+透明な風+


ぼんやりと眺めていた窓の空

記憶をふっと絡ませるには

ちょうどいい速度で

風が運ぶ空の風景

形を変えて去っていく雲

限りなく透明な風にまかせて


もし

あの風を見ることが出来るなら

絡ませた記憶の糸も

するりとほどけていくのでしょうか


午後の窓辺で

限りなく透明な風に乗った

記憶の追いかけっこ




窓の外をわかるくらいの速さで
流れていく雲をぼんやり見ていると
記憶が絡まってきて
いっそう、ぼんやりしてしまいます。