Column ・・・美瑛の丘・一本の木

 

 美瑛には、名前が付いている木や丘がたくさんあります。そんな木や丘の魅力を、私なりにご紹介してみようかな、と思います。

親子の木
 美瑛ではとても有名な木の中の一つです。3本の大きさの違う木が仲良く並んでいる様を親子に見立てたことから、こう呼ばれています。道には案内看板も出ていますが、ちょっと分かりづらい所にあります。急な坂道なうえに、親子の木より目立つところに1本の形の良い木が見えるので、惑わされないようにご注意を。
親子の木がバランス良く見えるポジションは限られています。しかも、ここは車を停めるスペースがありません。美瑛の道には駐車場はなくても、道の端に車1台が止まれるくらいのスペースを切ってあるところが多いのですが、ここにはそれもありません。観光バスはまず停車できませんから、車内から見学する場合はきっと一瞬でしょう(^^; 
サイクリングや徒歩なら駐車場の心配はありませんが、この辺りはハードな急な坂道が多いので、覚悟の上で挑んでください(^^;
とあるポイントに立つと、なだらかな丘の上にちんまりと寄り添って立っている親子の木の姿が見えるはずです。
 実は、この親子の木のすぐそばに行ける道があります。砂利道でとても狭く、一方通行なので、大きな車で入るのは無理です。基本的に農作業をする方のための道ですから、無茶するのはやめましょう。観光タクシーで回ると、この砂利道を穴場だと言って案内してくれるようです。実際パッチワークのような丘の景色を眺めながら爽快に走れるとても景色がいい道です。そばに行くと、親子の木が家庭内別居状態だということが分かったりします・・・?(^^;

マイルドセブンの丘
 たばこのCMのロケ地として有名になった丘です。いつ頃の、どんなCMだったのか分かりませんが・・・。カラ松の一群が丘の上に整然と並ぶ、美瑛を代表するような風景が見渡せる丘です。ここも、実は観光客泣かせの丘で、案内看板は出ていますが、なにしろ「丘」ですから、「どこからマイルドセブンの丘なの?」と言いながら気が付くと通り過ぎている、ということになりがちです。このカラ松の群は分かり易すぎて見過ごされがちのような気がします・・・。丘を登りきる前に見えてくるはずです。
丘のてっぺんから見渡す景色はたいへん美しく、いわゆるパッチワークの丘と呼ばれるにふさわしい、美瑛を象徴するような景色が見られます。堪能してください(^^)
 昨年まではこのマイルドセブンの丘を行く道は未舗装路でしたが、今年はきれいに舗装されていました。でも、観光バスはさすがに入れないと思います。復活した赤麦は、この近辺に作られているようです。ちょうどラベンダーの季節に赤く色付きます。緑の色も他の麦に比べて少し濃いめで、茎が細くひょろっとしています。(そのため倒れやすく、栽培に気を遣うそうです)素人には色付くまでちょっと区別できそうもありませんね(^^;

ケンとメリーのポプラ
 「ケンとメリーのスカイライン」のCMで有名になったポプラです。なつかし〜、なんて言う人は歳がばれますヨ(^^;(私は懐かしくありません!)とっても大きな形の良いポプラです。この木も道路のすぐ横に立っていますね。すぐそばに民宿や大きな駐車場もあるので、観光バスも立ち寄る所です。とっても大きくて立派なポプラの木です。古〜い、スカイラインが置いてあったりしますが、CMに出ていた車とはちょっとモデルが違うようです。個人的には、ここはポプラの木以外には、あまり見所がないように思います・・・。

 私は前田真三さんの写真集を眺めては、この木はどこにあるんだろう?と考え考え現地を歩いてみました。中には立入禁止になったり、木が切られてしまったり、生長して見えていたところが隠れたりしていることもありますが、同じ景色をフィルムに収められると嬉しいものです。あとで現像の上がりを見てその違いにガックリする事にはなりますが、自分だけの丘の景色を楽しむには良い方法ではないかな、と思います。

 どんな木でも丘でもそうですが、時間をかけて、ちょっと離れてみたり、高いところから、低いところから、いろんな角度から眺めてみることをお勧めします。CMにパンフレットに撮り尽くされた感のある美瑛ですが、その時の畑の作物、雲、光、で、ずいぶん印象が変わってくると思います。ぜひゆっくりと、自分だけの丘の景色を見つけてください(^^)
 そして、有名なところだけでなく、自分だけの一本の木や、丘を見つけられたら最高ですね。

 

 

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