◇ペット◇
(2003/4/9)
俺は鹿屋にいた頃、シマリスとプレーリードッグを飼ってました。
プレーリードッグは、ドッグと名前がついてるけど、リスの仲間です。しっぽの先が、黒いです。
文字どおりアメリカの広大なプレーリーに住んでいて、おもに土の中をすみかとしています。
飼っていたのは中でもかなり小型の種類で、正確には「リチャードソンジリス」という亜種でした。
二本足ですくっと立った姿がかわいいんだけど、口で説明すると、よくミーアキャットに間違われます。
犬のようにきゃんきゃん鳴くのですが(だから「ドッグ」という名前が入ってる)、この子が鳴いたのはほんの一度きりでした。
(プレーリードッグのナトキン。プチトマト食べてます。)
シマリスはずっと凶暴なままで、一向になつかなかったんだけど、
プレーリードッグのほうは、ずいぶんとなついてくれて、自分の子供のような感覚だったんよ。
すごいかわいくて、いっしょに遊んでは癒されて、うんちや巣の掃除をしてあげて。
って、自分の子供を持った感覚なんてわからないけどさ。
当時つき合っていた彼女いわく、「リスと子供はぜんぜんわけが違うよ」
結婚して実際に子供を産んだ3年前の言葉です。
まぁ、そりゃそうだろうな。
ずいぶんとかわいがっていたのですが、俺が大学4年の1月なかば、帰らぬリスとなってしまいました...。
死因は、たぶんお茶の葉。脱水になったのか、それともタブーな食べ物だったのかは、わからないけど。
そのとき、ほんの一度きり、鳴いたのです。
まさに、断末魔のように...。苦しそうにして、なくなっていきました...。
部屋にいない時間が多い今、実際に部屋でリスを飼うのは、難しいよなぁ。
でも、「かまってかまって」と言わんばかりに駆け寄ってきてエサをねだる愛くるしい姿、
ゆでたキャベツをあげたら熱かったようで、手の上でキャベツをお手玉してた間抜けな姿。
あれから5年以上過ぎた今でも忘れることはできなくってね。
死んだときの悲しみも、忘れません。
山に行って、大好物だったたくさんのひまわりの種といっしょに、土の中に弔ってあげました。
夏になってお墓参りにいったとき、埋めたひまわりの種がいくつか地上に芽を出して、花を咲かせていました。
あああ、感傷に浸ってしまった。
小動物系のペット、また飼いたいな...。
...と思うってことは、気持ちがつかれてるのかな。
どっちでもいいや。
今日は、なんとなくなつかしい気持ちのまま、寝ます。おやすみ。
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