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さかみちのこびん(あとがき)


 これは、いつだったか大学からの帰り道に思ったことです。大学の隣の丘の上?に住んでいるので、必然的に行きも帰りも上り坂なのですが…(^^;)裏道から登って帰っていると、前から小学生の女の子が2人楽しそうに駆け下りてきたんです。時間的に小学校の帰り道だろうなぁと思って微笑ましく見ていたのですが、赤いランドセルから響いてくる教科書のぼこぼこ揺れる音と足跡、それに合わせたキーホルダーの鈴の音が、なんだか懐かしい気持ちにさせてくれました。私を通り過ぎて、坂の別れ道で、「また後でね」と遊ぶ約束をして、急いで走って帰る姿。振り返らなかったんですけど、そんな声と2つに分かれた足音、次第に遠ざかっていくそれらが、なんとも言えない気分にさせて…。


 ああ、私も同じことやってたなぁと思い出しました。私と友達も分かれ道の前は坂道で、「また後で」と言ってよく走って分かれたものです。あの坂道、懐かしいものです。もう、あんな瞬間はないんだなぁとしみじみ思った出来事でした。私の後ろで、あの足音と鈴の音が次第に遠ざかっていくように、あの瞬間も遠ざかっていってしまうんだなぁなんて。




それでも歩いて登って