦後の苦しい時期を乗り越えたのも、美空ひばりさんの歌があったればこそ。
みなさん、もう泣かなくていいんです。……」
バリバリの戦後生れ世代を前にして、そんなん言う?……
ともあれ、平和な現代を謳歌しようというわけで「川の流れのように」を高らかに歌い上げる。

ステージに備え付けられた階段の最上段に上って、気持ちよく歌っている最中、
スタッフがでてきて次のコーナーの準備を始める。
こうもり氏の追い出しにかかっているようで笑える。
……マイクが5本!
とくりゃ、次はBHB(ビック・ホーンズ・ビー/米米のホーンセクション)の面々の登場だ〜。

夜空こうもり氏が最後のビブラートを震わせて笑いをとってるところへ、
BHBの5人組が姿を現す。
揃いのスーツに身を固めて……。今度は拍手が5人へおくられる。
こうもり氏ちょっとご機嫌ナナメ。
「早く消えろよ」という5人の雰囲気にしぶしぶ引き上げる。
引き上げながらも尚も悔し紛れにオリタさんを血祭りに上げ
「ナニよこの人……。桂 文珍みたい。オレンジの頭なんかして……。
キライ! お笑いのインテリなって大キライよォ〜」と言いながら消えて行きました。


■ブラバンブギ
■愛してる


さあここからは、BHBのショータイム。
一世を風靡した(?)「ブラバンブギ」を引っさげての登場です。
Saxのオリタさんの音頭で、三、三、七拍子。座っていた客は次々に立ち始める。
「われらBHBがブラスバンドの真髄をお聞かせしたい!」
というわけで、始まった曲は「ブラバンブギ」。
これはもう傑作でございましょう! コ○ンに手をやる危ない振りに、会場はまたまた受けまくる。
ブラバンブギのテーマの合間にみんなのお馴染みの曲をメドレーで入れてゆく。
「巨人の星」やら「ロッキーのテーマ」やら……、
果ては、ドリフものも登場。
さらに金ちゃんのムーディーなSaxソロでは、色っぽいわかばさん(河合わかば;トロンボーン)の服を脱ぐパントマイムに会場の盛り上がりも頂点を極めました。

そしてまたもやテッペイ氏の登場。紫の燕尾服。
「さっきのコウモリ氏の衣装とは別物……? 」
なんてひとり思っていると、テッペイ氏の紹介でコーラスグループ「MJM」登場。
またろう(パーカッション)、ジェームス小野田、マチコ(コーラス)の頭文字をとって「MJM」というわけです。
小野ちゃんはタキシード姿。珍しくまともな衣装です。
テッペイ氏に「誰かに似てますね〜。ひょっとして、どっこい一郎さんじゃありませんか?」
などと突っ込まれてもただ首を振るばかり。
そしてC.S.石井with MJMによるアカペラの「愛してる」。
出だしを合わせるために、小声で「3、4……」とタイミングをとるところが妙に気に入っている。
サビから全員で入った後、テッペイちゃんがソロで、安ら〜ぎの中〜と歌いだすと、
囁くような歌い方にウットリ。
4人のハーモニーも絶妙でこれまでの恐ろしい展開を挽回して余りある
素晴らしい歌声でございました。


■恋人たちの想い出
■ヤスチャン


MJMを見送り、テッペイ氏がステージに残る。
「今の曲できっとカップルが出来たことと思いますが、ぜひ結婚してみてください(笑)」。
さらにシットリものをもう一曲。
テッペイ氏お気に入りの「恋人たちの思い出」。
正直いうとあまり好きではないけれど、そこはライブの良さで、
ベーのギターにオリタさんのフルートが加わり叙情的なムードを盛り上げてました。
しかも、間奏の「口笛」も本物だ〜。
テッペイちゃんの口笛をナマで聞けたのはラッキーでした。

……がしかし、そんなセンチメンタル気分も束の間(笑)。
それまでの美しいメロディが、不協和音にとって変り、
そのあと何とも奇妙なメロディが……やがて民謡のお囃子調に。
……???……。
バックからシュークやらBHBやら飛び出して「アーイーヤー」と踊りだす始末。
気持ち良く歌っていたテッペイ氏は余りの展開に声もでない。
こういう演出大スキよ〜。
迷曲「I Love You」を彷彿とさせる、テッペイ氏呆然の図!

そしてトドメに小野ちゃんが上段に現れ、彼のヴォーカルでそのまま曲は沖縄民謡へなだれ込む。
後で分かったけどこの曲のタイトルが「ヤスチャン」なんだって。
小野田 安秀の「ヤスチャン」というわけです。
南国らしい開放的な曲に、阿波踊りのような振りが加わり、
こっちの脳ミソもトロトロになりそうです。
小野ちゃん登場の曲はどうしてこんなに味のある名曲ぞろいなんでしょう。
そしてこれが名曲だと感じる米米な耳に呆れます。


■狂わせたいの
KOMEKOメドレー
■JUST U


すっかり頭が空っぽになったところへ、今度は強力「リンダ」ナンバー「狂わせたいの」。
これにはやられた。これで中毒に陥らないはずはない。
みんなすっかり乗せられて、煽られるままジャンプ、ジャンプ……。
踊り狂ってるさまは見物だったことでしょう。

