Subject: アンナ ベースキャンプ便り
 私がベース入りしてから12日がたちました。
 ベースはアンナ氷河の巨大なモレーンの中を
 苦労して進むと、右手の一段高いサイドモレーンの
 上に突然現れます。サッカーができるほどの
 広い平坦地でまさにシャングリラです。
 当時はまだ一面雪におおわれていましたが、
 今はすっかり溶けて、枯れ草があらわれ、雪解けの
 小川も流れ出しました。
 名も知らぬ美しい小鳥も訪れます。もちろんカラスも。
 私のテントのベンチレータから河野君の山、アンナプルナサウス
 が1日中見えます。
 アンナの南壁はとても登れそうもないくらい圧倒的に
 そそり立っています。
 
 登山のほうは、C2建設までは順調だったのですが、
 その後天候がおもわしくなく、10日たつのにまだC3が
 できません。今日は全隊員とシェルパ2名でC3建設にむかっています。
 雪が降ると、ルート上は雪崩の巣となり、1日に4回も遭遇したことが
 あります。
 私としては命のちじむおもいです。
 しかし山本隊長はじめみな意気軒昂で頑張っています。
明後日からまた悪天が3日ばかりつずくという予報なので
全員いったんBCにくだります。 したがって登頂予定は、すこし遅れるかもしれません。 ともかく安全第一に出来る限りの努力はしたいと思っております。 関係各位に宜しくおつたへ下さい。

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