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+帰路+


小刻みに揺れるビニール袋と

耳にどこか遠く響くMDのメロディー

私の速度でたどる帰路

道すがら

何度か

あの夕日を通り過ぎる


すれ違う制服の影と

とても遠い犬の吠える声

私の足でたどる帰路

道すがら

何度も

あの夕暮れを通り過ぎる


ちらり振り返ったら

のびた影だけが

あの沈む陽に向き合って

私をはさんで 手を振っていた


ふっと出てきた息に

ほんの少しだけ

背筋を伸ばして

再び 帰路につくのです





忙しく通り過ぎると
気がつかないものばかりで
自分の余裕のなさに気がつきません。
夕日は鏡のようです。