上妻宏光 LIVE HOUSE TOUR 2002
BEAMS
2002.8.11 Zepp
Osaka
曲目 On Bourbon St. |
テッペイちゃんとミュージックフェアやライブで共演していたのがきっかけで、
上妻さんのライブに行ってみようと思い立った。
昨年の秋頃だったろうか、ラジオで彼が紹介されていて、「游(yu)」という曲を
聞き、興味を持った。テッペイちゃんが二胡チェン・ミンや雅楽の東儀さんと
コラボレーションしていたので、三味線もいいのでは…?と思っている矢先に
ミュージックフェアでの共演。流石早いと感心したものだった。
今回の上妻さんのツアーは、全国のライブハウス規模の会場を回るもので、
彼にとっては2回目のツアーとのこと。この大阪が初日だった。
会場は、Zepp Osaka。ここは大抵テッペイちゃんの
ART NUDE 公演でしか行っ
たことがなく、夏は初めて。
ビュー友ごま嬢と一緒に参加してきました。
ピアノのゆったりした音楽が会場を流れている。
やがてバンドのメンバー始め上妻さんがステージに入ってきてスタンバイ。
和太鼓の音とともに曲が始まった。
「On Bourbon St.」
バンドの構成は、ドラムス、ベース、キーボード。中央にコントラバスがあり
ドラムセットには和太鼓が入っている。メンバーはみな若い。
上妻さんは、黒×ゴールドの斜めストライプのノースリーブシャツ。ラメ入り。
黒パンツといういでたち。首からストラップをかけ、スタンディングでの演奏。
ラフなんだか派手なんだかよく分からない(笑)。
青年のあどけなさを残した面差し、ゆるくパーマのかかった茶色の髪。
顎くらいまである。
端正な顔立ちは、ちょっとスキーの荻原に似ていなくもない。
お父さんお母さん世代が目立つのもなんとなく頷ける。
後半にさしかかったところで、和太鼓を効かせたシンプルなサウンドから、一転、
ベースが入りビートの効いたロック調の演奏に変化する。
照明も赤に変わって、上妻さんの情熱を表すかのようで効果的だった。
彼の三味線は、三味線は三味線でもコード付きの三味線で、
以前、ART NUDE
でテッペイちゃんと共演したときには気付かなかったけれど
エレキ三味線なのでした。
強く叩くように弾くと相当な迫力がある。
「Beams」
2曲目は、チャカチャカチャカという軽快なリズムで始まった。
暗転の中、ステージのあちこちに置かれた大きな照明が点滅して、三味線の
演奏に呼応する。
上妻さんは、大きく手拍子をして会場のノリをリード。
前列下手にいたファンとおぼしき1団がたまらず立ち上がって手拍子。
コアなファンは人数にしても少ない感じ。
あとは私たちを含めて様子見的な客が多い。
この曲はノリもよくとても気に入りました。
ここでMC。
「みなさん、こんばんはでございます〜。」
第一声からプリティだった(笑)。
演奏もさることながら、どんな喋りをするんだろう?
というのが気になるのはビューラーの性だろうか(笑)。
いくら歌や演奏が素晴らしくても喋りが、妙に気取っていたり、寒かったりする
と見る気がしなくなる。
「三味線の演奏にも手拍子がもらえるようになるなんて嬉しいですね。
今回のツアーは、三味線というものの音や僕の息遣いみたいなものを感じて
欲しいということで、 zeppを中心としたライブハウスで回ってるんですけど、
大阪がいっちゃん最初(笑)。
前回のツアーもそうだったんですけど、大阪はノリがよくてすごく盛り上がって
くれたので、今回も負けないように盛り上がって行きたいです。」
ややはにかみ気味、ゆったりと話し方に彼の人柄が出ているような…。
それでいて茶目っ気もある。
会場をほのぼのと和ますMCだった。
「風」
「夕立」
「In Memory Of NY 」
次は3曲続けての演奏。始めの2曲はファーストアルバムに入っているもの。
でも、今回、上妻さんが1曲ずつ曲名を紹介してくれたのはありがたかった。
ファーストアルバムは聴いていたにも関わらず、どっから曲が変わったの
やら分からないゾー。(爆)
「夕立」と「In Memory Of NY 」のつなぎ目がまったく分からなかった。(爆)
MC。
「最近よくあちこちキャンペーンで行かしていただいてまして、
先日の『おはよう朝日です』観た方いますか〜?」
会場のあちこちから「観たよ」と声が飛ぶ。
「あれ、ホント朝早いんですよ〜(笑)。
このあたりで、客席を笑わせようとしたけど空振り。
やや落ち込んだ様子……(笑)。
「……え〜〜、シーンとした雰囲気の中、シャベリを続けたいと思いますが…」
ここで客席からドーーと笑いが。
「受けた〜!
