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あのころのこびん(あとがき)


 この詩は、友達と久しぶりに会ったときに生まれたものです。楽しかった思い出をしゃべりながら、「あの頃はよかったねぇ」とお決まりの言葉で頷くのです。今がものすごく悪いわけでもないけれど、その時間には還れないさみしさとか、なくしてしまったものとか、今では難しいこととか、いろいろあって、よかったねぇと頷きあいたくなるのです。例えば、その頃だったら、「今から行くよ」「うん、わかった」から15分で会えたというのに、今は「今から行くよ」から何時間かかることでしょう?今から行くよって言えないのが悲しいねとメールでやりとりしたものです。今が悪いとか、そのときの方が絶対にいいとは言えないのですが、やっぱり、その頃は当たり前すぎてたけど、今は特別なものになってしまった事実とかが、その言葉を言わせるのです。


 「あの頃はよかった」って言うと、まるで今を見ていないような感じなのですが、やっぱりその時にしかない想いとか、出来ないこととか、それが大事であればなおさら思ってしまいますよね。そうやって、大事な記憶を忘れないでいたいのかもしれません。例えそれが悲しい記憶であったとしても。


 こんなことあったよねと話すと「え・何?」とよく忘れている友達。「えー私とのメモリーを忘れちゃったの、ひどい」と嘆く私。細かく話していくと、「あー!」と思い出してくれる。「片っ端から忘れていくからね〜」と笑う彼女に、「いいよ、私が覚えとくから」とふくれる。これからも、「え?何それ?」と言って、私に「そんなぁ」と言わせてくれればいいのだ。それで、本当ちょうどいい。


今があの頃になってしまったとしても
あなたがいる事実だけは変わらないで