やどかりのこびん(あとがき)


 この詩は、教育実習の時に体育館で海水浴の映像を子どもたちと見ているときに出来た詩です。薄暗い体育館の中で、磯の岩場に釘付けになっている姿が、昔の私と重なってしまってなんだかしみじみしてしまいました。山育ちなので、磯の岩場は密かな憧れだったのです。

 過去2回だけ潮干狩りに出かけたことがあるのですが、一度目は台風が近づいていて、ひどい嵐でした。その中で採れたのは、やどかりだけ(笑)でも、小さな私にとってはとても嬉しかったんです。でも、次の日には動かなくなっていて、「海でしか生きられない」というようなことを遠まわしに言われて、子どもなりに一生懸命考えた記憶があります。やどかりが何かすごく大事なことを教えてくれたような気がして、やどかりを採った場面はちっとも覚えていないのに、言われた言葉と青いバケツの中のやどかりだけは、くっきりと覚えています。

 なんとなく、こんな経験って誰でもありますよね。それでも、小さいときには捕まえたくって仕方がなくって、やってしまうんですけどね(^^;)ちなみに2度目は貝が大漁でしたよ( ̄ー ̄)



言葉じゃない 何か
考えたけど 言葉にならないから
答えはそっとしまっておいて