ご あ い さ つ

 2001年、明治大学は創立120周年を、2002年明治大学体育会山岳部は創部80周年を迎えました。この節目の年にあたり「ドリームプロジェクト」として様々な事業を展開してまいりましたが、最大の目標として掲げたのは、山岳部炉辺会員にヒマラヤ8000m峰14座の全山登頂です。
 幸い、2002年にはローツェ峰(8516m)に6名の隊員が全員登頂を果たすことができました。これもひとえに皆様方の暖かいご支援、ご声援の賜物と深く感謝する次第です。これで今までに13座の8000m峰に登頂する事が出来、あとはアンナプルナT峰を残すのみとなりました。
 2003年春、満を持していよいよアンナプルナへ向かいます。登攀ルートとなる南壁は多大な困難が予想されますが、十分な準備を整え、安全確実な登山を心掛けたいと念じております。またヒマラヤの美しい自然を後世に残すため、環境保全にも十分留意する所存です。
 遠征と同時に続けてまいりました学術隊の派遣を今回も実施し、地球温暖化による氷河の変化ならびに地形と農村の調査を行いたいと思っております。
 皆様方の暖かいご支援、ご声援を心よりお願いいたします。
明治大学体育会山岳部炉辺会
会長 平野 真市

趣 旨

 我が明大山岳部は創部80周年を迎え、これまで国内のみならず海外の山々において各地に様々な足跡を印して参りました。そして1970年植村直己によるエベレスト日本人初登頂以来30年余を経て、2002年のローツェ登頂により8000メートル峰14座のうち13座に登頂するに至りました。
 1996年JAC青年部K2登山隊終了後の「真摯に山登りを続けていれば、いつしか14座完登という結果がついてくる」と言った話がいよいよ現実の物となってきました。
 アンナプルナT峰はご存知の通り世界で初めて登頂された8000メートル峰です。しかし、その後の統計によると極めて登頂率が低く、特に日本人にとっては登頂者より遭難者の数が多いという相性の悪い山でもあります。またルートとなる南壁が困難である事は言うまでもありません。我々は、ヒマラヤ鉄の時代の幕開けとなった1970年南壁英国ルートを辿り登頂することにより、明大山岳部・炉辺会の活動に一つの区切りを付け、今後クラブがどのような方向に進んで行くのかを模索していきたいと考えています。
 隊員一同この登山に全身全霊を傾け、渾身の気合いで結果を出す所存です。つきましては皆様方の絶大なるご声援をお願い申し上げます。
明治大学アンナプルナT峰登山隊2003
隊長 山本 篤

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