歌がきこえるところ


 「あっ、この歌好きだなぁ」と思う瞬間ってどんな時なのでしょう?誰だって、なぜかある歌が気になってしょうがないという経験ありますよね。私も、ちょっと前にどうしても気になった歌があったんです。あるドラマに使われていたものだったのですが、不思議に惹かれてしまい、ずっと気になっていました。何の気なしに口ずさんでいました。歌詞を覚えようというつもりはなく、口から出てくるままに歌っていました。歌詞なんて、全く気にしていなかったんです。


 ある日、その曲がシングルCDとして発売になりました。私は以前に店頭のカレンダーで、この日が発売とは知っていたのですが、それほど買うつもりでもありませんでした。でも、一体何の用事でかはわかりませんが、その日出かけることとなり、町の商店街でふと、「今日、あの曲の発売日だ…」と思い出し、購入してしまったのです。その日は聞かず、次の日の掃除中に聴いていました。ちょっと休憩がてらに、ベッドに腰掛けて、歌詞カードを見つつ聞いてみたのです。すると、それまで全然気にしていなかった歌詞が、見事に自分のその時の気持ちを表していて、「こんな歌だったっけ?」とあまりのことに、涙が出てきてしまいました。(ちょと悲しい、しみじみとした歌だったので)一体、私はこの曲の何を聞いてきたんだろうと、いてもたってもいられなくなってしまいました。


 それから、考えて、私は自分の気持ちに気がついていなかっただけなのかもしれない、と思いました。その気持ちは環境の変化でした。もう、慣れたと思っていたのに、実はその気持ちを閉じ込めていただけなのかもしれません。「歌が聞こえるところ」それは、心のもっと深い無意識の世界にあって、知らない内に歌詞を刻み込んでいっているのかもしれません。私の意識が聞いていなくても、実はちゃんと聞いているんだなあと、降参の気持ちでした(^^;)なぜか、わからないけどどうしても惹かれる理由は、もしかしたらそんな無意識の世界からのメッセージなのかもしれません。



心に響く歌ってそういうものなのかもしれませんね。