--> --> BODY{ background-repeat : no-repeat; background-attachment : fixed;} -->




こもれびのこびん(あとがき)


 これは、「ちずのこびん」や「かぎのこびん」に同じく祖母の家の庭での思い出です。もう家は建替えてしまっているのですが、庭は昔の面影を残していて、でもやっぱり何か違う…そう感じてしまいます。

 あの庭でよくおままごとをしました。どろを乾燥させたクッキーや真夏の陽射しであっためて、葉っぱを浮かべたお茶。極め付きはタオルを髪の毛にみたててかぶっていました。長い髪の毛=お姫様だったんですよね。よく登った瓦礫はもうなくって、あのトタンの下に隠しておいたクッキー、もうないんだろうなぁと切なくなります。少なくとも小学校の6年間くらいはそのままあったんですよ、土のクッキー。

 よく夏は蝉もとりました。細いもみじの木があったのですが、その細い幹にはいつも、つくつくぼうしが止まってました。でもすばやい上に、幹が細いもんだから、なかなか捕まえるのが難しかったものです。今も夏になったら、つくつくぼうしが鳴いていて、ふと幹にいるのかな?とおもってしまいます。

 でも、少しなくなったものはあっても、木も緑も変わっていないのに、何かが違う。そこにいた、あった、何かがなくなってしまったのか、私が何かをなくしてしまったのか、そう切なくなるのですが、やっぱり、時間が経っちゃったんだろうなぁと思うのです。変わっていくことは、よくもあって、悲しくもある。そんなことを考えた詩です。

私の髪も、あのときかぶったタオルと同じくら、もうちょっと長いくらい、伸びてきました。風にさらわれる髪が何か言いたげな気がしてなりません。






木漏れ日の下で
変わらぬものを探して