ささぶねのこびん


遠い日の帰り道
眩しいお日様の空を見上げて
道端を見やれば
そばでゆれる 笹の葉
手に取れば ぶかっこうな
笹舟
そっと 小さな花を乗せて
水路に流した

さらさらと流れていくのを
どこまでも 追いかけながら


あの頃が遠くに流れた帰り道
照りつける陽射しに目を伏せて
道端を見やれば
さらさらと 笹の葉
手に取れば こじんまりとした
笹舟
そっと 空にかざして
水路に流した

ゆっくりと流れていくのを
遠く 見送りながら


ゆらめく 流れに乗って
遠く あの日の私に
流れ着くような

そんな 気がして