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広告のを切って作った
ぺらぺらのはがき
自分で絵を描いた切手
誰もいない家で
2人だけの郵便屋さんごっこ

自分で決めた
めちゃくちゃな住所
木星のてっぺん市だなんて
とんでもないところに住んでいた
ちいさな私と
あいうえおの町に住んでいた
やっぱりちいさなあなた
2人だけの手紙屋さんごっこ

一体何を手紙に書いたのか
ちっとも思い出せないのに
延々と書いたはずの手紙
唯一残ったのは
お互いのおかしな住所だけ

郵便番号だってあったんだから
木星のてっぺんの住所を書いて
ポストに放り込んだら
あの日に配達してくれないかななんて
ふと 考えてみる午後

そういえば

あの日もこんな午後だった

「メールじゃなくて
手紙でも送ろうかな」

久方ぶりに手をのばし
開いてみる住所録