嬉しいなぁ。大阪で受けるとすごく嬉しいんですよ。これでもう
みんな帰りの新幹線の中、『大阪で受けた!』って喜びながら帰れます。」
《なんて可愛い……爆》
でもこれくらいで喜んでいるようじゃ〜、(チッチッ)まだまだ……(笑)。
「僕は6歳の頃から三味線を習っていたんですけど、自分ではカッコいい
楽器だと思いつつなかなか人に言えなくて……。
でも分かって欲しいという思いがあって、ロックミュージシャンとコラボレーション
したりしてるうちに、新しいサウンドというか、民謡とは違う、現代でも通用する
んじゃないかと思ったんですね。
それで三味線の枠を広げていろんな幅広いサウンドを追求していきたいと思って
いるんですけれど。
どうか、うるさい音だという捉え方をせずに、三味線でこんなことができるんだ。
というところを楽しんでいただきたいと思います。」
「次もジャズ風の曲で、『カー〇◆?△……』。」
《ん?》(ひどく言いにくそう…^^)
「噛まないようにしようと思ってたのに……、噛むと大阪は厳しいから(笑)…
次の曲は『カーフュー(Curfew)』という曲です。」
「Curfew」
この曲で初めてコントラバス投入〜。
もう渋いのなんのって。
三味線とコントラバスがこんなに合うとは思わなかった。
ジャズの風でありながら、旋律は民謡っぽいところもあり、それがうまく
マッチして新たな魅力を出していた。
カサカサしたようでいて厚みのあるコントラバスと、三味線のピンと角の
立った艶っぽい音色が妙にマッチする。
これは拍手喝采ものだった。
途中なんとも不思議なハーモニーの中、激しく弦をかき鳴らしてプレイする
上妻さん。
この曲は非常に面白かった。
反面このあたりから、三味線の音の強さが気になり始めてもいた。
MC。
いきなり前の方の客に「くしゃみ…大丈夫ですか?」
と話し掛け、笑いが起きる。
ここで、プローモーショントーク。
まずは、2ndアルバム「Beams」リリース。
前作の「AGATSUMA」はナント、日本ゴールドディスク大賞邦楽部門で大賞を
受賞したそうな!
すかさず男性客から、「よっ!」
と声がかかる。
同じように「よっ」と応じる上妻さん、
「なんだか、浪曲(なにわぶし)やら歌舞伎みたいになってきましたね〜(笑)。」
2階席にもコアなファンが多そうで、さかんに声が飛んでいる。
「今回は、前作に負けないくらい三味線の幅を広げられたんじゃないかと
自分でも大変満足しています。会場でも販売していますので……多分もうみなさん
すでに持ってるでしょうから(強調)、
販売コーナーはガラガラだろうとは思いますが(強調)、
万一まだの方は会場でも買えますのでよろしくお願いします(爆)。
ここでいきなり、「ノッテルか〜!」
どう反応していいか分からず、まばらに声が上がる客席(爆)。
私は思わず「ノッテルよ!」と言いそうでした(爆)。
哀しきビューラーの性……。
続いて、テレビ出演の告知。
「8月17日(土)、ニュージックフェアに出演します〜!」
これには会場から盛んな拍手と声援が飛ぶ。
「…やっぱり、ミュージックフェアって、番組名を言っただけですごい反応ですね。
関西では関西テレビで放送されますが、偶然このコンサートのスポンサーも
関西テレビなんです(笑)。」
《スポンサーよいしょも上手いこと。笑》
「今回、新しいアルバムから『Beams』もやるんですけど、共演がアルフィーで、
実はあの名曲『メリーアン』もやります。」
などなど、曲名にいたるまでこと細かく説明してくれる。
「スタジオではえらく盛り上がりまして、高見沢さんなんか凄かったですよ〜。
あの人のエフェクターは凄いんです。もうこんな感じで周りを取り囲んでまして、
僕みたいな貧相なエフェクターとはわけが違いました(爆)。」
と、いうところで曲へ。
「Accustom」
「Solitude」
上妻さんの「1-2-3-4」の生声でミュージックスタート。
途中、キーボード、ベースのソロがあり、ジャズっぽい曲だった。
次の「Solitude」は比較的ゆったりとした曲。
音色も少し抑えているのがいい。
欲を言えばもっともっとピアニシモでも良かったかな。
ほんのわずかに弦を引っかくくらいの音質がとってもきれいなのに
どちらかというと強い弾き方が多い。
エレキにしているのも、上妻さん自身がロックっぽい強い音色に惹かれ
ているのかも知れない。
若さゆえかも?
