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*この頁と装甲一家の自己紹介*
さて、相変わらずの糞尿まき散らしで恐縮のポーズから始まりますよ、装甲についての屁理屈です。
一口に装甲といっても様々な種類、用途があるのは察しが付くと思いますが、具体的に数挙げてもキリがありませんので、ガワに変化がありC21のテクスチャサイズで再現できそうなモノを中心に、列挙していきます。
ということで、厳選して左に殴り描きましたが、まず
1・表面硬化装甲
文字通り表面を硬化処理した物がこれです。コンセプトとしては、ある程度の口径の砲弾は硬化した部分(浸炭焼入硬化部+マルテンサイト部)で跳弾させようというもの。また、内側には靭性を保たせて(トルスタイト部)さらに強化してあります。
とはいえ強力な砲弾で撃たれると表面が耐えきれずに割れてしまい、被害が広範に及ぶ危険性もありました。
2・均質圧延装甲
これは表面硬化装甲と対照的な特徴を持つ装甲で、靭性を持たせた装甲の厚みをフルに使って砲弾を受け止めるというものです。最も一般的な鋼板であり、大戦以降も暫く使われています。
3・鋳造装甲
ロマン溢れる(?)鋳造装甲、型に金属を流し込み、思いのままの形を作るまさに芸術。上の二点とは全く異なる製法で生まれるこの個性的な装甲は、その製法上特徴的な外見も備えた面白い物です。
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少ない行程で安価に複雑な形の物を作ることが出来るので、有効な被弾経始持った砲塔等によく使われています。また、表面に独特のザラザラ感があり、これをスキンエディットで再現するのも一興では。只、製法上どうしても不純物等が混ざり易く、厚さあたりの強度が上記二点よりも劣ってしまうのが難点ですね。
ああ、あとザクは鋳造装甲のモノコック機体だそうです。
*さらに具体的に画像なんかを出したりしながら*
とまあ代表的なものは以上のようなところですが、他にもアルミ合金製や複数の材質をサンドイッチした複合装甲、中空にしたスペースドアーマー、さらに電磁装甲なるSFなイロモノから「チョバムアーマー」でお馴染みのリアクティブアーマー、あとは丸太を乗っけたり土嚢を乗っけたり、コンクリートを塗りつけてみたり・・・挙げればキリがないのですが、最初に書いた通りそれらはスルー。上で挙げた三種類の装甲が実際どのように使用されているかを、具体的に見ていきます。
A・X号戦車パンター前面
この戦車は赤で示した前面に、表面硬化装甲を施しています。そしてそれを傾斜させ、良好な被弾経始を持たせています。さらによく見ると、前面と側面がブロックのように組み合い、溶接されている様がよく判るかと思いますが、これは溶接面を広くとる為で、こういったところを再現すると一層「らしく」なってきます。さらに、この組み合った部分から、前面と側面の装甲厚の差も見て取れます。一般的に前面が厚く、側面は中くらい、背面、上面は薄いといった配分が為されています。これもテクスチャをデザインする上での要チェックポイントですね。
B・ケーニヒスティーガー前面
A図とほぼ同じ孝蔵なのですが、なんとかこの車種をねじ込みたかったので。
さらにアップにすると、裁断と溶接の具合がよく分かります。ポンジャBDの不思議UVなら、このくらいのディティールも再現できるかもしれません。
C・KV-1前面
ソ連製の優秀な重戦車登場。登場当時はあまりの重装甲にドイツ軍大わらわ。また、後に開発されるドイツ製戦車「パンター」に多大な影響を与えました。
そんな彼にも色々な強化バリエーションが存在しますが、C図は増加装甲として均質圧延鋼板を溶接止めしたものです。
元々同じ厚みの物よりも2〜3割防御力は落ちますが、現地改修としてよく行われたようです。また、これをボルト止めした物もありますが、この辺りもドレスアップの項目として当てはまるのでは。
D・KV-1背面
これは鋼板(赤)をボルト(黄)止めしたパターンです。第一次大戦頃は一般的でしたが、強度的な面、溶接技術の発達、被弾するとボルトが車内で銃弾みたいになって危ないヨ、により廃れていきましたが、着脱の手軽さからアクセス部には使われたりもした様です。
現地で改修された増加装甲部分の表現には、重ねた鋼板にボルト止めなんかでグッとくる感じになるのではないでしょうか。
E・KV-1鋳造製砲塔背面
これは非常に特徴を捉えた画像なのでは。独特のマテリアルですねこれは。こういう無骨な質感に、シリアルナンバーをエンボスっぽく入れると、当に鋳造ですね。ちょっと丸っこいオブジェクトのみ、局部的に鋳造にしてみるのもいいアクセントになるのでは。
F・X号戦車パンター砲塔前面
これは装甲とは言わないのですが、非常に興味深い質感なので紹介をば。
この格子模様、ツィンメリットコーティングという物で、磁石付き対戦車吸着地雷を開発したドイツ軍が、
「敵も使ってきたらどうしよ!!」
という被害妄想から自軍の戦車に施した吸着地雷対策で、第二次大戦中の一時期見られたユニークな模様です。ただ、意外と敵が吸着地雷を使ってこなかったこと、結構手間も値段もバカにならなかったこととで廃止されていきましたが・・・。
これもデザインする上でワンポイントとして施してやると、マニア度3割増です。
といった感じでかなり駆け足の装甲談義でしたが如何でしたでしょうか。舌足らず8割な感じなので、その辺はググって頂けると助かります。
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*オマケ・・・。それっぽい装甲の配置をしてみました*
ということで、上記をふまえてそれっぽい装甲の質感を施してみているのが下の機体です。基本は溶接された装甲のハコ組で、マッハ系でビュンビュン飛ぶということで、背部は装甲を削って軽量化したような感じにしてみました。
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