ちっちゃな私とあなたの前に続く
白い長い道を
埋め尽くす毛虫

恐い毛虫につけた
おかしな名前

あれはバイバイ虫だから
もし出会ったら
「バイバイ」って言わなくっちゃ

2人だけの決め事

恐くなくなる呪文

「バイバイ」って手を振って
2人で微笑み合った


今、私の前に続く長い坂道
そんな道の端のぽんぽん草の上に
いつかのバイバイ虫に出会った

変わらない毛虫と
変わっていく私
あの頃をちょっとだけ思い出して
上げかけた手を
慌てて振り下ろす
思い出に手を振るような
そんな気がして

もう一度
あの頃のように
恐くないように
不安に負けないように
歩いていけるように
私に呪文をかけて

心の中でそっと呟く

バイバイ