よるのこびん


日が落ちて 夜がくるまでの

わずかな時間

紺色の曇り硝子の中のせかいに

ひとつひとつ灯るオレンジの明かり


風が運ぶ闇に 溶け込んでいく景色


月の光が空をかすめて

いっそう紺色を深めていく


耳を澄ませば

木々のざわめきが遠くささやいて


目を閉じると

どこからか 花の香り



やさしい夜の足音が聞こえる