MC。
「Solitude」のことに触れ、
「三味線はペンと弾いたらそれ以上音が伸びない楽器なのでバラードが
難しいんです。それでもなんとかバラードができないかと思って作った曲
です。
ここ数ヶ月、僕の周りに急に人が増えて(つまり売れて忙しくなったという
ことでしょうが…)、でも反対に孤独を感じることが多くなったんです。
そういう思いを綴った曲です。」
《ふーん、そういうものなのかも知れない……》
ここでメンバー紹介があり、
「みんなはコンピューターお持ちの方も多いと思うんですが、……
(この"コンピューター"に隣のごまさまとウケておりました。)
うちのメンバーもパチパチやってますので、是非メールとか書き込み
で、『良かったよー』なんて書いてくれると嬉しいです。
次は最後の曲で…(この時まだ1時間しかたってない:爆)
みなさんの拍手次第でどんどん曲が長くなっていきますんで
よろしくお願いします。」
「Fun」
「游」
ジャズのように各メンバーがアドリブのソロで繋いでいく。
ここで多くの客が立ち上がる。
様子見の客が、上妻ワールドに取り込まれていく感じ。
手拍子が起き、いたるところから「ヒューー!」という歓声も起きる。
そしてその盛り上がりの中で、ヒット曲「游」へ突入〜。
客席は一気に総立ちとなり、盛り上がりも最高潮へ。
メンバーが一列にラインナップ。
礼をするタイミングが合わず笑いが起きる。
手を振りつつ袖に引っ込もうとするメンバーに、早くもアンコールの
手拍子が起こっている。
大阪のこういうところは大好きだわ〜^^
アンコール。
手拍子に迎えられ、上妻さん一人が登場。
一人ずつメンバーを紹介しつつ、呼び込んでいく。
「じゃあアンコール行って見ましょう〜」
客席 拍手〜!
上妻:「じゃあ、バラードを!(爆)」
ハズしてみたつもりが何故か客席から拍手が起きる。
「え?みなさん、ここでバラード聞きたいですか?」
2階席の男性が、「聴きたい!」と大声。
上妻:「(苦笑)お客さん、一応段取りってもんがありますんで……(爆)。」
《ムフフ…なんだかテッペイちゃんっぽいかも…》
曲は、2ndアルバムの中から、ノリのいい曲をということで、──
「Grooving」
さらに拍手は続く。
メンバーが去った後一人ステージに登場した上妻さん。
スタッフが椅子を運び込む。
「折角盛り上がったところなんですが、最後は僕の原点とも言える古典を…」
《おーー最後にそれで締めますか〜。》
2階席のコアなファンからは歓声が起こる。
それを聞いて客が座りだす。
それを見て上妻さん、
「そう言ったら、途端に(客席が)沈み込みますねー。まあ、いいんですけど(笑)。」
自らも椅子に腰掛け、準備が出来たところで曲は──
「津軽よされ節」
出来たら最後の曲はアンプラグドで聴きたかったかも。
まあ、それは置いておいて……
低音から高音への音の移行がとても激しく力強く、彼の卓抜した技を堪能できました。
途中何度も入る拍手。
ピシっと姿勢を正して演奏する上妻さんに真摯な思いを感じつつ、
最後を見事に引き締めて幕となりました。
おわり
DISK情報: 1st Album「AGATSUMA」東芝EMI 2nd Album「Beams」東芝EMI 2002.7.26 release |