ひまわりのこびん


夏が終ると
ほのかに思い出す
ひまわりを追いかけた
穏やかな


もらってきた
3つのひまわりの苗は
庭の塀のそばで
頼りなく ゆれていた

しおれぬように

枯れてしまわぬように

じょうろを持った
小さな私の影の下で
その葉を広げていた ひまわり


夏が
その手をいっぱいに広げるころ
いつのまにか
じょうろを持ったちいさな私は
ひまわりの影の下にいた

見上げる先には
太陽と重なる 金色の花

静かに去りゆく夏の中で
色を失うひまわりから
手渡されたのは
たくさんの 小さな種

ひまわりを追いかけた
夏の

穏やかな思い出