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そつぎょうのこびん |
いつかくることは決まっていて それがいつなのかさえ はっきりしているのに いつだって 見えなかった 来るなんて 思いもしなかった 明日からだって ここがあるように 私だっているけど 同じ時間にはいないことを そっと 思い知る 当たり前だったことが 今日を境に 懐かしい風景になってしまう 通った道も 過ごした部屋も 笑い声も お決まりの言葉すらも 浮かんでは消えていく ここにもどれないことが たった今までわからなくて この出口をためらうけど きっと ゆるやかにたどる足が 止まることはなく 動き続ける時間の中で 確かに ここに私がいたことを かみしめて 踏み出す |