+アゲハチョウ+


あわてて飛び出した朝

光が眩しい木々の間に

ゆらめく漆黒の羽根

時を無視して 

空気の隙間をぬうような

そのはばたきに

立ち止まって 目を細める


ふと

連れ去られそうな心に気づき

慌てて ひきとめ時間を取り戻す


そして また走り出す

まだひんやりとした空気の残る

晴れ渡った朝




あのゆらめくような羽ばたきは
時を無視しているように思えてなりません。