そして、立て続けに、楽し〜いメ〜ドレ〜。愉快〜なメ〜ドレ〜……と、
テーマ曲にのって「米米ドレー」の始まり〜。
「おいしい曲を おいしいとこだけずら〜と並べ、『1分間に1回のエクスタシー』」というコーナー。
おなじみの曲のオンパレードに会場はすっかりダンス大会になっている。
個人的には「Sexy Power」が嬉しかった。
そして、ブレイクした「浪漫飛行」、ホントなら、「会いたいと思うことが何よりも大切だよ……」という歌い出しを、

「会いたい〜と思わ〜ない!」

でサッと歌い捨てたところが大変気に入っている。
こうやって期待を裏切る技はさすがです。しかし、あまりに1曲が短くて味気ない。

「Shake Hip!」がメドレーに入ってるってことは、フルで演奏しないってこと?! 
それはそれでいいけど「かっちょいい」や「加油」 までメドレーに入れてしまって、
アンコールはどうすんの?! などと思ってしまう。
やかましいファンの性でございます。
……それはさておき、メドレーのラストは「JUST U」でキレイに締めくくって本編は終了とあいなりました。


(BONUS SHOW TIME)
■なんだおう
■愛Knowマジック
■ごきげんよう Party Night



恒例のボーナス・ショータイム(アンコール)。
スタンド席から「ボーナスコール」が始まり、アリーナ席へと広がっていく。
3日目ともなると客の方も打ち解けてくるのか、単にお調子者が揃っていたのか、
ボーナスコールもノリがいい。それで気をよくしたのか、
テッペイ氏:「ありがと〜! 涙が出たゼ」
なんて、しゃーしゃーと言ってくれる。よく喋る男のファン泣かせの言葉は続く。
「バブルが弾けてボーナスが期待できないんだったら、こっちからあげちゃいましょう。
引かれた分あげますから……楽しんでいってくれ〜っ」
「イェーーー!」

というわけで、ボーナス・ショータイム 1曲目は、新曲「なんだおう」。
アンコールで新曲をやるところが挑戦的でいい。
しかも万人には到底理解してもらえないようなマニアックな曲を。
米米ドレーの不機嫌はどこへやら大満足のワタクシでした。
ジョーロを片手に踊るシュークが最高で(かわいいぞうさんのジョーロだ)、歌も踊りもコミカルでいい。
でもなんでジョーロなの……?
ミナコちゃんはひとり先走って次の振りに行ってしまい、前列の客を沸かせていた。
手を叩いて喜ぶ客に「そんなに笑わなくったて……」とすねた表情がかわいかった。
こういうサービス精神がミナコちゃんの人気の秘密でしょう。
盛り上がりのギターソロでは、セットのお月さまが真っ二つに割れ歓声も高まる。

説明しておきますと、この<パパ編>のセットは、階段など大きなところは前日の<ママ編>と同じですが、
オブジェが替わっていて、階段の一番上段には、<ママ編>のスフィンクスの代わりに、
人面お月さまのオブジェになっている。
メニューに合わせて(ガラスの月や 夜空こうもりのコーナーなど)セットも配慮しているのでしょう。

話を戻して、この「なんだおう」、かつての「なんですかこれは」、「なんでもいいんじゃないの」、「なんちゅうこというの」に続く、「なんでシリーズ」第4弾というところか。
客のウケもすこぶるよく、このシリーズもどこまでいくのか見当もつかない。

続いては正当派の「愛Knowマジック」。
なじみやすいメロディラインと、分かりやすい振りでポイント曲の上位に浮上してきた曲です。
ポップス嫌いのワタクシも、この曲はOK。
客電をつけ「みんなで踊りましょう」というようにシュークが客席を煽る。
会場が一体となって踊るさまはとてもキレイ。
踊りに夢中になって不覚にも見逃してしまったけど、
この曲のエンディングでリーダーのBON(ベース)がスピーカーにつまずいて転けそうになり、
メンバー諸氏 大ウケでありました。
彼は何かにつけダシにされたり、からかわれたりとイイ味出してます。

そして、メンバー全員1列にラインナップ。恒例のメンバー紹介と、DECADENCEバージョンの礼をして退場ぎ、「また会おう……すぐに。」と期待を持たせて消えて行った。

再びボーナスコール沸き起こる中、客電がつき「本日の公演は終了しました……」のアナウンス。
えっ? これでおしまい?そんな……
くじけずにコールが続く。帰りの電車が気になるのか、中には帰る客もいたりして、
そうなるとこっちの手拍子も力が入ってくる。この間、かなり長かった。。

すると── 、
またメンバーが飛び出してきた〜!
(テッペイ)「だから言ったでしょ。ボーナスあげるって!」
「きゃーー!!」
「……中には『もうヤメロよ』という方もいるかも知れませんが、
もう1曲だけ……ぜひやりたい!」
と、またまた泣かせてくれるじゃないの〜。
ラストはアルバム「聖米夜」にも収められている、「ごきげんよう!PARTY NIGHT」。
これは88年か89年に「パリ祭」と銘打って、女子大巡りの学園祭を敢行したライブのテーマ曲「ごきげんようパリ祭」のリメイク版。
温ったまり系のイイ曲に仕上がっている。企画ものの曲だけに、普通ならもう演奏されることもないはずだけど、このテッペイ氏お気に入りの曲が見事に生まれ変わって日の目を浴びることができてほんとに良かった……。

本当ならここでもう一曲。大阪名物「雨の御堂筋」といきたいところだけど、
それは最終日に温存ということで、今日はこれでお開き。
それでもアットホームなコンサートで、とってもハッピーな気分で会場を後にしたのでした。

 

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