ぼうけんのこびん(あとがき)


 この詩は、2000hitのキリ番を踏まれたさぼてんさんからのリクエストで「冒険」をテーマにつくらせていただきました。


 あぜ道はよく帰り道に友達と通ったものでした。つまらない帰り道もちょっとしたスリルがあってとても楽しかったものです。近道にもなりましたしね。よく私たちがあぜ道を通っていると田んぼを走ってこっちへやってくる犬がいました。あのころよりちょっとだけ(たいして身長伸びていないので(笑))大きくなった私はあぜ道を通れるのかな?


 秘密の遊び場所は、水害で出来た砂原でした。れんげの咲き乱れる田んぼを小川にそって超えて行ったところにありました。朝から夕方まで遊んだ、そんな場所です。つくしがあったり、水がたまって出来た池には小さなめだかがいたりとささやかな、でも小さな私達にとっては大きな探検にはもってこいでした。今は、田んぼにれんげあまり植えて下さらなくなってしまっていてれんげの海は記憶でしかないのがさみしい限りです。そして、私も今は遊び場所に簡単に行ける場所にはいないんですよね。


 最後の抜け道は家と家の隙間を通ると神社に行けるというものでした。でも、今では家は取り壊され、静かで小さな駐車場になってます。前を通り過ぎるたびになつかしいなぁって思います。目をつぶると思い出される抜け道の先から笑い声が聞こえてきそうで、さみしく微笑んでゆっくりと通り過ぎる、そんな場所です。


小さなころの冒険はちょっとだけ大きくなった今の私には
ちょっとだけ遠すぎる冒険のようです。