ぴあののこびん



先生が引っ越して

いつのまにか途絶えた

私のぴあの

つづけたいと言えばつづけられたけど

なんとなく過ぎてしまった時間

なんとなく消えてしまった音


かわりに音をつづったのはあなた

私は音楽家じゃないけど

あなたのひく
「夢をあきらめないで」
が一番好き

音楽祭でいつも伴奏をつとめていたあなた

「あなたが始めたから
つまんなくなって
私も始めたんだよ」

ずっと後で聞いたあなたの
ずっと昔のきもち

どこかせつないけど

どこか誇らしく

どこか嬉しい言葉

「私はひけないけど
あなたのひくピアノが
一番好きだよ」

いつか伝えたい私のきもち