この詩は、雪の思い出です。私の住んでいる地方は、あまり雪が降りません。それで、雪はすごく嬉しいものでした。よく、中休みに理科室からルーペを貸してもらって、雪の結晶を眺めたものです。葉の上でそのまま見ればいいのに。ルーペの倍率も低かったですし、手のひらに乗せて見ようとするものだから、なかなか結晶が見れなくて困ったものです(^^;) でも、本当に雪が舞うと、すごく嬉しくて宝物でも降ってきたかのようでした。 |
3、4年に1度は、大雪もありました。大雪とは言っても、小さな私のひざくらいですが。普段は起きもしないのに、6時頃から起きて、雪遊びをしてしまい、時間を見て慌てていたら(学校がちょっと遠かったので早めに出るのです)今日は学校がお休みという連絡網がくるといった感じでした。小さくて、土まみれのでこぼこした雪だるまに、墨の顔を作ったのですが、不思議と笑っていたような気がするのです。口なんて、ただのまっすぐな墨なはずなのに…。それでも、数日でかき消したように、ゆきだるまが消えていくのは妙に、悲しかったものです。茶の間から見えていた、ゆきだるまの背中が思い出されます。なぜか、こっちを向いていなかったんですよね(笑) |
なんとなく、外を見て「あ、雪だ…」と思うとあのルーペの向こうの結晶と土まみれのゆきだるまが思い出されてならない今日この頃。 |
棒切れの手を振るのは そっぽを向いたゆきだるま もう 振り返すことすら 叶わなくて |